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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第14章 更なる「力」を求めて

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第419話 水音編15 水音と春風


 水音の実家は大きな和風の屋敷で、その中には大きな道場がある。


 そして今、その道場の中では、


 (な……何で?)


 水音と、凛依冴の弟子である春風の()()が始まろうとしていた。


 (何でこうなったんだ!?)


 遡ること数分前。


 「それで師匠、俺はどうしてここに呼ばれたんですか?」


 水音一家に自己紹介(?)を終えた春風が、凛依冴に向かってそう尋ねると、


 「その理由を言う前に聞きたいんだけど、()()()は持ってきた?」


 と、凛依冴に尋ね返されてしまったので、春風は「意味がわからん」と言わんばかりに首を傾げながら、


 「ええ、言われた通り持ってきましたけど……」


 と答えた。


 それを聞いた凛依冴は「よしよし」と春風の頭を撫でた後、優誓の方へと視線を向けて、


 「あー、すみませんが、この近くに()()かそれに()()()()ってありませんか?」


 と、軽い感じで優誓にそう尋ねた。


 いきなり話しかけられた優誓は一瞬ポカンとなったが、


 「え? あぁ、道場でしたらうちの中にありますが……」


 と、すぐにハッとなって答えた。


 すると、凛依冴は表情を明るくして、


 「お! ホントですかぁ!? すみませんが、ちょおっとそこをお借りしたいのですが、よろしいでしょうか?」


 と、優誓に再び尋ねると、それまで黙っていた水音の祖父・洋次郎が口を開いた。


 「う、うむ、それはかまいませんが……」


 と、未だ「訳がわからん」と言わんばかりの表情でそう言った洋次郎。しかし、そんな彼に構わず、


 「ありがとうございます! 案内お願いします!」


 と、凛依冴はお礼とお願い言うと、春風の方へと向き直って、


 「それじゃあ、春風。早速修練着に着替えて、一緒に道場に行こう! あ、勿論、水音君も一緒にね! 後、道着持ってたら、それに着替えてね!」


 と、水音をチラリと見ながらそう仕切った。当然、春風と水音を含めた面々は再びポカンとなったが。


 そして、現在に至る。


 「あのー、師匠」


 道場の中央で水音と向かい合うように立っている()()()姿()の春風が、凛依冴向かって口を開く。


 「なぁに、ハニー?」


 「ですから、その呼び方やめてくださいって……いや、そうじゃなくて、この状況って、もしかして……」


 嫌な予感がしたのか、恐る恐る尋ねようとした春風だが、それを遮るかのように凛依冴は「フフン」と笑って、


 「ええ、そうよ。さぁ、春風、そこにいる水音君と()()()しなさぁい!」


 と、声高々に春風にそう命じた。


 春風はそれを聞いて、


 「ああ、やっぱりそうか……」


 と、「ハァ」と小さく溜め息を吐きながら言った。因みに、水音は未だに「訳がわからん」と言わんばかりに頭上に「?」を浮かべていた。


 すると、


 「あー、すまないが凛依冴さんとやら」


 と、道場の壁際に立っている洋次郎が、水音と春風の間に立っている凛依冴に向かって口を開いた。


 「? 何でしょうか?」


 「あなたに2つほど聞きたいことがあるのだが、まずはこの()()、一体どういうつもりかね?」


 と、かなり真剣な表情で尋ねてきた洋次郎に、


 「勿論、水音君を()()為ですよ」


 と、凛依冴も真剣な表情で答えた。


 その答えを聞いて、洋次郎を除いた人達が「どういうこと?」と首を傾げると、凛依冴は春風を見る。


 「ねぇ、春風」


 「何ですか?」


 「彼を見て、どう思う?」


 と、水音を指差しながら尋ねた凛依冴に、春風は「え?」となって水音をジィッと見つめると、


 「……ふーむ」


 と、真面目な表情になって考え込み、


 「なんとなくわかりましたけど、ちょっと俺、自信ないですよ?」


 と、本気で「自信ない」と言わんばかりの表情になってそう答えた。


 その答えに凛依冴は、


 「大丈夫! 春風なら、きっと出来る!」


 と、親指を立てながら満面の笑みを浮かべてそう返した。


 春風はそれを見て「えぇ?」と不安そうな表情になったが、そんな彼に構わず、洋次郎が「ウォッホン」と咳き込むと、


 「……まぁ、大体はわかったが、もう1つ聞いてもいいだろうか?」


 と、凛依冴に向かって尋ねた。


 「何でしょうか?」


 と、凛依冴が尋ね返すと、


 「そちらにいるお弟子さんが『男』というのはわかったが……彼のその()()は、何の冗談だろうか?」


 と、洋次郎は春風を……否、春風の格好を指差しながらまた尋ね返した。それに反応したのか、春風と向かい合う水音だけじゃなく、優誓、清光、陽菜、福世も、皆微妙な表情になった。


 「何って、これが春風の()()()ですが?」


 と、凛依冴が「何言ってんだ?」と言わんばかりの表情でそう答えると、洋次郎達は更に微妙な表情になった。


 何故なら、今、水音は空手用の道着を着ているのだが、対する春風の服装はというと、下半身は黒い長ズボンをはいているが、上半身は素肌の上に前開きのシャツを着てはいる。しかしサイズが小さいのか、丈は短く、前も完全に開いたままの状態で、その所為で、胸の部分だけじゃなくおへそと背中半分が丸出しの、ちょっと露出度が高めの格好になっているからだ。


 おかげで、春風が「男」だというのは理解出来たが、あまりにもこの場に不釣り合いとも言える格好に、水音達はなんとも言えない微妙な表情になってしまったのだ。


 しかし、そんな彼らに構わず、凛依冴は春風に命じる。


 「それじゃあ春風、思いっきり()()()でいきなさい!」


 その言葉に水音は「え?」となったが、春風はというと、


 「……わかりました」


 と、真剣な表情で答えた。


 その後、目の前の水音に向かって尋ねる。


 「えーっと、水音君……でいいのかな?」


 「え、う、うん、何?」


 頭上にいくつもの「?」を浮かべる水音に対して、春風は更に真剣な表情で言う。


 「ちょっと()()でいきますけど、気をつけないと……()()()()()?」


 「……へ?」


 呆ける水音を前に、凛依冴は叫ぶ。


 「それでは……始め!」


 そして、春風は動いた。


 水音を、()()勢いで。


 


 

 

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