間話23 春風、遂に謝罪する
大変遅くなりました、1日遅れの間話23弾です。
それは、春風が仲間達に魔術を教える事になった時のことだった。
帝城内にある訓練場の一角にて、
「うん、みんな集まったね」
と、集まってきた仲間達を前に、春風がそう小さく呟くと、
「あー、集まって早々なんだけど、みんなにどうしても話さなきゃいけないことがあるんだ」
と、春風は仲間達の前で気まずそうに言った。
それを聞いて、仲間達は「?」を浮かべて首を傾げると、
「実は、以前から起こっている『魔術師の異変』なんだけど……」
『???』
「ごめんなさい! それ、俺の所為なんです!」
『……え?』
春風の突然の謝罪に、全員が「わけがわからない」と言わんばかりの表情になると、
「ほう、そいつは興味深いな」
と、皇帝ギルバートが春風達の側に近づいてきた。
「ギルバート陛下……」
「是非俺にも聞かせてくれや。お前が知ってる、あの異変の真実をな」
「……わかりました」
そして、春風はギルバートと仲間達に、異変の真実を話した。
数分後。
「……成る程、つまり俺達が知ってるこの世界の「魔術」は、使えば使う程この世界を苦しめてしまうものであって、今起こってる魔術師異変は、お前が作った「魔術」のおかげで、元気になった精霊達による仕返しって事なんだな?」
「……はい、わかりやすく言うと、そうなります」
春風の話を聞いて、ギルバートは「うーん」と唸ると、
「なぁ、お前ら。今の話を聞いてどう思った?」
と、仲間達に向かってそう尋ねた。
いきなり話を振られて、みんなは「え!?」と驚いたが、誰もが春風の話に戸惑うばかりで、何も言えなかった。
だが、その時、
「……あのさぁ、ハル」
その中の1人が、意を決したように口を開いた。
「な、何、ミウさん」
美羽だった。
「前にあなたがくれた、この『指輪』なんだけど……」
そう言って、美羽は春風にその「指輪」を見せた。
それは、ループスの分身との戦いの前に、春風が用意した指輪だった。
美羽は指輪を見せながら春風に尋ねる。
「これって、あなたが作ったものよね?」
「……うん。俺がスキルで作った」
「これに込められている『魔術』も?」
「うん。それも、俺が作った」
「もしかして、他の魔術が込められた指輪もある?」
「う、うん。いざという時の為に、いっぱい作ったんだ」
「それって、これからも作る予定はある?」
「……うん。ある」
「そっか……」
「あ、あの、ミウさん?」
春風に質問した後、美羽は暫くの間沈黙していると、ニヤリと笑って、
「うん。じゃあハル、その指輪……ていうか、これもなんだけど、ここにいるみんなだけじゃなく、他のクラスメイト達の分も作ってよ」
「え?」
「でもって、その使い方……というよりも、あなたが作った魔術を、高坂先生やクラスのみんなにも教えてよ。それでチャラにしてあげる」
そう話す美羽を前に、春風はポカンとなった。
更に、
「あ、じゃあ俺らの方もお願いするわ!」
「え? ええ?」
ギルバートもそう言ってきた。よく見ると、その側には何故かオズワルドの姿もあった。
そして更に、
『私達も、お願いします!』
と、オズワルドの背後にいる、帝国に仕える魔術師達もそう言ってきた。
「えええ?」
まさかの大所帯に、春風は口をあんぐりすると、
「ま、そういうわけだ春風」
と、ギルバートが春風の肩をポンと叩いて、
「お前が作った魔術、是非こいつらにも教えてやってくれや」
と、美羽と同じようにニヤリと笑ってそう言った。
「え、えっと、あの……」
春風は何か言おうとしたが、
「根本的な話はわかったが、それでもお前が原因だってのに変わりはねぇ。だったら、お前には俺らに魔術を教える責任ってもんがある。そうだろ?」
「うっ! そ、そうですね」
春風はギルバートの話を聞いて若干狼狽えたが、すぐにギルバートと周囲の人達を見回して、
「わかりました、まだまだ半人前の『半熟賢者』ですが、俺、やります!」
と、力強くそう宣言した。
それを見たギルバートは、
「よっしゃ! それじゃあ……おーい、お前ら、『賢者』春風が魔術を教えてくれるってよ!」
と、背後の魔術師達を読んだ。
すると、『わぁーっ!』という掛け声と共に、一斉に魔術師達が春風の側に駆け寄った。その数はかなり多く、
「ちょ、ちょっと多すぎないですか!?」
と、春風を大いに驚かせた。
だが、ギルバートはそんな春風に構わず、
「じゃ、よろしく頼むな!」
と言って訓練場を後にした。
残された春風は、仲間達や集まってきた帝国の魔術師達を前に、
(や、やってみますか)
と、「ハハ」と苦笑いしながらそう決意するのだった。
謝罪)
大変申し訳ありませんでした。この話の流れを考えていたら、このような時間帯になってしまいました。
そして、今回は前回と同じ、本編192話で、春風が仲間達に魔術を教える事になった時の話でが、話を読み返してみて、流れ的にちょっとおかしなところがあったので、勝手ながら修正しました。
本当に申し訳ありませんでした。




