間話47 夜の女子会
今回は、いつもより長めの話になります。
宴会が終わって、皆が寝る準備に入り始めた、丁度その頃、セイクリア王国側のキャンプ地内の、とあるテントの中では、
「えー、お集まりの皆様、再会時は色々とイベントが重なってゴタゴタしていましたが、こうしてクラスの女子全員が再会して、漸く落ち着いたので……」
『(ゴ、ゴクリ)』
「只今から、『女子会』を開催したいと思います!」
と、1人の少女がそう宣言した瞬間、テントの中に集まってた女子達が一斉に、
『わぁーっ!』
と、拍手を交えた歓声があがった。といっても、もう寝る時間も近いので、皆、なるべく大きな声を出さないようにしていた。
そう、今始まったのは、「勇者」として召喚された女子クラスメイト達による、「夜の女子会」で、テントの中には、歩夢、美羽、彩織、詩織、麗生、星乃香、そして、セイクリアに残っていた女子6名がいた。
ただ、
「あー、すまないが、ちょっといいだろうか?」
と言う声に、女子達が「ん?」と声がした方へと振り向くと、
そこには、「七色の綺羅星」の女性メンバーである、リアナ、ルーシー、アリシア、フィオナ、ケイト。そして、セイクリア第2王女のイブリーヌと、グレイシア王国第1王女のアデレードもいた。
「その、声をかけてくれたのは嬉しいが、私達も本当に参加してよかったのかな?」
と、アリシアが申し訳なさそうに尋ねると、
「あぁ、勿論いいですよ! 後で私達、聞きたいことがありますから!」
と、クラスメイトの1人にして女子会開催を宣言した少女、深見舞が、明るい口調でそう答えた。
やがてテントの中が静かになると、舞は「さて」と周囲を見回して、
「それでは、ある程度落ち着いたところで、まずは私、深見舞が、女子クラスメイトを代表して言いたいことがあります」
と言うと、まずはじめに歩夢、美羽、彩織、詩織の4人に向かって、
「まずは海神さんに、天上さん、そして氷室姉妹さん」
「「「「?」」」」
「『邪神の眷属討伐作戦』、お疲れ様でした!」
と頭を下げて言うと、それに続くように、残った女子クラスメイト達も、
『お疲れ様でした!』
と、皆、舞と同じように頭を下げた。そんな彼女達見て、歩夢達は「あ、どうも」と照れくさそうに顔を赤くした。
その後、頭を上げた舞は、
「で、白銀さん」
と、次に麗生を見た。
「な、なんだ?」
と、麗生が尋ねると、
「勝手にセイクリアを出て行ったこと、私達はまだ怒ってるんだからね!」
と、舞をはじめ、女子クラスメイト達もプンスカとしていたので、
「す、すまない」
と、麗生は頭を下げて謝罪した。
その後、舞は次にアリシア達の方へと向くと、
「えっと、アリシアさんにフィオナさん、ケイトさんにルーシーさん」
「「「?」」」
「な、何かな?」
「私達のクラスメイト、特に幸村君と一緒にいてくださって、ありがとうございます!」
と、再び頭下げた。それに続くように、女子クラスメイト達も、
『ありがとうございます!』
と、舞と同じように頭を下げた。
アリシアはその姿を見てギョッとなったのか、
「ああ、そ、そんな! 私達は特に大したことはしてないよ! 寧ろ、私達の方がハル君に助けられてばかりで、彼がいなかったら、今頃私達はこうして生きていられなかったと思っているんだ! 私達はみんな、彼には本当に感謝しているんだよ!」
と、恥ずかしそうに大袈裟に手を振りながら言った。それに続くように、隣のフィオナ、ルーシー、ケイトも、
『うんうん!』
と、首を縦に振っていた。
舞はそんなアリシア達を見て、
「そうですか」
と小さく言うと、
「えっと、それじゃあ最後に、海神さん、天上さん、ルーシーさん、イブリーヌ様、アデレード様、そしてリアナさん」
と、リアナ達を見回して、
「ぶっちゃけて聞きますが……幸村君のこと、本気で好きなんですか?」
と、真剣な表情でもの凄い質問をした。
その質問に対して、リアナ達は舞に負けないくらい真剣な表情になると、
『勿論』
と、6人全員が力強く頷いた。
舞はそんなリアナ達を見て、
「……具体的には、どの辺りに惚れたんですか?」
と、再び質問すると、まずリアナが、
「何にでも一生懸命になれるところかな。ハンターやってる時のハル、凄く真面目に仕事をしてたから」
と答えると、続いて歩夢が、
「うん。フーちゃんは小さい頃から基本的に、いろんなことに全力で挑むところがあって、そういうところに、私は惚れてるんだ」
と答えた。
そこへ美羽も入ってきて、
「そうね。私は中学の時から彼を見てきたけど、彼は普段大人しいのに、困っている人を手助けをする時は、最後までしっかりとやり遂げるところがあるんだ。まぁ、相手は選んでるんだけど。私はそういうところに惚れてるんだよね」
と答えると、今度はイブリーヌが、
「そうですね。わたくしは最初、ハル様がこの世界に来た初日に言った暴言に、思わずキュンとなりました。それで、シャーサルで再会してから今日まであの方を見てきましたが、あの方は『言葉』以外にも、多くの人を惹きつける、不思議な『魅力』のようなもの感じてしまいました。わたくしが惚れてるいるとしたら、恐らくその辺りかと」
と、恥ずかしそうに顔を赤くしながら答えた。
更にそこへアデレードが口を開く。
「私の場合は、彼とはまだ日が浅い方で、まだ私も知らないところがあるが、しいて言えば『強い』ところだな。肉体的な部分も、技術的な部分も、そして、精神的な部分も、彼は否定するだろうが、私は彼のことを心から『強い人間』だと思っている」
そう答えると、最後にルーシーが口を開く。
「わ、私は、最初に、ハル兄さんに会った時、凄く、『無茶苦茶な人だな』って思ってたけど、それでも、私達の話を、最後まで聞いてくれてて、断罪官から、私達を守る為に、戦う兄さんを見て、『この人を死なせたくない!』って、思ったん、です」
と、時々下を向きながらも、一生懸命答えるルーシーを見て、
「ルーシー、そんなこと思ってたんだ」
と、フィオナは関心した。
更にルーシーは続けて言う。
「た、戦いが終わった時、兄さんは、私を見て『自分が預かる』って、言ってくれた、時があったんですけど、その時は、まだ、フィオナ達と、別れるのが嫌で、断ったん、ですが、フィオナ達も一緒に、兄さんと、暮らし始めてから、優しいところ、とか、厳しいところ、とか、あと、わからない時は、恥ずかしそうに、してましたが、私達のことも、頼ってくれて、そういう、ところを、見ていくうちに……」
「好きになって、『一緒にいたい』って思うようになったってこと?」
と、割り込むように尋ねてきた舞に、ルーシーはコクリと力強く頷いた。
それを聞いて、舞を含めた女子クラスメイト達は皆、
『オオー』
と感心した。
その後、舞は小さく「そっか」と言うと、
「じゃあ、海神さん」
と、今度は歩夢の方を向いた。
「何?」
「海神さんは確か、幸村君と幼馴染みなんだよね」
「うん、7年間離れ離れになってたけど」
歩夢がそう答えると、舞は少し気まずそうに、
「もしよかったらでいいんだけど、その時のこと、詳しく教えてほしいかな。出来たら初めて会った時からで」
と、両手を合わせてお願いした。それに合わせるように、リアナ達を含む他の女子達も「聞きたい」と言わんばかりの表情になった。
歩夢はそれを見て顔を赤くすると、
「うーん。恥ずかしいけど、いいよ」
と言って、自分と春風のことについて話し始めた。




