第397話 リアナ編13 リアナ・フィアンマの「本心」
お待たせしました、1日遅れの投稿です。
リアナの持つ「欲望」のことで、ヘリアテスが周りからお叱りを受けている一方で、肝心のリアナ本人はというと、
「うぅ、聞かれちゃったよぉ」
と、目の前に立つ2人のリアナ達に自身の「欲望」を暴露されてしまったショックで、その場に膝から崩れ落ちそうになったが、僅かに残ったプライドによるものなのか、何とか踏ん張ることは出来た。
ただし、自身の「欲望」を仲間達だけでなくシルビアとエルネストとヘリアテス両方に聞かれてしまったことへの恥ずかしさのあまり、その顔はこれ以上ないくらい真っ赤になっていた。
「酷いよぉ、みんなの前でバラすなんて……」
と、リアナは泣きそうになりながら2人のリアナ達に文句を言ったが、
「「いやぁ、多分だけど、近い将来バレることになると思ったもんで、つい」」
と、2人同時にそう言い返されてしまい、リアナは「うぐ!」と呻きながら、今度こそその場に膝から崩れ落ちた。そんなリアナを、ヘリアテス達が心配そうに見つめる中、2人のリアナ達は話を続ける。
「そう、私達はこの『欲望』と共にお母さんのもとを旅立ち、それからハンターとして生活したけれど……」
「それから暫くして、私達はこの『欲望』を封印しなければならなくなったの」
その言葉を聞いて、「え?」と頭上に「?」を浮かべたアデレードが、
「ど、どうしてまた……?」
と、2人のリアナに質問すると、
「……私が、他の人と違う存在だから」
と、崩れ落ちた状態のままのリアナが答えた。その瞬間、
『……あ』
と、ヘリアテス達は何かを察したかのような表情になった。
そう、リアナの体には「人間」だけでなく、「悪しき種族」と今の世間ではそう認定されている「獣人」と「妖精」、2つの種族の血も流れていて、更に教会からは異端視されている、「固有職能」を持つ「固有職保持者」でもある。どちらも世間に知られれば、最悪の場合、命を落とすことになりかねない為、リアナはこのことを隠さねならなかったのだ。
「……だから、私はずっと1人で活動するしかなかったの。他の人とハンター活動する時は、必要時以外は距離を置くようにもなった。何処かで自分のことがバレてしまうのかわからなかったから」
「「そう、そしてそんな生活を続けていくうちに、いつしか私達は『欲望』を……『夢』を封印してしまった」」
悲しそうな表情でそう説明する3人のリアナ達を見て、聞いていたヘリアテス達も、皆、悲しそうな表情になった。
そんな状況の中、崩れ落ちた状態のリアナが口を開く。
「だけど、そんなある時、私は出会った。異世界から来た同じ固有職保持者……ハルに」
そう言ったリアナに、ヘリアテス達が『あ……』と小さく声を漏らす中、リアナは更に話を続ける。
「最初はハルを見て、『あ、あの子可愛い』って思ってたんだけど、その後まさかの暴言を聞いて、私すんごい物理的ダメージを受けて、『え、何この人ヤバすぎるんだけど!』ってショックを受けたんだ」
その言葉を聞いて、
「「あー、あれかぁ……」」
と、彩織と詩織が当時の状況を思い出し、
『いや、物理的ダメージを受けるくらいの暴言って何!?』
と、それ以外の人達が盛大に突っ込みを入れたが、
「だけど、それと同時に私は……
「「そう、私達は……」」
「「「そんなハルに惚れてしまったの」」」
と、3人のリアナ達が同時にそう言ったので、
『な、何ですとぉ!?』
と、彩織、詩織を除いた人達は、皆、もの凄いショックを受けた。
「そして、私はハルを外に連れ出した。最初は一緒に来てくれるか不安だったけど、『連れ出してください』ってハルに言われて、凄く嬉しかった。その後私の正体を知っても、ハルは全然怖がることなく私とお母さんの話をしっかりと聞いてくれて、もっと嬉しくなって、で、一緒に暮らしていくうちに、いつの間にか本気で好きになったんだ」
(り、リアナ……)
「ハルだけじゃない、その幼なじみユメも、押し倒してキスまでしちゃうっていう酷いことしたのに、そんな私に『一緒に幸せにしよう』って言ってくれた彼女のことも、いつの間にか好きになって」
(ん? リアナ?)
「ユメだけじゃない、同じくハルのことが好きな凛依冴師匠も、幽霊から精霊になって若返ったジゼルおばあちゃんも、同じ固有職保持者で妹みたいな存在のルーシーも、年下だけどちょっとライバル感のあるイブリーヌ姫様も好きになって……」
(え、待ってリアナ、その人(?)達、全員女性よね?)
「ミウに関しては、まぁこれから絆を育むのかなってところで……」
(ミウって誰? ミウって誰ぇ!?)
「そして……」
(え、まだあるの!?)
リアナはスッと立ち上がると、
「アデレード・マリッサ・グレイシア」
と、真剣な表情でアデレードを見つめた。
突然話しかけられたアデレードはビクッとなったが、
「何だい、リアナ?」
と、すぐにリアナと同じ真剣な表情になった。
リアナはそれを確認すると、今度は申し訳なさそうな表情になって、
「私、あなたのことは最初『めんどくさい人』って思ってたんだけど、勝負を挑まれたり(断ってばかりだったけど)、一緒にハンター活動しているうちにね、だんだんと『この人といるのも悪くないかも』って思うようになったんだ。そしてあの日、春風と一緒にあなたからキスをされた時、私凄く嬉しかったんだ」
「そう、だったのか」
「でも、今の話を聞いたでしょう? 私はただでさえ他の人と違うのに、こんな醜い『欲望』を持ってるんだよ? そんな私と、本当に一緒にいたいの?」
そう尋ねるリアナの顔は、とても悲しそうだったが、そんな彼女を前に、アデレードは更に真剣な表情で言う。
「……それなら、私の持つ『欲望』だって醜いよ。なにせ『女』であり『王女』という身分でありながら、『強い奴と戦いたい』なんていう理由で祖国を飛び出したんだ。しかも、家にも全然帰ってないんだよ? こんな酷いお姫様、世界中何処を探しても、私しかいないんじゃないかな?」
「……」
「だけどね、そんな私が、初めて本気で『一緒にいたい』と思えた人物が、君と春風君なんだ。それは、今でも変わっていないとはっきり言えるよ」
その言葉を聞いて、リアナがちょっと泣きそうな表情になると、アデレードは真っ直ぐリアナを見て言う。
「リアナ、私は君が好きだ、愛してる。それは、これからも変わらない」
その「告白」に、リアナは一筋の涙を流しながら、笑顔で応える。
「ありがとう、アーデ。私も、大好き。愛してる」
謝罪)
大変申し訳ありませんでした。前回に続いて、今回もこの話の流れを考えていたら、予定より1日遅れの投稿となってしまいました。
本当にすみません。




