政略結婚
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グローリー王国の宰相府では、宰相とパーシバルが話し合ってた。
「あと一歩でこの王国を我らのものにできる。最後の手を打つぞ」
「最後の手とは?」
パーシバルの問いかけに、宰相は邪悪な笑みをもらす。
「『銀月姫』とお前の結婚じゃ」
「セレニティ・グローリー殿下ですか。秀麗な美貌を誇り、ホリー・シャインと共に王国の双璧と歌われた美姫」
パーシバルの顔に情欲が浮かぶ。
「しかし、陛下が納得するでしょうか?さすがに王家乗っ取りの企みがあからさますぎませんか?」
「なに、あの無能王を説得するなど、たやすいことじゃ」
そういって、ロックウェルは王の下に向かった。
「なに?パーシバル卿とセレニティとの結婚とな?」
「はっ。王国がこのように国難を迎えている状況では、我ら家臣一同がより結束するために必要な政略結婚かと具申します」
宰相は薄笑いを浮かべて告げる。いきなりの話で、娘を溺愛していた娘は困ってしまった。
「ううむ……パーシバル卿は確かに勇猛で忠実な騎士じゃが……娘はなぜか昔から彼を嫌っておる」
「姫のお心を射止められぬのは息子の不明。ですが、今は国家の非常時です。そもそも政略結婚に愛など不要」
宰相は冷たく切り捨てる。
「待て。娘の意思も聞かねばならぬ」
「色よい返事を期待しております」
慇懃無礼に頭を下げて、宰相は退出していった。さすがにこの無礼な態度に、彼を信用していた王も不快な気持ちになる。
「なんだあの態度は!廷臣としての分もわきまえず、王族の婚姻にまで口を出すとは」
そう怒るものの、宰相の権勢には逆らえない。いまや王宮の家臣は宰相一派でうめつくされていて、国王ですらないがしろにされていた。
「ううむ……銀月姫を呼べ」
困った王は、娘を呼び出す。やってきた娘は、父王を心配してかけよった。
「お父様、およびですか??お体の具合は?
やさしく額に手を置いて看病する。セレニティは美しく心優しい姫で、父王は目に入れても痛くないほど彼女を可愛がっていた。
「うむ。ワシは大丈夫じゃ。それより、そなたに話がある」
王はパーシバルとの政略結婚を打診する。それを聞いたセレニティは悲しそうな顔になった。
「父上のご命令であれば、私は従います。しかし」
「しかし?」
「政治の宰相様と軍事のパーシバル様。この二人にグローリー王国の実権が与えられております。この上私という権威が与えられますと、彼らの玉座への道を阻むものは誰一人いなくなるのでは?」
それを聞いて、初めて王は簒奪の危険性に思い当たってしまった。
「ごほっ!ごほっ!」
「お父様。大丈夫ですか?」
あわててセレニティはかけよって、背中をさする。
「ワシは今まで何をしていたのだ。あやうく奴らに国を奪われるところじゃった」
「お父様……」
そんな父を、娘は哀れみの目で見つめた。
「……こんなときにシャイン伯爵様がいらっしゃったら。勇者の権威があれば、宰相様に対抗できたのですが」
それを聞いて、王は心から後悔する。勇者の一族として国内での尊敬を一身に集めながら、この400年シャイン家は一技術官僚として決して政治的な口をだしてこなかった。それは自分が表に出ると、王の権力を侵してしまうと危惧していたからであったのだ。
「ワシは愚かじゃった。王家を裏で支えてきたシャイン家を、俸給惜しさに追放してしまうとは」
涙を流す王を、セレニティは慰める。
「過ぎたことを言ってもはじまりません。これからどうするかです」
「そうじゃな。お前を奴らの手には渡さぬ」
王は娘を抱きしめてそうつぶやくと、彼は手紙を書き始めた。
「お父様、どこにお手紙を?」
「セントバーナード王国じゃ。かの国からは、かねてからお前と王子の婚姻を打診されておった。婚姻により長年の対立関係を解消しようとな。今まで宰相の反対により頓挫しておったのだが、王の強権を持ってこの話を推し進める。ルパート!」
「はっ」
未だ王に忠誠を誓っていた執事長は、ひざまずいてて手紙を受け取る。
「セントバーナード王国への使者になってもらいたい。これを届けよ」
「命を懸けて使命を果たします」
ルパート執事長は、王都を脱出してセントバーナード王国に向かうのだった。
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