第372話 人の道を外れた技術
遅くなりました、1日遅れの投稿です。
「げ、外法……ですか?」
ヘファイストスが言った言葉の意味を、春風は理解出来ないでいた。そしてそれは、リアナや水音、ループスとヘリアテスも同様だった。
そんな春風達を前に、ヘファイストスが、
「ああ、そうだ。そいつは……」
と、話を続けようとすると、
「あの、すみません」
と、春風がそこへ「待った」をかけた。
「ん? どうした春風」
と、ヘファイストスが頭上に「?」を浮かべると、
「ちょっとここではなんですので、テントの中で説明をお願いしたいのですが」
と、春風に申し訳なさそうに言われて、ヘファイストスが更に「?」を浮かべながら周囲を見回すと、ジィッと「なんだなんだ?」と自分達を見つめる人々の視線に気付いて、
「ああ、スマンスマン。そういうことなら、中で説明しよう」
と、全員その場からすぐにテント中へと移動した。
そして現在、移動した先のテントの中では、ヘファイストスを中心に、春風、リアナ、水音、ループス、ヘリアテス、そして、何故か凛依冴ら春風の仲間達に、小夜子とクラスメイト達、そしてギルバートら皇族に、ウィルフレッド、クローディアと、かなりの人数が集まっていた。
「……て、何でお前さんらまでいるの?」
と、ヘファイストスが尋ねると、
『いやぁ、気になったもので、つい』
と、全員気まずそうにそう答えたので、ヘファイストスは小さく「ふむ」と言うと、
「じゃあ、まずは俺の自己紹介な。俺の名はヘファイストス。『地球』の神の1柱にして、『炎』と『鍛治』を司る者だ」
と、自身の素性を明かした。
それを聞いて、周囲の人達が「オォ!」と小さく驚きの声をあげる中、
「あのぉ、ちょっとよろしいでしょうか?」
と、リアナが恐る恐る「ハイ」と手を上げた。
「おぉ、どうしたリアナちゃんや?」
と、ヘファイストスが尋ねると、
「さっき言ってた『外法』って何なんですか?」
と、リアナはそう尋ね返した。
ヘファイストスはそれに対して小さく「ふむふむ」と言うと、
「ざっくり言うと、『人としての道を外れた技術』の総称だわ。あまりにも凶悪過ぎるもんで、『邪法』とも呼ばれている」
と、「外法」について淡々と説明した。
春風はその説明を聞いて、
「……こいつが、その『邪法』で作られているものだから、認めることは出来ないということですか?」
と、腰の彼岸花に触れながらヘファイストスに向かってそう尋ねると、
「そうだ。ていうか、その様子だと知っているようだな? その刀を振い続けた人間の『末路』を」
と、ヘファイストスはそう尋ね返したので、
「……はい」
と、春風は俯きながら答えた。
その瞬間、テントの中が不穏な空気に包まれて、リアナ達は「どうしたどうした!?」とオロオロし出した。
すると、ヘファイストスは素早く春風に近づいて、
「悪りぃな」
と小さく言うと、
「え……って、あっ!」
と、春風が驚いたように、ヘファイストスは彼岸花の鞘を掴み、腰のベルトから引き抜いた。
「ちょ、ヘファイストス様!?」
と、春風が驚いていると、ヘファイストスは彼岸花の鞘を掴んだまま鼻を近づけて、
「くんくん……」
と、臭いを嗅ぎ出した。
その様子に春風だけでなく、周囲の人達が唖然としていると、
「……やっぱりな」
と言って、なんと彼岸花の柄を掴んだ。
「あっ!」
と、春風が驚きの声をあげた次の瞬間、彼岸花の鍔や柄から金属の触手がいくつも伸びてきて、ヘファイストスの右腕に絡みついた。
だが、
「あぁ?」
と、ヘファイストスがその触手を睨みつけると、なんと触手はそれにビビったのか、シュルシュルとヘファイストスの右腕から離れて、柄と鍔の中へと戻った。
その後、ヘファイストスは「フン」と鼻を鳴らすと、彼岸花をゆっくりと鞘から引き抜いた。
そして、ヘファイストスは彼岸花の真紅の刀身をジィッと眺めると、
「春風。やっぱ、この刀は駄目だわ」
と、春風に向かってそう言った。
それを聞いて、周囲がざわめつく中、
「……詳しい理由を聞いても、いいですか?」
と、春風は落ち着いた口調でそう尋ねると、ヘファイストスも真面目な表情になって、
「まずはこの刀自体なんだが、こいつからはいくつもの斬ってきた命だけじゃなく、今までこいつが喰らってた、こいつを振るってた使い手達自身の、命と肉体の『臭い』がした」
「わかるんですか?」
「オイオイ、『鍛治』の神様舐めんなっての。で、ここからが大事なことなんだが……」
と話すヘファイストスに、春風を除く周囲の人達がタラリと冷や汗を流すと、ヘファイストスは表情を暗くして言う。
「この刀、人間の死体を材料にしてるんだわ」
謝罪)
大変申し訳ありません。この話の展開を考えてたら、その日のうちに終わることが出来ませんでした。
本当にすみません。




