第341話 「妖刀」3
お待たせしました、1日遅れの投稿です。
春風がオリジナルの彼岸花を抜こうとした瞬間、その彼岸花からいくつもの金属の触手のようなものが伸びて、柄を握る春風の右腕に絡みついた。
「グアアアアアアアッ!」
その時、強いショックを受けたのか、春風の悲鳴が響き渡った。
「ハルゥ!」
「春風ぁ!」
驚いたリアナと水音が、すぐに春風に近づこうとしたが……。
ーーバチン!
「キャアッ!」
「うわっ!」
突如春風の周囲に発生した真紅のエネルギーが障壁のようなものになって、2人は近づくことが出来なくなった。
「は、ハル……」
「何だよ、これ……」
一方、観客席の方はというと、
(……春風)
現在、彼岸花を抜こうとして大変なことになっている春風を見て、凛依冴は彼岸花を渡したことを若干後悔していると、
「あ、あなたは……」
「ん?」
背後から聞こえたその声に、凛依冴が「何だ?」と後ろを振り向くと、
「私の生徒に、何を持たせたぁ!?」
そこには怒りで顔を歪ませた小夜子がいて、思いっきり凛依冴の胸ぐらを掴んできた。
それを見た美羽や恵樹達クラスメイトが、
「ちょ、せ、先生!?」
「お、落ち着いてぇ!」
と、必死になって小夜子を宥めようとしたが、怒りで興奮している小夜子に、彼らの声は届かなかった。
するとそこへ、
「なぁ、凛依冴さんや」
と、ギルバートが話しかけてきた。
「……何かしらギルバート陛下?」
「あんた、春風なら出来ると信じて、あの剣を渡したんだよなぁ?」
「……ええ、そうですが」
「そうかい。なら、取り敢えずは俺も信じるとしようか」
そう言うと、ギルバートは凛依冴の肩にポンと手を置いたが、
「だがな、もし春風にもしものことが起きたら……俺はテメェを許さねぇからな」
と、静かに言った後、ギルバートは凛依冴の肩をグッと力を入れて掴んだ。
それを見て、小夜子はやっと落ち着いたのか、凛依冴の胸ぐらを掴んでいた手を離した。
そして更に一方、自称「神」であるガストはというと、
(な、何だ? 何が起きたっていうんだ!?)
と、目の前で起きてる出来事に若干混乱していた。
その後、ハッとなって「いかんいかん」と首を振ると、
「と、兎に角、今のうちにあいつを殺さなきゃ!」
と言って、すぐに攻撃を再開しようと、自身の周囲に風を集め、何かを作り始めた。
出来上がったのは、先程まで撃ちまくっていたただの「風の塊」と違って、今度は切れ味の鋭いいくつもの大きな、「風の手裏剣」だった。
「『サイクロン・カッター』だ! くらえ、幸村春風ぁ!」
ガストはそう叫ぶと、今も苦しそうにしている春風に向かって、その風の手裏剣を放った。
しかし、
「させないよ」
「何!?」
その手裏剣に向かって、冬夜も同じように風属性の魔術を放った。
普通なら自称とはいえ「神」であるガストの攻撃が勝つと思われるだろうが、手裏剣が冬夜の放った風の魔術に触れた瞬間、両方とも全て跡形もなく消滅した。
「そ、そんな、『神』である僕の攻撃が!」
驚愕するガストに、冬夜はニヤリと笑いながら言う。
「『魔王』を舐めてもらっちゃ困るねぇ」
その言葉に、ガストは「グギギ……」と歯を鳴らした。
そんなガストを無視して、冬夜はリアナと水音に、
「2人共、ちょっと手伝ってほしいんだけど」
と、話しかけた。
話しかけられた2人は
『で、でも……』
と、オロオロしていたが、
「今はただ、春風を信じよう」
と言う冬夜の言葉にハッとなったのか、2人は春風を見た後、
『……わかりました!』
と、力強く頷いて、冬夜達のもとに駆け寄った。
「よし、それじゃああいつを春風に近づけさせないようにしなきゃ」
冬夜は魔術を展開する準備をして、
「なら、前衛は任せてね」
静流は大剣を構え直して、
「それでしたら、僕もお供します」
水音は両手に青いエネルギーを纏わせながら、愛剣であるガッツを構えて、
「それじゃあ、私はサポートね」
雪花は鉄扇を構えると同時に魔術を展開する準備をした。
そして最後に、
「……なら、私は『凄いもの』を見せます」
と、冬夜達に向かってリアナがそう言うと、
「スキル[妖精化]、発動!」
と、自身のもう1つの専用スキルを発動させた。
次の瞬間、リアナの体が白い光を放ち、それが収まると、左右の背中から美しい模様の蝶の羽が現れた。
その姿に、冬夜達だけでなく観客席のギルバート達、そして、目の前にいるガストも見惚れていた。
「り、リアナさん、その姿は?」
と、水音が尋ねると、
「これが私の専用スキル。この姿になると、魔力を使った攻撃が強くなるの」
と、リアナはニコッと笑って簡単に説明した。
その時、再びハッとなったガストが、
「な、何なんだお前はぁあああああ!?」
と、先程以上に何発も風の塊や手裏剣、更には大きな風の球体などを、冬夜達に向かって放った。
それを見て、
「来たわよ!」
「よし、みんないくよ! 春風を守るんだ!」
と叫ぶ冬夜に続くように、
『オウ!』
と、静流、雪花、リアナ、水音は戦闘を開始するのだった。
謝罪)
大変申し訳ありません。この話の展開を考えていたら、その日の内に終わらせることが出来ませんでした。
本当にすみません。




