表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第10章 動き出した五神教会

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

270/609

第241話 モーゼスの企み

 前回短かったぶん、今回は少し長めの話になります。


 翌日、宿屋を出たモーゼスは、配下信者達と、ラルフら数人のセイクリア王国騎士達と共に帝城に向かっていた。


 表向きは皇帝ギルバートへの挨拶ということになっているが、


 (フフフ。今頃、帝城内ではちょっとした騒ぎになってるでしょうなぁ)


 と、モーゼスは心の中でそんなことを考えていた。


 モーゼスがウォーリス帝国に来た真の目的。


 それは、「異世界の神の使徒」である春風の勧誘、もしくは()()だった。


 春風と水音の決闘があったあの日、エリノーラの春風に関する暴露を聞いて、ショックを受けたモーゼス。その時の激しい精神的ショックで余裕を失くした彼は、どうやって春風を始末しようかと考えていた。


 しかし、時が経つにつれて冷静さを取り戻したモーゼスは、


 (あれ? ひょっとしたら、これは何かに使えるんじゃないか?)


 と考えられるようになり、そこから考えた末に、春風を利用して自身の地位を盤石のものにするという発想に至った。


 (教会の意義には反するが、奴を通して異世界の神をもこちらの味方に引き込んでしまえば、いずれはウィルフレッドを玉座から追い落として、私がこの国の王になり、そして気に食わぬウォーリス帝国もこちらの手中に納めて、グフフ……)


 とても聖職者とは思えない悪しき考えを持つモーゼスは、その想いで数人の配下と自身の息がかかってる王国騎士達と共に、春風を手に入れる為にウォーリス帝国へと旅立った。


 ところが、


 「な、何だこれは!?」

 

 いざ帝国の帝都に着くと、五神教会の支部は無くなっていて、かつて支部があったその場所は今、新たに発足された「アレス教会」の本部になっていた。


 驚いたモーゼスは、そのアレス教会の代表に話をしに行くと、


 「帰れ! ここは貴様らの来るところではない!」


 と、門前払いを受けてしまった。


 「な、何故です!? 貴方たちは元々、我々五神教会の信者じゃないですか!?」


 ショックを受けたモーゼスがそう問い詰めると、


 「否! 我々が信じる神は、最早五神などではない! 異世界の神である戦神アレス様と、その使徒である御使の春風様だ!」


 『そうだぁ! 戦神アレス様、万歳! 御使春風様、万歳!』


 「な、そんなぁ!」


 再びショックを受けたモーゼスは、しょんぼりした状態で五神教会の息がかかった宿屋を探し、そこに宿泊した。


 (ま、まぁ良いでしょう。幸村春風さえこちらに引き込んでしまえば、奴らもまた言うことを聞いてくれるはずです)


 そう考えてショックから立ち直ったモーゼス。しかし、彼の不幸は、これだけでは終わらなかった。


 翌日、2人の信者と王国騎士ラルフと共に帝城に向かったモーゼス。


 (まずは、ギルバート皇帝にこちらに要求を聞いてもらう。全てはそこからです)


 意気揚々と謁見の間に入った彼を待ち受けていたのは、


 「帰れハゲェッ!」


 「「「「ハゲェエエエエエエエッ!」」」」


 春風本人からの()()だった。


 さらに、


 「ああ、いたのですかモーゼス様」


 「うぐっ!」


 セイクリア王国第2王女のイブリーヌから冷ややかな視線を向けられ、勇者達からも、


 『無理でーす』


 と断られ、決闘以来教会から「反逆者」認定されている水音からも、


 「お断りします。そんなことしたら、僕がセレスティア様に殺されてしまいます」


 と言われ、終いには、


 「そういうわけだ。ほら、話が終わったってんなら、そいつら連れてとっとと帰んな」


 と、ギルバートからはぞんざいに扱われたモーゼスは、意気消沈した状態で帝城を後にした。その時、彼に芽生えたのは、


 (おのれ、許さん!)


 激しい怒りと、憎しみだった。


 勿論、それはギルバートにイブリーヌ、そして勇者達にも向けられていたが、最も向かっていたのは、春風だった。


 (こうなれば、最早奴には死んでもらう!)


 モーゼスにとって、春風がどういう存在なのかはどうでもよかった。自分の駒に出来ないとわかった以上、その存在は忌まわしいものとなっていたのだ。


 その後、宿屋の一室に戻ると、とある人物に春風の暗殺を命令した。


 そして翌日。


 (ククク、奴は今頃あの世にいるでしょうなぁ。()()()()は戻って来ませんでしたが、きっと上手くいっているでしょう)


 そう考えていたモーゼスの頭の中では、春風の暗殺は成功したものになっていた。幾ら神の使徒で固有職保持者といっても、寝込みを襲ってしまえば問題ないと思っていたからだ。戻って来なかった暗殺を命令した者達については、きっとその場で帝国兵に殺されたか牢屋にぶち込まれたとも思っていた。


 (帝城内で暗殺が行われたなどという事実が広まれば、皇帝の信頼は地に堕ち、帝都はやがて混乱に陥るでしょう。そうなれば……)


 などと邪な事を考えているうちに、モーゼス達は帝城の前に着いた。


 ところが、いざ帝城内への門を潜ると、


 「……え?」


 そこには、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()がいたのだ。


 「な、なぜ……」


 驚いたモーゼスが最後まで言おうとするのを遮るかのように、その少年、春風はモーゼス達に向かって言い放つ。


 「おはようございます、ハゲェッ!」


 それを聞いたモーゼス達は、


 『ハギィエエエエエエエッ!』


 全員そう悲鳴をあげた後、まるでダメージを受けたかのように吹っ飛ばされた。


 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ