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学歴を比べて馬鹿にする社会人に反抗してみた3

マウント男達の名前の漢字変えました。

翡翠→日水

瑪瑙→目能

青石→青尹

 目能が青伊をぎろりと睨む。

「なんで突然、見浪の肩持つんだよ。このガキ共にビビったのか?」

「いや、ただ見浪にも事情があっただろって話」

「はぁ? 結果論だっての。実際、良い大学出て良い会社に入ったのは俺らで、こいつは汚い工場だぞ? 見下して何が悪いんだよ。ああん? 手のひら返しやがって」

 奏介は舌打ちをした。

「クズの仲間割れは結構ですけど、自力で大学へ行って卒業したなら、見下してもいいんじゃないですかね? どうせ、自分の力だけじゃないだろうけど」

「んだと? 自分の力に決まってんだろ。こっちは猛勉強して、試験に受かったんだ。大学受験すら経験してないガキに何が分かるんだよ」

 奏介は鼻を鳴らした。

「自分の力? 親に金出してもらってんだろ。それとも高校で大学の学費全額稼いだのか?」

 予想外の言葉だったのか目能が言葉に詰まる。

「あ、図星か。そこの見浪さんって人の事情を知った上で、親に大学行かせてもらって、バカにしてるってこと? パパとママに良い子良い子されて良い会社に入ってイキッてんだ。はあ、下らない」

 目能は睨んで来る。

「なら、お前は大学に自力で行くってのか? 金を貯めて? やれるものならやってみやがれ」

「俺みたいな未成年の高校生に突然何言ってんだ? 大学の学費なんて高校生が稼げるわけないだろ。行くにしても親に頼るか、奨学金だろ。社会人なのにそんなことも分からないのか?」

 目能は顔をピクッと引きつらせた。

「てめえ、自分のことは棚に上げて。てめえも親に頼る気満々じゃねえか! よくオレを馬鹿にできたなぁ? 言ってることが矛盾してんだよッ」

 奏介、呆れ顔。

「うわー分かってない」

「見事にズレてるわね」

 ヒナとわかばがヒソヒソ。

 奏介は肩を落とした。

「あの、見浪さんでしたよね? 初対面で失礼だと思うんですけど、母子家庭なんですか?」

 見浪は、呆気に取られていたがすぐにはっと我に返ったようだ。

「あ、ああ。中学の頃から」

青尹が何度か頷いて、

「それで、大学諦めて働いたんだったよな」

「奨学金もらって行くより、家庭を支えようと思って」

 突然味方をし出した青尹、ちなみにもう一人の男、日水はというと奏介との言い合いに圧倒され、黙ってしまっていた。

 奏介は青尹を横目で見る。

(というか、この青尹って奴、いじめに控えめもやり過ぎもねえんだよ)

 いじめ加害者、途中で寝返って来たことにイラっとしつつも、今は目能だ。

「だってさ。親に出してもらうのは普通だし、むしろ恵まれてることだ。親の稼いだお金で大学に通ってるのに、なんで家庭の事情で働いてる人を見下せるんだよ。大学卒業できたのは、親の金があったからだろ。お前の金じゃなくてな? ていうか、高卒見下してる人はそれなりにいるんだろうけど、普通本人に言わねえよ。そこで真正面から言えちゃうところがヤバいわ。理性ないのか? 本能で動くって動物? 我慢できないのか? そこが頭悪いって言ってんだよ。てか、一流大学のエリートで仕事できる人って、他の人のこと見下さないと思うわ。それやったら人間関係ぶっ壊れて仕事しづらくなるじゃん。なんのためのマウント? 優越感に浸りたいとか? 何が楽しくて生きてるの? そんなことするんだったら趣味に費やしたり、美味しいもの食べた方が数倍有意義だわ。マウントほど下らないものはないっての。もうちょっと考えろよ」

 奏介に捲し立てられ、一歩後退。

「く……くあ」

 反論の言葉が出ないようだ。ふと、騒ぎを聞きつけたボウリング場スタッフが駆けてくるのが見える。

「お前! 全部お前が悪い。こんなところに連れてくるからガキに絡まれるんだよ。この高卒底辺!」

(まだ言うか。この酔っ払い)

 言い返そうとした時、見浪が奏介の前に腕を出して制した。

「分かった分かった。もうそれで良いから、高校生に絡むの止めようぜ」

 見浪が肩を落として言う。

「はあ? お前のせいでこんなことになってんだぞ!」

「はいはい、高卒底辺見浪君のせいですねー」

 見浪はひらひらと手を振って、奏介を見た。

「いや、ごめんね。君ら。オレも言い返さなかったから、気にしてくれたんだろ? 変な絡みして悪かったね。これで帰るからさ」

「おいッ」

 目能はガン無視されたイライラからか見浪の胸ぐらを掴んだ。

「土下座して謝れ。お前みたいな頭が悪い奴のせいで不快な思いしてんだよ」

「土下座か。それより、目能」

 その直後、目能はスタッフによって取り押さえられた。

「なんだ! やめろ! 離せ!」

 なんだかんだあり、目能はスタッフに連れて行かれたのだった。見浪が警察には連絡しないように頼んでいたようだったが、最終的に出禁になったとのこと。


(とりあえず、学校に連絡される前に手を打つか)

マウント男達の名前の漢字変えました。

翡翠→日水

瑪瑙→目能

青石→青尹


次回、奏介の制裁ターンになります。

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― 新着の感想 ―
目能終わってんな、、、どこの会社でも会社員として、社会人としての自覚を持ち、それに相応しい行動をしましょう。 って会社ルールがあるだろ、、、 女の子を連れている高校生に絡んで、驚かせてボーリングのボ…
目能ガチで終わってますねこいつ(笑)、次回でとんでもない事になるのはほぼ確定ですし下手したら懲戒ものですよね。 あとやっぱり奏介からしても青尹の掌返しに関してはクソだなと思ってたみたいですし日和った…
【妄想劇場】 「この……馬鹿モンがー!!」  日水は、実家に呼び出されると祖父からゲンコツ落とされた。  どこから聞きつけたのか、ボーリング場の件を知っていた。  日水の祖父は父子家庭で、曾祖母が居…
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