表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
間章6

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

434/609

間話50 ジゼルとウォーレン

 お待たせしました。間章6、最終話です。


 セイクリア王国側のキャンプ地にて、地球人女子とエルード人女子による「女子会」が行われた、丁度その頃、


 「フゥ……」


 セイクリア王国側とウォーリス帝国側のキャンプ地から離れたところにある滝の側で、ジゼルは1人、夜空に浮かぶ月を見ながら考え事をしていた。


 彼女が考えていたのは、主に昼間でのこと。


 そう、「彼岸花」という少女の姿をした精霊に対して、


 「私と1つにならない?」


 と、尋ねてしまった時のことだった。


 (どうして私は、あんなことを言ってしまったのだろう?)


 実を言うと、ジゼルがそう言った理由は、ジゼル自身もわからなかったのだ。


 「消えてしまう」と言われた精霊を見て、「助けたい」と思ったのか。


 それとも、ただ「なんとなく言わなきゃいけなくなった」と思ったのか。


 改めて考えてみると、自分でも「何を言ってるんだ私は?」と思い、


 (勝手なことを言って、春風様、怒ってるでしょうか?)


 と、ジゼルは不安な気持ちになった。


 するとその時、


 「む、先客がいたのか」


 「!」


 という声がしたので、ジゼルは驚いて声がした方へと振り向くと、


 「()()()()、というべきかな?」


 「……ウォーレン・アークライト」


 そこにいたのは、断罪官大隊長のウォーレンだった。


 「どうして、あなたがこちらに?」


 と、警戒心を剥き出しにしたジゼルが尋ねると、


 「ちょっと散歩をしてただけだ」


 と、ウォーレンは無表情でそう答えた。


 それから少しの間、両者がお互いをジィっと無言で見つめていると、


 「……あの、何をジッと見てるのですか?」


 と、沈黙に耐えられなかったジゼルが再び尋ねた。


 尋ねられたウォーレンはというと、


 「いや、まさかこうして、()()()()()()()()と再会出来るとは思わなくてな」


 と、無表情のまま答えた。


 その答えを聞いて、ジゼルが「そうですか」と小さく言うと、


 「ジゼル・ブルーム」


 「な、何ですか?」


 「貴様はまだ、我々が憎いか?」


 と、ウォーレンはやはり無表情のままそう尋ねてきた。


 「っ!」


 その瞬間、ジゼルの脳裏に浮かんだのは、大切な家族と、自分自身を殺された時の記憶だった。


 ジゼルは顔を下に向けたが、すぐにゆっくりと顔を上げて答える。


 「そんなの、憎いに決まってるでしょ! 家族を殺されて、あなたに首まで斬り落とされたんですから!」


 そう答えて、ジゼルはギロリとウォーレンを睨んだ。


 しかしウォーレンは特に気にしてないといっった表情で、再びジゼルに尋ねた。


 「ならば何故、幸村春風に私を殺させなかった?」


 そう尋ねられた瞬間、ジゼルはカッとなって、


 「ふざけないで! そんなの駄目に決まってるでしょ!? そんなことをさせたところで、私も私の家族も生き返るわけじゃないないし、あなたのような人間の血で、春風様の手が汚れるなんて絶対に嫌よ!」


 「……」


 「それに何より、私の憎しみを、彼に押し付けたくなんてない」


 そう言ったジゼルの目は、いつの間にか涙が溢れていた。


 それを見たウォーレンは、それでも無表情を崩さずに、


 「……そうか」


 と、小さく呟いた。


 ジゼルはそんなウォーレンを見て、


 「というかあなた、春風様に2度もボコボコにされたんですから、いい加減春風様を殺そうとするのはやめなさい!」


 と喚くと、


 「それは嫌だ」


 と、ウォーレンは即答した。


 「な、何故ですか!?」


 驚いたジゼルがそう尋ねると、


 「誰だってやられっぱなしは嫌に決まってるだろう? それに……」


 「?」


 「奴は我々断罪官の、()()を弄んでのだ。それは絶対に許さん」


 真っ直ぐジゼルを見てそう言い放ったウォーレン。


 ジゼルはその言葉に思わずズッコケそうになったが、すぐに持ち直して、


 「な、ちょ、ちょっと待ちなさい! いつ彼があなた方の純情を弄んだというのですか!?」


 と、ウォーレンを睨みながら問い詰めると、


 「いつだと? 貴様も見ただろ? 異国の巫女の服を着た時の奴を。エリノーラ皇妃様用意したドレスを華麗に着こなす奴の姿を! 男でありながらあの可憐さと美しさ、どう見ても『罪』と呼べるものじゃないのか!?」


 と、ウォーレンは目をカッと見開きながら答えた。


 その答えにジゼルは「うぐ! それは……」と体勢を崩しかけたが、またすぐに持ち直して、


 「そ、それでしたら、あなたのところのユリウス小隊長はどうなのですか!? あの方だって、男でありながら女性のような美しさを持っていますが!?」


 と、再び問い詰めると、ウォーレンは「なんだそのことか」と小さく呟いて、


 「悪いがジゼル・ブルームよ」


 「な、何ですか?」


 「それはそれ! これはこれだ!」


 と、真っ直ぐジゼルを見てそう答えた。


 「んまぁあああああっ! な、なぁんですってぇえええええええ!?」


 その後、ジゼルとウォーレンは激しい言い争いを繰り広げた。


 主に、春風の美しさについて。


 そして、そんな彼女達の後ろにある森ではというと、


 「なぁ、春風にウィルフ」


 「な、何ですかギルバート陛下?」


 「何だろうかギル?」


 「あいつら、どう思うよ?」


 「『やれやれ』、という感じだな」


 「……同じくです」


 と、こんなやりとりがあったのだが、目の前の彼女達が気付くことはなかった。


 


 

 どうも、ハヤテです。


 というわけで、これで間章6は終了し、次回からは本編新章となります。お楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ