第37話 再会、「少女」と「少年」
今回も、短めです。
「セイクリア王国」と、「ウォーリス帝国」。
それは、現在エルードに存在する2つの大国の名前である。
その他にも幾つかの小国があるが、実際にはこの2つの大国によって平穏が保たれていると言ってもいいだろう。
しかし、そんな2つの大国の丁度中間に位置するところに、どの国にも属さない1つの大きな都市がある。
その都市の名前は、「中立都市シャーサル」。
そこには、「ハンター」と呼ばれる、いわゆる「何でも屋」の様な事を生業としている者達がいて、彼等は「ギルド」という組織に所属し、報酬と引き換えに魔物の討伐や要人の護衛といった様々な仕事をこなす事で生計を立てている。
「ギルド」という組織自体は世界中に存在しているが、ここ「中立都市シャーサル」は、そのギルドの発祥の地といわれ、都市の中心には全てのギルドの中心である「ギルド総本部」があり、世界中のハンターの情報が、この「ギルド総本部」に集まっているとも言われている。
さて、話が逸れてしまったが、その「中立都市シャーサル」を出て少し離れた森に、1人の少女が入っていった。
少女の名は、リアナ・フィアンマ。彼女もまた、そんなギルドに所属するハンターの1人だ。
普段の彼女は、ハンターの仕事以外で都市の外に出る事はあまりない。
しかし、今日彼女が森の中に入ったのは、彼女自身の個人的な目的の為だ。
そう、今日は、1週間前に再会を約束した、ある1人の「少年」が来る日だ。
森の中に入ったリアナは、襲いかかってくる魔物を倒しながら、森の中をドンドン突き進んでいた。そして、少しひらけた場所に着くと、手にした武器、両刃「燃え盛る薔薇」をしまうと、そのひらけた場所の中心に近づいた。
すると、
「来た!」
突然目の前が激しく光り出し、その後、白い大きな扉が現れた。
リアナがその扉に近づくと、ガチャリと音を立てて扉が開いた。
扉の向こうから現れたのは、頭に大きめのゴーグルをつけて、腰まで届く空色に近い青いフード付きのマントに黒い長ズボンに身を包み、足にはマントと同じ色のブーツを履き、腰のベルトには革製の小さなポーチが2つに、黒塗りの鞘に収められた反りのある剣を下げた、リアナと同じ年頃の少年だった。
少年が扉を潜ると、扉はスーッと消えた。
リアナと少年が見つめ合っていると、先にリアナがにこりと笑って口を開いた。
「待ってたよ、春風」
リアナにそう言われて、その少年ーー幸村春風も、
「うん。待たせたね、リアナ」
と、にこりと笑って答えた。
今回の話は、新章プロローグの「後編」というイメージで書いた為、他の話以上に短めです。
それと、1つ謝罪ですが、第25話でのリアナに対する春風のセリフを、全部……とは言えないですが、敬語に修正しました。突然の修正、申し訳ありませんでした。




