番外編 186部if奏介が干渉しなかった場合の南城への対応〜詩音の場合〜
リクエストがあったので書いてみました。
仲間たちに取り入ろうと声をかけて周った南城ですが、奏介の指示(頼み)により好意的に対応されてました。では指示がなかったら? というifです。
続く!
放課後。
靴箱のところで名前を呼ばれた詩音は振り返った。見知らぬ男子が笑顔で立っていた。
「……」
誰だろう、詩音は目を瞬かせた。
「久しぶり、小学校の頃隣のクラスだった南城だよ」
「南城……君」
フレンドリーに話し始めるが。
(どうしよう。よく知らない)
奏介と同じクラスで例の石田と仲が良かったのは知っているが。戸惑っていると、
「突然ごめんね。最近転入してきたんだけどさ、たまたま伊崎さんを見つけて。可愛いなーって思ってさ」
なんの前触れもなく、突然の褒めだった。
「あ、うん。……ありがとう」
苦笑いを浮かべつつ、詩音は思った。
(なんか、変な人に絡まれちゃったな……)
昔の同級生というだけでほとんど話したことがないのに、だいぶ馴れ馴れしい。
「それでこれからお茶に」
(え!?)
ほぼほぼ初めて話すのに何を言っているのだろうかと。
「あーっと、ごめんっ、用事があるからっ」
詩音は逃げるように離れた。
(なんなんだろ……あの人……。ナンパ? 奏ちゃんのことかな)
もし奏介のことだとしたら、話すことはないし、その件でお茶するなどあり得ない。
(こわ……)
すぐに次話192部更新します。




