表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第14章 更なる「力」を求めて

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

450/609

第399話 リアナ編15 「天使」、現る

 今回はいつもより長めの話です。


 村が襲撃された。


 コールがそう言ってすぐに、頭上で大きな音が鳴り、それと同時に自分達がいる「獣人の修練場」が激しく揺れた。


 そして揺れがおさまった後、


 「ちぃ! 何だってんだよ一体!?」


 と、ギャレットはすぐに修練場を出て階段を駆け上がり、そんな彼を追うように、


 「ま、待ってください!」


 「あ、あたしも行くわ!」


 と、彩織と詩織も駆け出した。当然、コール達も一部の人間を残してその後を追った。


 階段を上がり終えたギャレットが小屋の外へと出ると、村のあちこちでは煙が上がっていた。


 何者かに攻撃をされたのか、新しく建っていた家々の外壁が所々崩れていて、真っ黒に焼けこげていた。


 「どうなってんだこりゃあ?」


 と、彩織達と合流したギャレットが、辺りを見回しながらそう言うと、


 「あ、あそこに誰かいます!」


 と、彩織がとある方向を指差しながらそう言った。


 よく見ると、確かにその指先には1人の人物がいるようだったので、ギャレットは彩織達に警戒しろというと、ゆっくりとその人物に近づいた。


 ある程度近くで見てみると、その正体は白銀の鎧を纏った若い男性のようで、ギャレット達は更に警戒を強くした。


 そして、ギャレット達の存在に気づいたのか、男性はゆっくりとギャレット達の方へと振り向いた。


 「()()()()()()


 男性がギャレット達を見て、ニヤリと笑いながらそう言うと、


 「て、テメェは!」


 「あ、あなたは!」


 「あんたは!」


 と、ギャレット、彩織、詩織が驚きの声をあげた。どうやら、お互い知り合いのようだ。


 「フッフッフ……」


 と笑う男性を前に、


 「あ、あの、皆さん。お知り合いの方ですか?」


 と、コールが恐る恐る尋ねてきたが、ギャレット、彩織、詩織はそれを無視して、


 「テメェは……」


 「あなたは……」


 「あんたは……」


 と、目の前の男性を見ながらそう呟いた。


 余計な話だが、もしここに春風がいたなら、目の前の男性の名前を言っていただろう。


 だが、


 「「「……どちら様ですか?」」」


 どうやら3人は、男性のことを覚えていないようだった。


 その瞬間、彼らとの間にヒュウウと風が吹き抜けて、


 「んが!」


 と、男性はまるで昔のギャグ漫画のキャラクターのように、「ズコーッ!」と叫ばんばかりにコケた。


 コールはそんな男性の様子を見て、


 「え、知らない人なんですか?」


 と、ギャレット達に再び尋ねたが、


 「ああ、悪いが全然知らねぇ」


 「はい、知らない人みたいです」


 「うん、知らない人だよ」


 と、3人ともはっきりとそう答えた。


 「ほ、本当に知らない人なんですか!?」


 と、コールはもう一度尋ねたが、


 「「「全然!」」」


 と、それでも3人はきっぱりとそう答えた。


 すると、男性はガバッと起き上がって、


 「ふ、ふざけるな貴様ら! 私を忘れたとは言わせないぞ!」


 と、ギャレット達に向かってそう怒鳴った。


 しかし、怒鳴られたギャレット達はと言うと、全員「そんなこと言われても……」と困ったような表情になった。


 その時、


 「……あ、もしかして」


 と、彩織が何がを思い出したかのような表情になった。


 「あん? 知ってるのか?」


 と、ギャレットが尋ねると、


 「えーと、確か名前の最初が『ア』だった気がする……」


 と、彩織は男性のことを必死に思い出そうとしていた。そんな彩織に、男性が期待の眼差しを向けた。


 「そうだ、思い出せ、私の名を! 『ア』!」


 「……()()()()()()()さん?」


 「うおお、俺の拳が唸るぜ……って、違う! 私はそんな名ではない!」


 ノリツッコミを交えてそう怒鳴った男性に、彩織はビクッとなったが、すぐにまた男性の名前を思い出そうとした。


 そして、出てきた名前が、


 「()()()()()()()()()()()さん!」


 「うおお、受けろ我が必殺の……って、ちがーう! なんだその必殺技のような名前は!?」


 と、再びノリツッコミを交えて怒鳴った男性は、とうとう我慢の限界が来たのか、


 「アッシュだ! アッシュ! 私の名は、セイクリア王国王宮騎士の、アッシュだ!」


 と、その男性ーーアッシュは怒鳴るように自ら名乗った。


 ギャレット、彩織、詩織はそれを聞いて、


 「「「……ああ、そういえばそうだった!」」」


 と、漸く思い出したかのように手をポンと叩いた。


 その後、呆れ顔のコールが、


 「あの、知り合いだったんですね?」


 と、また尋ねると、彩織、詩織は真剣な表情でアッシュに視線を向けたまま答える。


 「はい、あの人は私とシオちゃんの親友の星乃香ちゃんに酷いことをして……」


 「あたし達の故郷、『地球』の神様達に裁きを受けたんだ」


 と、2人がそう言うと、ギャレットもそれに続く。


 「そうだ。その後、奴は仲間達と共にウォーリス帝国の牢屋に入れられた筈なんだが……野郎、何でここにいるんだ?」


 その言葉を聞いて、彩織も詩織も「そういえば」と頭上に「?」を浮かべると、アッシュは「クックック……」と笑って、


 「そうだ。確かに我らはあの後、帝国の牢屋に入れられて、大人しく刑を待っていた……」


 と、話し始めた。


 「だがしかし、そんなある時、我らの前に『神』が現れたのだ!」


 「神だと?」


 「そう! 我らが古来から崇める5柱の神々だ! 神々は我らを牢屋から、『神の世界』へと連れ出してくれた! そして、そこで我らは生まれ変わったのだ!」


 と、アッシュがそう言い放った次の瞬間、アッシュの背中から「何か」が生えてきた。


 それは、大きな純白の「翼」だった。


 そして、アッシュはその翼を動かして、ゆっくりと空へと舞い上がった。

 

 その姿を見て、詩織が呟く。


 「あれって、天使?」


 その言葉に反応したのか、アッシュはニヤリと笑って口を開く。


 「そう、天使だ! 我々は『人間』から、神の使いである『天使』となったのだ!」


 そう言った次の瞬間、アッシュの周りに複数の人影が現れた。


 それは、ウォーリスに囚われていたアッシュの仲間達で、全員アッシュと同じように背中に白い翼が生えていた。


 その姿を見て驚きを隠せない様子のギャレット達を前に、アッシュは更に話を続ける。


 「我らがここへ来た目的!それは、この村に来てるであろう『白き悪魔』ことリアナ・フィアンマを、神の名のもとに始末することだ! そして殺した後は、我らの最大の敵である幸村春風にその首を見せつけ、奴を絶望の底へ叩き落としてやるのさぁ!」


 そう言って後、アッシュは声高々に笑った。


 その姿にコールは最初恐怖したが、


 「へ! なら、テメェらは『敵』ってことでいいんだよな?」


 と、ギャレットが武器を構えた。それに続くように、


 「そんなこと、絶対にさせません!」


 「当然よ!」


 と、彩織も詩織も戦闘体勢に入った。


 コールはそんなギャレット達の姿を見て、


 「……危ないですから、安全な所へ避難してください」


 と、ジェロームら幽霊達を含めた人達にそう指示すると、


 「皆さん、僕も戦います」


 と、ギャレット達に向かってそう言った。


 「……いいのか?」


 と、ギャレットが尋ねると、


 「正直言うと怖いですけど、僕にも守るものがありますから!」


 と、コールは真っ直ぐギャレットを見てそう答えたので、


 「よっしゃあ! じゃあ、勇者嬢ちゃん達に固有職保持者の坊主、気合い入れていくぜ!」


 と、ギャレットは目の前の「敵」を見ながらそう叫ぶと、


 「はい!」


 「オッケー!」


 「わかりました!」


 と、彩織、詩織、コールはそう返事した。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ