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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第11章 断罪官の逆襲

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第276話 決戦、断罪官9 アデルチームvsダリア3


 それは、断罪官達との決戦より数日前の、ある夜のことだった。


 「どうしたのハル兄さん、私に何か用事があるの?」


 春風に「大切な話がある」言われたフィオナは、その夜彼の自室を訪れていた。


 「うん。実はフィオナに()()()()()()()()があるんだ」


 真面目な表情でそう言った春風を見て、フィオナはゴクリと固唾を飲んで、


 「お、お願いしたいことって、何?」


 と尋ねると、


 「フィオナは、ルーシーの『裏スキル』のことは知っているんだよね?」


 と、春風は真面目な表情を崩さずにそう尋ね返した。


 「う、うん、前に聞いたことがあるけど……」


 「なら、話は早いね。じつは、君にお願いしたいことってのはそのことなんだ」


 「ど、どういうこと?」


 フィオナは恐る恐る尋ねると、


 「もしも、俺がいない時とかに、ルーシーがその力を使うようなことが起きたら、君が彼女を止めてほしいんだ」


 「わ、私が!?」


 「うん。これは、ルーシーの1番の『親友』である君にしか頼めないことなんだ」


 そう言い放った春風を見て、フィオナはオロオロしながら質問する。


 「で、でも、止めるって、どうやれば良いの?」


 「大丈夫、そうなってしまったら、()()()を使えば良い」


 そう言って、春風がフィオナに渡したもの。


 「な、何これ?」


 それは、握りがついた固い紙製の扇、


 「そいつは『ハリセン』っていって、主に『突っ込み』を入れる時に使う道具なんだ」


 ハリセンだった。


 「つ、突っ込みって、これで私にどうしろと?」


 再び恐る恐る尋ねたフィオナに向かって、春風は親指を立てながら、


 「もしルーシーが裏スキルを使いそうになったら、そいつで彼女の頭をぶっ叩いて止めるんだよ」


 と、真顔でそう答えた。


 フィオナはそれを聞いて呆然としていたが、


 「ちょ、ちょっと待って? え、ぶ、ぶっ叩くって、え、嘘でしょ!?」


 と、すぐにハッとなって春風に詰め寄った。


 「ああ、そんな強く叩けって言ってるんじゃないんだよ。ただ、『ちょっと待てい』っていった感じで振れば良いだけだから」


 ニッコリと笑ってそう言った春風に、フィオナは更に混乱した様子で、


 「いやそういう問題じゃないでしょ!? え、なんで私なの!?」


 と、大慌てで春風を問い詰めた。


 すると、春風はまた真面目な表情になって、


 「言っただろ? これは、ルーシーの1番の親友であるフィオナにしか頼めないことだって」


 と、未だにオロオロしているフィオナに向かってそう答えた。


 「で、でも!」


 フィオナはそれでも何か言おうとしたが、春風はそれを遮るように、


 「勿論、俺だってそうはならないように努めるさ。まぁ、1番の解決方法はルーシーに裏スキルを使わせないことなんだけど、実際何が起きるかわからないから。だからフィオナ、お願いします」


 と言うと、フィオナに向かって深々と頭を下げた。


 そんな春風を見て、フィオナは「うぅ……」と唸った後、


 「わ、わかったよハル兄さん。ルーシーは、私が止める」


 と、春風のお願いを受けた。


 そして現在、ダリアの話を聞いてルーシーが裏スキル[憤怒]を使おうとしていた。


 (ま、まずい、このままじゃ!)


 それを見たフィオナは、春風に託されたハリセンを取り出し、それをしっかり握ると、


 「ちょっと待てぇえええええいっ!」


 と叫んで、そのハリセンを振るってルーシーの頭をスパァンとぶっ叩いた。


 その瞬間、ルーシーから溢れたどす黒いオーラのようなものは、一瞬のうちに消滅した。


 突然の出来事に、頭をぶっ叩かれたルーシーだけじゃなく、その場にいるアデル、ケイト、クレイグ、そして敵であるダリアまでもが、

 

 『……え?』


 と頭上に「?」を浮かべると、


 「ルーシー!」


 と、フィオナは呆けているルーシーの両肩を掴んで、


 「私を、しっかり見なさい!」


 と、叫んだ。


 その叫びを聞いて、ルーシーが、


 「……あ、フィオナ」


 と呟くと、


 「ルーシー! 今は! 暴走してる場合じゃないでしょ!? 今は! みんなで! アイツを! やっつけるの! オーケイ!?」


 と、フィオナはダリアを指差しながら、ルーシーを叱り飛ばした。


 「あ、お、おい、君……」


 と、ダリアは何か言おうとしたが、


 「アンタはちょっと黙ってて! ていうか、さっさと服を着なさい! ここには男もいるんだから!」


 と、フィオナに叱られたので、ダリアは「う、うむ」と返事をすると、いそいそと脱ぎ捨てた服を着始めた。


 フィオナはそれを確認すると、ルーシーに向き直って、


 「ルーシー、アイツがルーシーの両親の仇だっていうなら、尚更1人で戦おうとしちゃ駄目。ルーシーはもう、1人じゃないんだから」


 と言うと、ルーシーを優しく抱き締めた。


 「ふぃ、フィオナ」


 その言葉が届いたのか、ルーシーはフィオナをソッと剥がすと、


 「う、うん、わかった。い、一緒に、あの人を、やっつけよう」


 と、真っ直ぐフィオナを見てそう言った。


 その瞳には、最早憎しみは無かった。


 


 


 


 


 

 どうも、ハヤテです。


 活動報告にも書きましたが、去年から書き始めた本作は、今月で1年目になりました。


 まだまだ完結までほど遠いですが、これからも書き続けますので、どうぞよろしくお願いします。

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