間話32 食堂(帝城内)でのひと時
お待たせしました、本日2回目の投稿です。
それは、春風が煌良達に全てを説明した後のことだった。
その日の夕方、煌良、学、麗の3人は、帝城内にある大きな食堂で、目の前に置かれた大量の料理をもの凄い勢いで食べまくっていた。そのあまりの食べっぷりを見て、春風達はタラリと冷や汗を流した。
「よ、よく食べるなぁオイ」
と、皇帝であるギルバートが3人に向かってそう言うと、
「あぁ、すみません陛下。僕達ここに来るまでに碌なもの食べてなかったので、つい」
と、学がギルバートに向かってそう謝罪した。
「碌なものって……え、ていうかお前ら、どうやってここまで来たんだ?」
と、今度は鉄雄が尋ねると、
「「「馬車の荷台に隠れて」」」
と、3人同時に即答した。
その答えに春風達は「えぇ……」と少し後ろに下がると、
(ん?)
と、何かに気づいた美羽が口を開いた。
「ね、ねぇ力石君達、ちょっと質問があるんだけど」
「「「?」」」
「あなた達がここに向かって旅立ったこと、高坂先生達には教えたの?」
美羽のその質問に、煌良達はお互い顔を見合わせると、
「「「あー、急いでたもので……言ってない」」」
と、もの凄く気まずそうな表情でそう答えたので、
『なぁにやってんの!?』
と、春風達は一斉に3人に突っ込みを入れたが、
「仕方ないだろ、急がないと置いてかれるところだったんだからな」
「そうだよ、僕達大慌てで支度して、荷台に忍び込んで気配を殺して一緒に王都を出て……」
「で、荷物と共に馬車に揺られながら、見つからないようにここまで来たというわけだ」
と、悪びれもせず開き直ったので、春風は再び「えぇ……」と少し後ろに下がった。
すると、その態度にムッとなったのか、3人は反論しだした。
「いや、俺達に言わせれば、お前達だって酷いじゃないか」
「そうだよ。セイクリアを出てから今日までずっと連絡とかしてなかったんだから」
「そうだ。幸村と桜庭の決闘があった日まで、私達がどれだけ心配したと思っているんだ?」
『うぐ! すみません!』
「特に幸村」
「え、俺?」
「そうだよ! 君の本当の目的といい、この世界の真実といい、本当の予言といい、いまだに『信じられない』って気持ちでいっぱいなんだからね!」
「そうだぞ! こんな大事なこと、よくも私達に内緒にしてくれたな!」
「そ、それは……ごめんなさい」
煌良達に責められて、シュンと肩を落とす春風。
しかし、3人の怒涛の勢いは、これで終わらなかった。
「そして、何より俺達が許せないのは……」
「?」
キョトンと首を傾げる春風を前に、煌良は手に持ったフォークの先を、リアナ、歩夢、イブリーヌ、凛依冴の順に向けると、
「お前が、ハーレムを作ってたことだ」
と、春風に真剣な眼差しを向けながらそう言った。
その言葉を聞いて、春風は一瞬固まったが、
「……ふぁ!? な、何を言ってるのかな君はぁ!?」
と、すぐに我に返って反論しようとした。
だが、
「いや、ハーレムでしょ?」
「そうだな。お前と海神が幼なじみでラブラブな関係だということにも驚いたが、まさかそこにいるリアナとやらとイブリーヌ様、そして、師匠である間凛依冴からもキスを受けていたなど、誰がどう見てもハーレムではないか」
と、学と麗生に言われてしまい、春風は「うぐ!」とそれ以上何も言えなかった。
そしてそこへ、煌良から「追い討ち」がかけられる。
「というわけで幸村、この世界でのお前の行動については、高坂先生達と合流次第全部報告するからな。それが終わったらクラス全員で「裁判」だから、覚悟しておけよ」
「「うんうん」」
「そ、そんな、勘弁してくれよぉ!」
煌良からの無慈悲な言葉に、春風は膝から崩れ落ちそうになったが、どうにか踏ん張った。
すると、
「「「ふぅ、ごちそうさま」」」
と、煌良達は食事を終えると、
「さて、幸村」
と、煌良が春風に話しかけた。
「な、何でしょうか?」
「お前確か、『ハル』という名でハンター活動をしていたんだったな?」
「そ、そうだけど……」
春風は恐る恐るそう答えると、煌良達はスッと立ち上がって、懐から「何か」を取り出すと、それを春風に見せた。
「……え!? それ、ギルドカード!?」
それは、ハンターの証であるギルドカードだった。
「ど、どうして、力石君達がそれを持ってるの!?」
と驚いた春風がそう尋ねると、
「ここに来る途中で立ち寄った町にギルドがあってな、いざという時の為に作っておいたんだ」
と、煌良達は「えっへん!」と言わんばかりに腰に手を当ててそう答えた。
春風はそれを見て「え、えぇ?」となっていると、
「と、いうわけでだ幸村……いや、ハル」
「ふぇ!? な、何でしょうか?」
突然偽名の方で呼ばれて驚いた春風に向かって、
「俺は『勇者』であると同時にハンターの『キラ』だ」
「同じく、ハンターの『ガク』だよ」
「『レイ』だ。よろしくな」
と、堂々とした態度でそう名乗ると、
「「「呼びたくなったらいつでも呼んでいいからな(ね)」」」
と、3人同時にそう付け加えた。
それを聞いた春風は、
「あー、うん。前向きに、検討します」
と、若干震えながらそう返すと、
「「「あと、レギオンに入って欲しかったらいつでも言って(くれ)。いつでも入る準備は出来ているから」」」
と、3人からの追撃を受けてしまい、
「……ま、前向きに、検討、します」
と、春風は今度こそその場に膝から崩れ落ちた。
どうも、ハヤテです。
というわけで、今回は新しい仲間の加入回(?)でした。




