第289話 決戦、断罪官22 春風vs「鉄鬼」再び
仲間達が断罪官達とそれぞれの戦いを繰り広げている中、春風とウォーレンはというと、彼らから少し離れたところで、激しい戦いを繰り広げていた。
春風の持つ「赤刀・彼岸花」と、ウォーレンの持つ「炎神剣エクスプロシオン」が何度もぶつかり合う中、2人の声が飛び交う。
「ぬぅ、腕を上げたようだな」
「あれから結構鍛えましたからねぇ!」
春風が彼岸花を振るたびに、ウォーレンが大剣・エクスプロシオンでそれを受け止めるが、その一撃が以前戦った時よりも強くなっていたことに、ウォーレンは感心した。
「そう言うウォーレンさんは、ちょっと攻撃力下がってんじゃないですかぁ!? 俺がつけた傷、まだ治ってないんじゃないですかぁ!?」
何度も攻撃をしていく中で、春風はニヤリと笑ってウォーレンをそう挑発したが、
「フン、舐めるなよ。あの程度の傷など、とっくに塞がっているわ。貴様が丁寧に治してくれたからな」
と、ウォーレンは涼しい顔でそう返したので、
「ああ、そうでしたね!」
と言って、春風はそのまま攻撃を続けることにした。
その後、春風はウォーレンに何度も彼岸花を振るいつつ、
「求めるは“風“、『ウインド』!」
と、時折攻撃魔術を放ったが、
「ぬぅん!」
と、ウォーレンはそれら全てをエクスプロシオンで防いだ。
(チクショウ! あの人前より強くなってるじゃねぇか!)
春風はギリっとウォーレンを睨みながら心の中でそう呟く。
その様子を、左腕の零号【改】の中のジゼルが心配そうに見つめていた。
そんな春風を見て、ウォーレンは「フ」と小さく笑うと、
「どうした? 来ないのなら今度はこちらからいくぞ」
と言ってエクスプロシオンを振り上げて力を込めた後、春風に向かって素早く突撃した。
(は、はや……)
と、春風が驚く間もなく、ウォーレンは春風の眼前にまで迫ると、
「ハァッ!」
と、勢いよくエクスプロシオンを振り下ろした。
その瞬間、
(! 駄目だ、避けなきゃ!)
と思った春風はすぐにその攻撃を避けた。
すると、エクスプロシオンの刀身が地面に触れた瞬間……。
ドゴォオオオオオンッ!
という大きな音と共に大爆発が起きた。
「うああああああっ!」
春風は爆発の衝撃を受けて吹き飛ばされそうになったが、咄嗟に彼岸花を地面に突き立てて、どうにか踏ん張った。
そして爆発が起きた場所を見ると、エクスプロシオンを振り下ろしたウォーレンの前の地面に、大きなクレーターが出来ていた。
(な、なんて威力なんだ!)
と、春風はあまりの凄まじい破壊力に呆然としていると、ウォーレンは春風の方を向いて再び「フ」と笑って、
「見たか、これが『炎神剣エクスプロシオン』の力だ。そして、これだけではないぞ」
と言うと、握っているエクスプロシオンに更に力を込めた。
「な、何をする気なんだ?」
春風は頭上に「?」を浮かべながらその様子を見ていると、ガションという音を出して、エクスプロシオンの刀身が中央から真っ二つに割れた。
そして、割れたその刀身の間に、大きな炎の塊のようなものが生まれた。
「ま、まさか……」
そう言って冷や汗を流す春風を前に、ウォーレンはその状態のエクスプロシオンの切っ先を、真っ直ぐ春風に向けると、
「吹き飛べぇっ!」
と叫んで、刀身の間に生まれたその炎の塊のようなものを、春風に向けて放った。
「ああ、やっぱりぃ!」
春風はすぐさま飛んできたその炎の塊のようなものを避けた。
その後、そのまま飛んでいったそれはどうなったかというと、地面に触れた瞬間、先程以上の大きな爆発が起きた。
(オイオイ、あの剣、大砲みたいにもなれるのかよ。反則すぎるんじゃねぇの!?)
と、春風は心の中で悲鳴じみた叫びをあげると、ウォーレンは大剣状態に戻したエクスプロシオンの切っ先を春風に向けて、
「どうだ。これがエクスプロシオンのもう1つの力だ。神より賜ったこの剣と、今まで培ってきた技術、その全てをもって貴様を滅ぼす。そして、あの日我らを生かして帰したことを後悔させてくれるわ!」
と言い放った。
それを聞いて春風は、
(あ、あれ? これって、俺ピンチじゃね?)
と、再び冷や汗を流しながら、心の中でそう呟いた。
というわけで、今日から春風とウォーレンの戦いに入ります。




