表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
290/392

迷惑悪質ドッキリを仕掛けていた迷惑動画配信者に反抗してみた2

 井澄兄こと井澄勝いすみまさるはリビングで両親の説教を食らっていた。

 動画投稿、配信についての苦言、今後は一切禁止する、と。

(まぁ、親父達ネットとかに疎いからな)

 恐らく、辞めなくてもバレないだろう。

そもそも、ユー○ューバーが何か分かっていないのだし。

「とにかく、もうやるな。 無言電話やらクレームやら、 テレビの取材やら。 お前達が人様に迷惑かけたせいでオレと母さんが困ってるんだぞ」

「ああ。 分かった。 悪かったよ。 お金が絡んでたからやり過ぎたんだ」

「……」

父親はしばらく勝の顔を見ていたが、

「肝に銘じておけよ」

「お願いだから、人様に迷惑かけるのだけはやめて頂戴」

 母親も笑顔を消して、 念を押してくる。

「ああ、 身に沁みたよ」

とりあえず、 反省したフリ。 だが、隣に座る弟はうつむいて、深刻そうな顔をしている。 どうやら、説教が刺さってしまったようだ。

「ん」

 父が自分のスマホを見て立ち上がる。

「あまり調子に乗るなよ」

「ああ、大丈夫だって」

 弟と一緒に部屋へ戻る。

「あ、兄貴。 どうしよう。 この前、街中でオレの担任に仕掛けたイタズラ、バレるかも」

「あー、 深い水溜りで転ばせるやつか。 てか、 BANされてんだから動画見られるやついないさ」

 勝は肩をすくめ、 自分の机のパソコンを立ち上げた。

 やはりBANされたままである。

(あーあ。くそー)

 と、呟き系SNSのダイレクトメッセージが届いたようだ。 何気なく開いてみると、


『3ヶ月前、カラオケ屋の店員土下座させてたの、 言いがかりだろ』


 勝はため息を吐いて頬杖をついた。

(ピザにハエの死骸トッピングして、謝らせたやつかぁ)

料理に異物が混入したと訴え、 謝罪を要求した動画だ。 カットしたが、 ハエを用意したのは勝達であ

り、「異物混入があったので緊急で動画を回した」という体の動画だった。 店は批判の対象になったと聞

く。

 その後、ドッキリということにすれば視聴者のヘイトが少し減ることに気づき、 バランスの良い動画に仕上がるようになった。 ネタバラシで解決!  便利な言葉なのだ。

(そういや、ハエトッピングのあれは、ネタバラシしてなかったんだよあのまま、店側の過失ということになり、一部ではニュースになったらしい。

 と、続けてメッセージが送られてきた。

『あのカラオケ屋、 潰れることが決まったよ。 お前らのせいで。 許さないからな』

(はいはい)

 勝はすぐにメッセージを消して、息を吐いた。 いつの間にか弟の姿は消えていた。 相当ビビっていたので、もう乗って来ないかもしれない。



数日後。

カラオケ店のことで一度警察に事情を聞かれたが、それ以後は何もなかった。

大学の帰り、勝はあくびをしながら自宅の門を潜ろうとしたところで、郵便局の配達員に声をかけられた。

「井澄さんですよね。お手紙です」

 手渡されたそれは分厚い封筒だった。求められたのでサインをし、彼は去って行った。

「なんだ、これ」

 井澄勝宛てである。そこには、


『起訴状』


 と、書かれていた。

「……ん?」

「訴えられたんですよ。裁判です」

 振り返ると、奏介が冷めた目でこちらを見ていた。

続きは明日更新します!

起訴状の扱い、間違っていたらすみません。指摘していただけると助かります!


追記 少し修正しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] New!スレッド 【続報!】訴状が届いたけどBANでコメントできません【イースちゃんねる】 ……という、物凄く暇な人しか見ないようなのが、頭に浮かびました(苦笑)  (↑ 相変わらず、ネ…
[一言] あ、とりあえず被告人昇格おめでとうございます 基本的には損害賠償とか名誉棄損での民事だと思うけど、 要件的には偽計ないし威力業務妨害の要件満たしてる可能性もなくはないんだよなぁ…… 店の前で…
[気になる点] なんか変なところで改行してて読みづらくなってる…?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ