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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第14章 更なる「力」を求めて

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第421話 水音編17 新たな「弟子」の誕生


 水音と春風の「一試合」が終わってから暫くして、漸く水音が落ち着くと、凛依冴と春風は桜庭一家と共に、桜庭家の道場から応接間へと移動した。当然、その前に春風は水音の「鬼の闘気」による怪我の手当てをされた後、水音と一緒に風呂へと通されて、「一試合」時の汗を洗い流してからだが。


 「怪我の具合はどうかね?」


 と、水音の祖父・洋次郎に尋ねられると、


 「問題ありません。手当てしてくれたうえに、お風呂まで用意してくださって、ありがとうございます」


 と、春風はニコッと笑ってお礼を言った。


 その答えを聞いて、水音はシュンとなった後、


 「ごめんなさい」


 と、春風に向かって深々と頭を下げて謝罪したが、


 「ああ、そんな。俺の方こそ、()()()()()しまって、すみませんでした」


 と、春風も水音に向かって、深々と頭を下げて謝罪した。


 それを見て、凛依冴と水音を除いた桜庭一家がオロオロしていると、春風はスッと頭を上げて、


 「あー、ところで師匠、今更になりますけど……」


 『?』


 「結局、俺が呼ばれた『理由』って何だったんですか? なんかいきなり電話で、『修練着を持ってこの場所に来て』って、メールとここまでの地図を貰ったのですが」


 と、凛依冴を見て気まずそうにそう尋ねてきたので、凛依冴は、


 「あーっと、そのぉ……」

 

 と、わざとらしく口笛を拭きながらそっぽを向いたので、


 「それについては、儂が説明しよう」


 と、洋次郎が「ハイ」と手を上げてそう言ってきたので、


 「お願いします」


 と、春風は洋次郎から、桜庭一族のことや、数日前の水音の『事件』から今日までのことを聞いた。


 数分後、

 

 「なるほど、そのようなことがあったんですね」


 事情を聞き終えると、春風は表情を暗くした。


 その後、少しの間誰もが沈黙していると、


 「あの、こんなこと聞くべきじゃないとはわかっているのですが、その従兄弟さんとお仲間さん達は、どうなったのですか?」


 と、春風が洋次郎に向かってそう質問し、


 「心配はない、全員命は助かった。しかし、連中の殆どはトラウマになっているようでな、学校にいかず家に籠るようになった者もいれば、何処か遠くへと引っ越した者もおる」


 と、事件に原因となった従兄弟と取り巻き達のその後について、洋次郎はそう説明した。


 その説明を聞いて、春風は「そう……ですか」と言うと、再び誰もが沈黙した。


 すると、


 「……凛依冴さん」


 と、今度は洋次郎が口を開いた。


 「何でしょうか?」


 と、凛依冴が返事すると、


 「そちらの春風君は、あなたの弟子と言ってましたな?」


 と、洋次郎がそう尋ねてきた。


 「ええ、そうですけど」


 と、凛依冴が答えると、洋次郎は凛依冴に向かって深々と頭を下げて、


 「お願いしたい、どうか、孫の水音も、あなたの『弟子』にしてほしい」


 と、頼み込んだ。


 それを聞いた凛依冴は、


 「……理由を聞いてもいいかしら?」


 と、洋次郎に向かって尋ねると、洋次郎は続けて答えた。


 「我ら桜庭の一族には、普通の人にはない『力』持っておるが、水音の持つ『力』はそんな我々をゆうに超えておる。このままだと水音はいずれ、己の『力』の強さに心が押しつぶされてしまうでしょうが、残念ながら我らにはそれを止めることが出来ませぬ。ならば、水音自身に強くなってもらうしか方法がないのだ」


 「それで、私の弟子にしてほしいと?」


 と、凛依冴がそう尋ねると、洋次郎はコクリと頷いた。


 凛依冴は「えぇ……」と困った顔をして、春風をチラリと見た。


 それに気付いた春風は、「ハァ」と溜め息を吐くと、


 「えっと、水音君は、どうしたいのかな?」


 と、水音に向かってそう尋ねた。

 

 水音は真面目な表情で答える。


 「……僕は、もっと強くなりたい。僕自身の『力』に負けないくらい、肉体的にも、精神的にも。もう、自分の力で大切なものを傷つけるのは、嫌なんだ。だから……」


 『……』


 水音はスッと立ち上がると、凛依冴の側に近づき、


 「お願いします、僕も、あなたの弟子にしてください!」


 と、()()()をしてそう頼み込んだ。


 凛依冴はそんな水音姿を見て、


 「え、ええっとぉ……」


 と、再び春風をチラリと見ると、


 「……俺から1つ『条件』がありますが、よろしいでしょうか?」


 と、春風は洋次郎に向かってそう尋ねた。


 洋次郎はそんな春風を見て、


 「な、何かな?」


 と警戒すると、春風は穏やかな笑みを浮かべて、


 「俺の家、喫茶店を営んでいるんです。時々でいいですから、ご家族の皆さんと来てください。美味しい料理とコーヒーを用意しますので」


 と言った。


 その言葉に桜庭一家は全員ポカンとなったが、


 「ああ、わかった。その条件をのもう」


 と、洋次郎が一家を代表してそう答えた。


 それを聞いた春風は、


 「じゃ、決まりですね」


 と、チラリと凛依冴を見た。


 すると、凛依冴は笑顔でコクリと力強く頷いて、スッと立ち上がると、水音の前で片膝をつき、


 「よろしくね、水音君」


 と、水音に向かってスッと右手を差し出した。


 水音はそれが嬉しかったのか、


 「はい! こちらこそ、よろしくお願いします!」


 と、笑顔で差し出されたその手をとった。


 こうして、冒険家・間凛依冴に、桜庭水音という新たな「弟子」が出来たのだった。

 


 


 


 

 

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