番外編 186部if奏介が干渉しなかった場合の南城への対応〜わかば、ヒナ、モモの場合〜
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とある休み時間。
「橋間さん」
ヒナ、モモと談笑していたわかばは声をかけてきた男子に眉を寄せる。転入生である。
「南城君、だったわよね。何?」
転入してから初めて話すが、名前を覚えられていることに驚きだ。少し、馴れ馴れしい感じがして警戒する。
ヒナとモモもなんとなく警戒心が芽生えているよう。
「あのさ、橋間さんが風紀委員て聞いたんだけど」
「ええ、そうだけど」
「僕、どこかの委員会に入らないといけないんだけど、風紀委員てどうなんだろ?」
わかばは首を傾げる。
「うちの委員会、生徒の相談とか受けてるからちょっと面倒臭いわよ? 放課後の見回りとかあるし」
南城は困ったように、
「そうなんだけど、図書委員会は最終下校時刻まで図書室にいなきゃならないし、美化委員は校舎全体の清掃チェックがあるんだって。風紀委員の方が良いかなーって。もちろん、楽じゃないとは思ってるけどさ。よかったら風紀委員の活動とか色々教えてよ」
わかばはヒナモモと顔を見合わせる。いきなり割り込んできて、やはり馴れ馴れしい。
こんなに自由に転入生が入りたい委員会のことを聞いて回れるものだろうか。前風紀委員長のように逆に勧誘ならあるとは思うが。
「うーんと、南城君、そう言うのってまずは先生に聞いて、入る委員会を決めてからじゃない?」
「でもやっぱり現役風紀委員の橋間さんに色々聞きたいなって」
わかばはゾワッと背中に何かが触れた気がした。
(これナンパなのかしら……?)
(わかば狙いなんだ。ちょっとキモい)
(この絡み方は無理があると思うけれど)
それぞれわかば、ヒナ、モモである。
「ごめんなさい、南城君。今からあたし達ちょっと」
「そだね。休み時間終わっちゃうから済ませよ」
モモも頷いて、三人は逃げるように廊下へと出た。トイレの方へ歩き出す。
「わかばに猛アタックだねー。露骨過ぎてあれだけど」
「わかば、あの人タイプ?」
「タイプなわけないでしょっ、あたしは朝日賀先輩推しなの!」
わかばはそう言って、
「大分キショいわ」
肩を落とした。
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ちなみにカットしましたが水果にも演劇部関係で声をかけたりしてました。




