番外編 186部if奏介が干渉しなかった場合の南城への対応〜真崎の場合〜
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奏介が飲み物を買いに行っている間に呼び出された。
真崎が教室の入り口へと行くと、
「えーと、おれが針ヶ谷だけど」
まったく知らない顔だった。同級生だろうか。
「オレ、一組に転入した南城って言うんだけど、ちょーっと話があってさ。今大丈夫かな?」
転入生、どうりで知らないはずだ。合点がいった。
「……面倒い話?」
鋭い視線を向けずにはいられない。
「違う違う。ここじゃなんだからさ」
連れて行かれたのは屋上に続く階段の踊り場だ。ギリギリ立入禁止ではないが、人気のない場所だ。
「実はさ、針ヶ谷君と手合わせしたいんだよね」
真崎はぽかんとした。
「……どういう……もしかして、他所のグループのもんか? お前」
「いや、僕、空手を習ってるんだけど、強い人と手合わせしてみたいんだよね。負けるの前提でさ。針ヶ谷君は喧嘩強いんでしょ?」
真崎は不審げに南城の体を見回す。
(空手やってるやつの体に見えねーし)
立ち方的にあまり体幹が鍛えられているとは思えない。
「悪いが、健全な格闘技やってる奴と手合わせとか出来ないな」
どこかのグループの手先か何かだろう。
「いや、でも」
「負けるの前提なんだろ? そういうやつと喧嘩するのは萎える」
真崎はそう言って、その場を後にした。
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