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ユニーク賢者の異世界大冒険  作者: ハヤテ
間章3

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間話19 春風とイブリーヌ・2

 お待たせしました、間話第19弾です。


 イブリーヌ、アンジェリカ、エリノーラの会話から翌日。


 場所は、ウォーリス帝国帝城にある、皇族と一部の人間のみが入れる大浴場。


 その大浴場に、春風とイブリーヌがいる。それも、()()()()()で、だ。


 (ど、どうしてこうなった?)


 そんな事を考えてる春風は今、一糸纏わぬ状態で大浴場の大きな湯船に入っていて、その隣には同じく一糸纏わぬイブリーヌがいる。といっても、彼女はちゃんとタオルを巻いてはいるのだが。因みに、春風も腰にタオルを巻いている。


 一体何故この様な状況になっているのか?


 それは、朝食を終えて昨日と同じ様に水音との決闘に向けての準備をしていた時だった。


 「春風ちゃあん、イブりんちゃんが『話がある』って呼んでましたよぉ!」


 いきなり部屋に現れたエリノーラにそう言われた後、彼女に手を引っ張られる形で部屋を出た。


 その後、連れてこられた場所は、皇族と一部の人間専用の大浴場だった。

 

 そこでイブリーヌと合流すると、


 「それじゃ、後は2人っきりで話し合ってきなさぁい」


 と言って、エリノーラはそそくさとその場を後にした。


 残された春風は「え? え?」と若干混乱していると、イブリーヌが春風の手を掴んで、


 「あ、あの、春風様!」


 「はい、何でしょうかイブリーヌ様?」


 「わたくしと……」


 「?」


 「わたくしと一緒に、お風呂に入ってください!」


 と言ってきたので、その時の彼女の勢いに負けた春風は、


 「あ……はい」


 と、こうしてイブリーヌと一緒に大浴場に入る事になったのだ。


 そして現在、


 (うぅ、すっごい恥ずかしいというか、気まずい)


 と、春風がそんな事を考えていると、


 「あの、申し訳ありません春風様」


 隣のイブリーヌが謝罪してきたので、


 「えっと、何がですか?」


 と春風は尋ねた。


 「その、春風様は本来忙しい筈でしたのに、こんな時にわたくし、とんでもない我儘を言ってしまって……」


 「あ、そんな、イブリーヌ様が気に病む事ではありません。まぁ、俺も良い息抜きにはなりますから」


 と、春風はイブリーヌに「気にするな」的な事を言うと、その後2人は沈黙したまま何も話そうとしなかった。


 (だ、駄目だ! 何か話さなきゃ!)


 イブリーヌとの間に微妙な空気が流れたのを感じた春風は、何とか話題を出さねばと、口を開こうとすると、またイブリーヌが話しかけてきた。


 「あの、春風様」


 「な、何でしょうか?」


 「あの、一昨日の事なのですが……」


 「? ああ!」


 その言葉を聞いて、春風は一昨日イブリーヌに告白とキスをされた時の事を思い出した。


 「えっと、あの出来事が何でしょうか?」


 「……ごめんなさい」


 「え、何故イブリーヌ様が謝るのですか?」


 「だって、春風様には既に歩夢様という方がいるというのに、わたくしはあの様なはしたない真似をしてしまって、あなたの事に不快な想いをさせたのではないかと思ってしまったのです」


 「それは……」


 イブリーヌの言葉を聞いて、春風はその先を言えず黙り込んだ。


 だが、少しすると、


 「あの、イブリーヌ様」


 「何ですか?」


 「イブリーヌ様は、俺の事、どこまで知っているのですか?」


 「それは、その、水音様がお話したところまでですが」


 「そうですか」


 イブリーヌの話を聞いて、春風は暫く考え込むと、イブリーヌの隣から正面へと、ザブザブと湯船の中を移動し、真っ直ぐ彼女を見て口を開いた。


 「イブリーヌ様」


 「は、はい」


 「イブリーヌ様のお気持ちは、俺としても大変嬉しく思っております。ですが……」


 「?」


 「その想いに応えるには、俺はまだあなたの事を全然知らないのです。あなたは、ちょっとだけですが俺の知っているというのに。これは流石に不公平ではありませんか?」


 「うぅっ! そ、そうですね」


 春風の言葉に、イブリーヌはシュンとなった。


 しかし、


 「ですから……」


 「?」


 「ちょっとずつで良いですので、イブリーヌ様の事、教えてくれませんか? 俺も、言える範囲でですけど、俺自身の事をお話しますから」


 優しく微笑んでそう言った春風に、それまで沈んだ表情のイブリーヌは、

 

 「……はい!」


 と、笑ってそう応えた。


 その後、2人はのぼせない様に注意しながら、お互いの事を話し合った。


 その一方で、


 「うーん。流石にお互い襲ったりはしないのねぇ」


 「そうですね、お母様。ちょっと残念です」


 と、エリノーラとアンジェリカは春風達に見つからない場所から2人の様子を覗いていた。


 


 

 というわけで、今回初めて書いたお風呂回(?)でした。

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