詩集 リコリス・ラジアータ 作者: K・t 掲載日:2020/09/30 あたり一面に 一斉に咲く その景色を眺めていると 本当に彼方へと 密やかに 導いてくれそうな気がする 天上の花 灯籠花(とうろうばな) 悲願の花…… 数多くの 悲しい 異名を持つあなた 幻想的な 顔(かんばせ) 毒を宿してまで 拒んでおきながら 非常時の頼りにさえ されてきただなんて 皮肉過ぎる話ね 沢山の恐ろしい 名前があったって 山ほどの 背筋が凍る 逸話を孕(はら)んでいたって 今年も 心待ちにしているわ 抜ける 秋空の下で あっという間に 咲いて そっと静やかに 消えていってしまう リコリス・ラジアータ(あなたのこと)を 「ラジアータ」はこの色ではないのですが、イメージとして敢えて選びました。