第271話 決戦、断罪官4 リアナ&歩夢vsギャレット2
今回はいつもより少し短めです。
「お、おい、あの少女の姿……」
「あ、ああ、間違いない、あれは!」
「邪神の加護を受けし悪しき種族、『獣人』!」
「アイツ、獣人だったのか!?」
そう言って、変身したリアナの姿を見た断罪官の隊員達は、次々と狼狽出した。
すると、
「手ェ出すんじゃねぇぞ! この嬢ちゃん達は俺が殺る! お前らは他の奴らを殺れ!」
というギャレットの怒鳴り声が響き渡り、隊員達は皆ハッと我に返ると、すぐにギャレットとリアナ達を残してその場を移動した。
隊員達が離れると、両者は再び武器を手に睨み合う。
そんな中、歩夢が口を開いた。
「リアナ、確かに『凄いもの』を見させてもらったよ。だから今度は、私が『凄いもの』を見せるね」
真っ直ぐギャレットを見つめたままそう話す歩夢の言葉を聞いて、リアナが頭上に「?」を浮かべると、歩夢はソッと静かに目を閉じて、
「スキル[神器召喚]、発動]
と、唱えた。
次の瞬間、歩夢の薙刀が眩い光に包まれた。
そして光が消えると、その手には天使の翼のような装飾を持つ、柄から刃まで美しい純白の薙刀が握られていた。
「おぉ、凄い!」
と、驚くリアナをよそに、歩夢はその薙刀型の神器を構え直した。
そんな歩夢を見て、
「ハ。オイオイ、神様に授かった神器を人に向けるのかぁ?」
と、ギャレットは鼻で笑いながら尋ねたが、
「問題ないよ。私と、この場にいる他の勇者達は、もう既に五神の加護から離れているから」
と、歩夢は真面目な表情でそう返した。
実は春風と水音の決闘の後、マールら五神に自分達も操られるかもしれないと考えた歩夢達は、本当の神であるヘリアテスに相談すると、
「それなら、今のうちにあなた達の加護を書き換えてしまいましょう」
という結論に至り、それからすぐに歩夢達は、ヘリアテスと自分達の祖国日本の主神アマテラス、そして「とある人物」によって、自身らの五神の加護を、アマテラスのものに書き換えたのだ。当然その後、煌良、学、麗生も加護を書き換えてもらった。
「……だからもう、私達はあなた達の神に選ばれた勇者じゃない、異世界『地球』の神の加護を受けた、『地球の勇者』なんだ」
そう言い放った歩夢に、ギャレットは「マジかよ」と冷や汗を流したが、
「それなら、ますます戦い甲斐があるじゃねぇか!」
と、ニヤリと口元を歪ませると、歩夢達に向かって突進した。
しかし、2人はビビることなく、
「いくよ、リアナ!」
「うん!」
と、2人もギャレットに向かって突進した。
両者の激しい攻防が始まる。
変身したリアナは、変身前以上のスピードを用いてギャレットを翻弄しながら、隙をついて燃え盛る薔薇による斬撃をお見舞いすると、それに続くように歩夢も神器による斬撃とスキルから生まれた技を駆使して追撃を浴びせた。
ギャレットも負けるものかと言わんばかりに攻撃と技を駆使して、2人に反撃をするのだが、
(何故だ? コイツの戦い方が、誰かに似ている気がする?)
と、リアナを見てますます既視感に襲われていた。
(誰だ? 一体お前は、誰なんだ?)
不意にそう考えた瞬間、ギャレットの脳裏に、1人の人物が浮かび上がった。
「……あ」
その時、ほんの少しの隙が生まれて、
「(今だ!)ハァアッ!」
と、リアナはギャレットの頭部に火属性の魔力を込めたキックをお見舞いした。
「ぐあっ!」
思わぬ一撃を食らったギャレットはその場に倒れそうになったが、どうにか踏ん張ると、
「く、ククククク……」
と、笑い出した。
その姿を見て、リアナ達は武器を構えた状態で警戒すると、ギャレットは一言、
「……思い出したぜ」
と言うと、ギロリとリアナを睨んで、
「……赤い服の嬢ちゃん。テメェ、あの時の赤ん坊か?」
と尋ねた。
その言葉を聞いて、
「何を、言ってるの?」
と警戒しつつ頭上に「?」を浮かべると、ギャレットは再び尋ねる。
「テメェ、俺が滅ぼした、あの『村』の生き残りだなぁ!?」
「……は?」




