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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第4章 誕生、ユニークなハンター?

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第43話 春風vsリアナ


 戦いの開始直後、春風とリアナは互いが持つ刃をぶつけた。


 2人は鍔迫り合いの状態から一歩も動かない……と思ったら、春風の方が僅かに押されていた。


 (ぐっ! やっぱりレベルの差があると力で押し負けるか……)


 苦しそうに踏ん張る春風は、ならばと思って自分から力を抜いて体勢を崩し、鍔迫り合いの状態から脱出する。


 「!?」


 春風が脱出した事で、驚いてバランスを崩すリアナ。


 それを見逃さなかった春風は、リアナの武器を持つ右手に向かって彼岸花を振り下ろした。勿論、峰打ちで、だ。


 だが、


 「さ、せ、る、かぁっ!」


 危うく倒れそうになったところでどうにか踏ん張ったリアナは、振り下ろされた真紅の刀の峰に向かって燃え盛る薔薇(フレイム・ローズ)を力いっぱい振るった。


 ーーガキィン!


 力強く振われた銀の刃が、真紅の刀の峰を弾き返す。


 その時に生まれた一瞬の隙を逃さなかったリアナは、すかさずもう一撃をお見舞いしようとするが、春風はすぐに後ろに下がってこれを回避した。


 春風とリアナは武器を構え直してお互いを睨む。


 小闘技場内に緊張が走り、審判役の職員と周囲の人達がゴクリと固唾を飲む。


 そんな状況の中、春風は彼岸花を構えたまま考える。


 (うわぁ。この状況どうすりゃあ良いんだよ。リアナすっごい強いし、全然隙がないし。いっその事ここで降参する? いやぁ、それだと何か悔しいし。じゃあ、ワザと負ける? いやダメだ。それだとリアナに後で怒られそうで怖い。うん、コレ完全に詰んでる……って、ちょっと待って。何で俺こんな思いしてんの?)


 その時、春風の心の中は、激しい「苛立ち」でいっぱいだった。



 (リアナも職員さんも無視するし、いつの間にか人が集まってこっち見てて、何かムカつくんですけど。『茶番』ってこういうのを言うんだろうな。うん、やっぱりすごくムカつく。ムカつくムカつくムカつく……)


 「ムカつく」


 春風の発した言葉に、リアナを含む小闘技場内にいる全員は思わず、


 『え?』


 と、何とも間抜けな声を漏らした。


 (あ、やべ。心の声出ちまったわ)


 次の瞬間、春風は素早くリアナに迫り、彼岸花による刺突を繰り出した。


 「くっ!」


 リアナは燃え盛る薔薇(フレイム・ローズ)の刃でこれをガードするが、その後も春風は何度も何度も刺突を繰り出した。


 (は、速い!)


 リアナは2つの銀の刃でガードし続けるが、春風は攻撃の手を緩めないどころか、ドンドン攻撃のスピードを上げていった。


 (ま、不味い。退避しなきゃ……)


 そう考えて、リアナが横に移動しようとしたその時、


 ーーズゴン!


 「かはっ!」


 リアナは横腹に強い()()を受けた。


 (な、何が……?)


 リアナは衝撃の正体を確かめようとチラリと横腹を見ると、そこには()のような物が当たっていた。


 (棒? 何処から?)


 棒の先を見ると、そこにあったのは春風の左手だった。


 どうやら、春風の左手に持っている棒が、リアナの横腹に打撃を与えた様だった。


 さらによく見ると、その棒は黒塗りで、春風の右手の刀と同じ様に反りがあった。


 その瞬間、リアナは棒の正体を理解した。


 それは、彼岸花の()だった


 実は春風はリアナに刺突を繰り出している間に、ベルトから鞘を外して手に持ち、リアナに隙が出来た瞬間に、鞘による打撃をお見舞いしたのだ。


 「ぐ……あ……」


 痛そうに片方の手で横腹を押さえるリアナ。


 春風はそんな状態のリアナに迫ると、手に持った刀と鞘に自身の魔力を込めてから振り上げ、リアナに向かって力いっぱい振り下ろした。


 「ぐぅっ!」


 リアナは咄嗟に燃え盛る薔薇(フレイム・ローズ)でガードするが、横腹にダメージを抱えた状態では思うように力が入らず、受けた衝撃で小闘技台の外まで吹き飛ばされ、背後の壁に衝突した。


 「くはぁっ!」


 背中にダメージを受けたリアナは立つ事が出来ずにその場に座り込んだ。


 それを見て、審判役の職員が声高々に、


 「場外! 勝者、ハル!」


 と宣言した。


 それを聞いて、


 『オオーッ!』

 

 と、周囲の人達の歓声が上がる。


 そんな状況の中、春風は「ハァ」と溜め息を吐くと、心の中で呟く。


 (……くだらない)


 そこには、勝った事に対する喜びは微塵も無く、ただ失望と疲労だけがあった。


 


 


 

 


 


 


 


 


 

 


 

 小闘技場での春風とリアナの戦いですが、前作とは違った展開で書きました(勝利するのは変わりありませんが)。

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