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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
第9章 出会い、波乱、そして……

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第189話 夢の中の「再会」

 お待たせしました。今日から本編再開です。そして、いつもよりちょっと長めの話です。


 「うーん? あれ?」


 目を覚ますと、春風は見知らぬ場所に立っていた。


 (何で俺、こんな所にいるんだ?)


 そう思った春風は、ぐるりと辺りを見回すと、


 (……あれ? 俺、ここを知ってる?)


 と、何処かで見たかの様な感じがしたので、春風は「うーん」と唸って何処で見たのか思い出そうとした。

 

 すると、


 「こんばんは」


 「え?」


 突然の声にハッとなった春風は、すぐに声がした方向ーー正面を見た。


 そこにいたのは、長い黒髪を持つ、白いワンピースを着た10歳くらいの少女だった。


 少女を見たその瞬間、春風はこの場所が何処かを思い出した。


 (そうだ。ここランクアップの時に来た場所だ)


 そしてその時、春風は目の前にいる少女の事も思い出した。


 そう、この少女は、ランクアップの時にこの場所に現れた、あの時の少女だったのだ。


 (……でも、何か違う?)


 しかし、春風がそう考えた通り、目の前にいる少女は、最初に会ったあの時とは何処か印象が違っていた。


 ランクアップの時に会った少女は、無口かつ無表情なうえにその瞳には「生気」がなく、まるで「人形」を思わせる様な印象だった。


 しかし、今の彼女の瞳には光が宿っていて、春風を前に年相応の普通の少女の様に、にっこりと可愛らしく笑っていた。


 そんな少女を前に春風は、


 「こんばんは」


 取り敢えず、挨拶を返す事にした。


 それを見て、少女はまだ可愛らしく笑っている。


 春風はここで「君は?」と少女の名前を聞こうとしたが、先ずここは自分からだと思い、


 「えっと……はじめまして、俺は……」


 と自己紹介しようとしたその時、


 「知ってるよ、幸村春風君でしょ?」


 と、少女の方から尋ねてきた。


 「え、俺のこと知ってるの? 君は一体……」


 驚いた春風が少女にそう質問しようとすると、


 「はじめまして、私の名前は、()()()()。この世界の、『意志』と言えば良いのかな、よろしくね」


 と、少女は自身をそう紹介した。


 「この世界の意志って、え、な、何、ちょっと……え?」


 と、春風が混乱していると、その少女、エルードはクスクスと笑い出した。その姿を見て再びハッとなった春風は、コホンと咳き込んで気分を落ち着かせると、真っ直ぐエルードを見て口を開く。


 「あー、うん。えっと、君……いや、あなたががエルード(この世界)の『意志』だってことは理解しました」


 「あ、私のことは『エルード』って呼んで、敬語は要らないよ。出来たら普通に話してほしいな」


 「え……じゃあ、そうするよ」


 「ありがとう」


 「それで、ここは一体何処なの? 何で俺、ここにいるんだい?」


 と、そう質問した春風に、エルードは真面目な表情で答える。


 「ここは、私が作った特別な空間。今日はあなたに幾つか伝えたいことがあって、ここに呼んだの」


 「伝えたいこと?」


 「うん。先ず1つ目は……ありがとう、あの『女』ぶっ潰してくれて」


 「え、あの『女』って?」


 「マールっていう()()女神」


 「ああ、あいつか……て、何で君がそのこと知ってるの?」

 

 「いや、私、この世界の意志だから、この世界で起きた出来事は全部知ってるの」


 「マジで?」


 「マジで。あの時、あなたがあいつに向けて放ったあの必殺技、とってもかっこよかった」


 「……その後、俺、気を失ったんだけど? ていうか、あいつ意識体だから完全に倒したわけじゃないんだけど?」


 「それでも、すっごくかっこよかったよ。あの女の恐怖に歪んだ顔を見て、とてもスカッとしちゃった。もう私許しちゃうから、あの女とその仲間、思いっきりやっつけて、リアナちゃんのお父さんとお母さん……ああ、本物の神様ね、2柱のこと助けて欲しいの」


 「それが、もう1つの伝えたいこと?」


 「そうそう。で、3つ目は、あの時あなたが放った技と、あの女が潰れた所為かはわからないけど、こうして私、あなたとお話が出来るようになったんだ。だから、こっちの方も、ありがとう」


 「はあ、どういたしまして」


 「で、4つ目なんだけど、うーん、どう言えばいいのかなぁ?」


 微妙な表情でそう話すエルードに、春風は「?」を浮かべて首を傾げると、


 「あのね、全部を言えるわけじゃないんだけど……これからあなたに、『素敵な出会い』と『再会』が起きるの」


 「マジで!?」


 「マジで。ただ、『再会』の方なんだけど、こっちは『良いもの』と一緒に『嫌なもの』もあるんだよね」


 「えぇ?」


 エルードの言葉を聞いて、春風はがっくりと肩を落とすと……。


 グニャリ。


 「え、な、何これ!?」


 突然目の前の景色がそう音を立てて歪み始めた。


 「あ、どうやら『時間』みたいね」


 「え、じ、時間って? いや、ちょっと待って、その嫌な方の再会って、俺どうすれば良いんだ!?」


 「大丈夫! あなたはそのまま、自分の信じた道を進めば良いから!」


 「あ、そ、そうなんだ……って、ねぇ、こんなことを聞いてる場合じゃないんだけど、また会えるかな!?」


 「そっちも大丈夫! 今度はあなたの『仲間』達も一緒だから!」


 エルードがそう叫んだ瞬間、景色は一瞬にして真っ暗になった。


 そして、


 「はっ!」


 目を覚ますと、春風は帝城に用意された自室のベッドの上にいた。窓の外を見ると、まだ夜だった。


 「今のは、夢だったのかな?」


 と、ゆっくりと上半身を起こしてそう呟いた春風。


 しかし残念な事に、その呟きに答えられる者は、誰もいなかった。



 


 


 


 


 

 というわけで、今日から新章の始まりです。


 今回の章のテーマは、


 「嵐の前の、ちょっとしたイベント」


 になります。


 水音君との決闘を終えた春風に、一体何が待ち受けているのでしょうか?


 乞うご期待です。

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