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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第14章 更なる「力」を求めて

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第430話 水音編26 「記憶」を集めて


 水音の「記憶」を見た後、その場にいる者達は皆シーンと静かになったが、


 「な、なぁ水音、今のってもしかして……」


 と、沈黙に耐えられなかったのか、ループスが小さい水音に尋ねようとして振り向くと、


 「あれ? なんか、()()()なってない?」


 と、頭上に「?」を浮かべたので、分身1号と白い水音も小さい水音を見ると、確かにループスが言ってたように、水音の体が少し大きくなっていた。当然、「成長した」という意味だ。


 そのことに分身1号と白い水音も少し驚くと、少し大きくなった水音が口を開く。


 「そうです。あれが僕が言った、僕がいじめられていた時の記憶です。あの頃の僕は、自分の持つ『力』に振り回されてばかりで、その所為でいつも周りに迷惑ばかりかけてたんです」


 「じゃあ、あの最後にお前を罵ってた奴が?」


 「はい、僕と同い年の、従兄弟の航士(かずし)です」


 そう話した少し大きくなった水音の顔は、酷く暗く、悲しそうだった。そんな水音を見て、ループスも分身1号も悲しそうな表情になった。


 「……」


 ただ1人、白い水音を除いて。


 その時だった。


 『!』


 突如、ボゥっという音と共に、ループス達の目の前に青い人型の「何か」が現れたのだ。


 その出現に驚いて、ループス達はすぐに身構えたが、よく見ると、今現れた「何か」の大きさが、最初に現れた大きな「何か」と違ってかなり小柄だったのだ。


 少し大きくなった水音は小柄の「何か」を見て怯えた表情になったが、


 「だ、大丈夫、僕も一緒だから」


 と、同じく怯えた表情の分身1号に励まされたので、少し大きくなった水音は、真っ直ぐ小柄な「何か」を見て、右手を伸ばした。


 すると、それに反応したのか、小柄な「何か」はゆっくりと、少し大きくなった水音の右手に触れた。


 次の瞬間、眩い光と共に景色が変わった。


 気がつくと、ループス達は見たこともない場所に立っていた。


 そこは、どうやら木造の建物の中で、そこでは今の少し大きくなった水音と同じくらいの姿の水音が、1人の老人男性と対峙していた。


 「ーー! ーーーーーーー!」


 老人男性は怒鳴るように水音に向かって何か言ってたが、なんて言ってるのかループス達にはわからなかった。


 そして、老人男性と対峙してる水音も、


 「ーー! ーーーーーー!」


 と、老人男性に向かって何かを言っているが、これもループス達にはわからなかった。


 その後、2人はお互い全身から「鬼の闘気」を出したが、そこで記憶が途絶えたのか、また元の真っ暗な闇の中に戻った。


 そして、ループス達が一斉に少し大きくなった水音を見ると、更に水音の体が大きく成長していた。


 「えっと、あそこって何処なの?」


 と、分身1号が更に大きくなった水音に尋ねると、


 「あそこは、うちの中にある道場です。春風と初めて戦った場所って言えばわかりますか?」


 と、更に大きくなった水音はそう尋ね返しながら答えたので、ループス達は「ああ、なるほど」と納得の表情を浮かべた。


 その後、


 「じゃあ、お前が対峙していたあの爺さんは誰なんだ?」


 と、今度はループスが更に大きくなった水音に尋ねると、


 「僕の祖父の、洋次郎爺ちゃんです。あの人も僕と同じ『鬼の闘気』を扱えるんです」


 と、更に大きくなった水音は表情を暗くしながら答えた。


 その時だ。


 「あ、あれ!?」


 と、分身1号が驚いたように、また景色が変わったのだ。


 「ど、どうして? まだ何もしてないのに」


 「おそらく、水音君が『記憶』を取り戻したのをきっかけに、更に思い出したのでしょう」


 という分身1号と白い水音のやり取りが終わると、今度は別の場所に出た。


 そこは大きな廊下のようで、ちょうどループス達の目の前で、幼い水音が部屋の扉の隙間から何かを覗いていた為、気になったループス達も、幼い水音の側に近づいて、扉の隙間を覗いた。


 中では洋次郎と2人の男女が何かを話し合っていたのが見えて、


 「えっと、お爺さんはわかったけど、あの2人は?」


 と、分身1号が尋ねると、


 「ああ、あの2人なら知ってる。確か水音の父親の優誓殿と母親の清光殿だ」


 と、ループスが答えた。


 「ーーー」


 「ーーー」


 「ーーー」


 3人は神妙な顔で何かを話し合っていたが、残念なことに幼い水音を除いて、ループス達には会話の内容が聞こえなかった。


 ループス達は残念そうな表情を浮かべると、また、元の真っ暗な闇の中に戻っていた。


 「んがーっ! 何を言ってるのかちっともわかんねぇーっ!」


 会話の内容がわからず、ループスは悔しそうに頭を掻いた。


 そんなループスをよそに、分身1号は心配そうに更に大きくなった水音を見ると、


 「……」


 と、更に大きくなった水音が蹲りながら怯えるように体を震わせていたので、分身1号は驚いて、


 「ど、どうしの水音君、大丈夫!?」


 と、慌てて水音の側に寄って尋ねた。


 すると、それまで黙ってた白い水音が、ここで口を開いた。


 「もしかすると、これ以上記憶を取り戻したくないのかもしれません」


 その言葉を聞いて、


 「え、どういうこと!?」


 と、分身1号が尋ねると、


 「おそらくですが、記憶を取り戻すことによって、水音君は何か『思い出したくないもの』に近づいていくのを感じてしまい、それを恐れているのでしょう」


 と、白い水音はそう説明した。


 その瞬間、


 「思い出したくないもの……って、あ、そうか!」


 と、ループスが何かを思い出したかのように飛び上がった。


 「え、何、どうしたの?」


 と、驚いた分身1号がループスに向かって尋ねると、


 「実はここに来る前に、『占術師』のエスター殿が言ってたんだ。1号、お前と戦うことになった時、水音は『最も向き合いたくないもの』と対峙することになるって」


 と、ループスは分身1号と更に大きくなった水音を交互に見ながら答えた。


 その答えを聞いて、


 「最も向き合いたくないもの、か。なるほど、それが今この時だとしたら……」


 と、白い水音が納得した、まさにその時、


 ーーボゥ。

 

 『!』


 ()()が現れた。


 

 

 

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