間話28 その頃の女子&女性達
お待たせしました、間話28弾にして、間章4の最終話です。
そして、いつもより長めの話になります。
それは、春風、冬夜、恵樹の3人が自室で話し合っていたのと同時刻の時のことだった。
春風の自室とは離れた一室で、リアナ、ジゼル、歩夢、イブリーヌ、ルーシー、そして、師匠である凛依冴が……何故か正座をしていた。
彼女達の目の前には、春風によって転生召喚された「英雄」の1人にして春風の母親である雪花が、怒りのオーラを纏いながら、笑顔で腕を組んで仁王立ちをしていた。そしてその横では、同じく転生召喚された「英雄」の1人である静流が、部屋に備え付けられた椅子に座って、リアナ達の様子を見ていた。
因みに、その膝の上には、何故かエルードの本当の女神にしてリアナの育ての親であるヘリアテスが、静流に抱かれていた。
『……』
緊張で冷や汗を流すリアナ達を前に、雪花がゆっくりと口を開く。
「単刀直入に言うね。まず、あなた達に集まってもらったのは他でもない、息子の……いや、弟の春風についてなんだけど」
雪花の言葉に、リアナ達はビクッとなった。雪花が春風を「弟」と呼んだ理由は、転生したのきっかけに、心機一転として自身を春風の「姉」とすることに決めたからだ。
雪花はまずリアナの方を向いて、
「まずはリアナちゃん」
と話しかけた。
「は、はい!」
リアナはビクッとしながら返事をすると、
「春風を連れ出してくれて、ありがとね。あなたのおかげで、春風はとても大きく成長したと、私は思ってるわ」
「い、いえ、そんな! それは、春風が頑張ったからで……」
「でもね」
「?」
「その春風をベッドに押し倒して唇を奪うのはどうかと思うんだけど」
「うっ!」
「しかも、春風の目の前でユメちゃんの唇も奪ったわよね?」
「ううっ!」
リアナは胸を押さえて唸ると、それを見た雪花は、今度は歩夢の方を向いて、
「ユメちゃんは、その時のこと、どう考えてるの?」
と、笑顔で尋ねた。
すると、歩夢は真面目な表情で、
「大丈夫です。その後、私の方からリアナにキスをしましたから」
と答えた。
それを聞いて、リアナを除く周囲の女子、女性達が「ええ!?」と一斉に歩夢を見ると、雪花「そう」と小さく呟いて、
「ならば良いわね」
と、笑顔でそう返した。
それを聞いて、周囲の女子、女性達が「良いの!?」と一斉に雪花を見ると、雪花は次にイブリーヌの方を向いて、
「で、イブリーヌ姫」
と話しかけた。
「は、はい!」
イブリーヌもリアナと同じようにビクッとしながら返事をすると、
「イブリーヌ姫も、リアナちゃんと一緒になって春風の唇を奪ったわね?」
「ひ、ひゃい!」
「しかも、春風と一緒にお風呂も入ったそうね?」
「ひゃいいいっ!」
「で、春風の体つきはどうだった?」
「と、とっても、色っぽかったですうううううっ!」
雪花の問いに、ガタガタと震えながら答えるイブリーヌ。その表情は、最早、恐怖一色に染まっていた。
その後雪花は、今度はルーシーの方を見て、
「ルーシーちゃん」
と話しかけた。
「は、はい!」
リアナとイブリーヌ以上にビクッとしながら返事をするルーシー。そんな彼女に構わず、雪花は尋ねる。
「ルーシーちゃんは、春風の事どう思ってるの?」
「ど、どうって、それは……」
ルーシーは答えるのを躊躇ったが、やがて意を決したのか、
「わ、私も、ハル兄さんの事、好き、です。で、出来る事なら、わ、私も、ハル兄さんと、一緒に、いたいです!」
と、雪花を真っ直ぐ見てそう答えた。
それを聞いてリアナ達が、「え、マジで?」と一斉にルーシーを見ると、雪花は穏やかな笑みを浮かべて「そう」と呟くと、
「ジゼルさん」
と、今度はジゼルに話しかけた。
「はい」
それまで緊張していたジゼルは、どうにか気持ちを落ち着かせて返事をした。
「あなたは、この世界で誰よりも春風の側にいたわよね?」
「……はい」
「で、あなた的には春風のことどう思ってるの?」
「私は……」
ジゼルは少しの間考え込むと、
「最初は、リアナ様と同じように、『可愛い孫がもう一人出来た』という感じでした。ですが、春風様と共にハンター生活を送る中で、一生懸命仕事をこなしていく春風様を見て、その、お恥ずかしい事なんですが、何処か惹かれるものを感じてしまいまして……」
「これからも、側にいたいって思ってる?」
「……はい」
「そう」
そして、雪花は最後に、凛依冴の方を向いて、
「で、最後にマリーちゃん」
と話しかけた。
「はい!」
リアナ達以上にビクッとしながら返事をした凛依冴。それを見て、歩夢を除く女子、女性達は「マリーちゃん?」と、一斉に凛依冴の方を向くと、雪花はやや険しい顔で、
「マリーちゃんは、地球でもこの世界でも春風のこと、色々とありがとうね」
「あ、ど、どうも……」
「でもね」
「?」
「随分と春風にセクハラ紛いのことしたわよね?」
「いえ、あの、それは、師匠と弟子の、スキンシップと言いますか……」
「あぁ?」
「すみません思いっきりセクハラしてしまいましたごめんなさい」
雪花に睨まれて、小さくなった凛依冴。その姿はまさに「蛇に睨まれた蛙」だった。
「……さてと」
一通り話し終えた雪花は改めてリアナ達を見ると、
「じゃ、全員に言い終えた所で、みんなに言いたいことがあります」
と、真面目な表情でそう言った。
それを聞いて、リアナ達はゴクリと固唾を飲むと、
「春風を好きになってくれて本当にありがとう。これからも、あの子をよろしくお願いします」
と、頭を下げてそう言った。
リアナ達はその言葉を聞いて、
『ハイ!』
と、一斉に返事をした。
静流とヘリアテスはほっこりとした表情でそれを見ていたが、
「でも……」
『?』
「もし、春風を傷つけたり、悲しませたりしたら……私があなた達を潰すから、覚悟してね?」
と、雪花は黒いオーラを纏った笑みでそう続けた。
リアナ達はそんな雪花を見て、
『……はい』
と、震えながら返事をした。
更に、
「後、そこにいる2人も良いわね?」
と、雪花は部屋の扉に向かってそう言った。
すると、キィっと扉が開いて、
「「……はい」」
と、何故かいるアデレードと美羽は、震えながらそう返事をした。
その後暫くして、彼女達は何事もなかったかのように、他の女子、女性達を交えて楽しい会話をするのだった。
というわけで、今回の話は、前回の「ボーイズトークの裏で起きた話」をテーマに書きました。
そして、今回で間章4は終了で、次回からは本編新章になります。お楽しみに。




