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わがままなキミ  作者: 葉月 晶
第八章
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優佳改造計画

 優佳の初恋は高校一年生の時だった。相手は勉強も運動もできるクラスでも一番人気の男の子。好きになったきっかけは席が隣になった時に色々話かけてくれたからだった。しかしその頃の優佳は、まだオシャレするのが恥ずかしくて長い髪はキッチリ三つ編み、母親が選んでくれたメガネをかけている真面目で目立たない女の子だった。


 もともと優佳は告白するつもりはなかった。自分なんかを好きになってくれるとは思えなかったし告白する勇気もなかった、あの事件が起こるまでは。


 あの日は目覚まし時計が壊れてて優佳は寝坊してしまった。朝食を食べる暇も髪を三つ編みに結ぶ暇もないままに急いで登校した。急いだおかげでギリギリ遅刻は免れたが、優佳が教室に入るとクラスメートから注目を浴びていた。優佳は走って来たので髪が乱れているのかと思って急いで手ぐしで整えてコッソリと席に着いたのだった。


 HRが終わるとクラスでも目立つ女の子達が優佳の元に集まってきた。

「中川さんの髪ってキレイだね」と髪を触ってきたり「メガネ外してみせて」と騒ぎだした。

 優佳が対応に困っている時に助けてくれたのが、その女の子達のリーダー役の希美(のぞみ)だった。

「ほらほら中川さん戸惑っているでしょ? ごめんね中川さん、みんな悪気はないのよ」と微笑んでくれた。


 希美は誰もが認める美少女だった。優佳も入学当初から希美に憧れていた。その日から希美の勧めにより、ゆるやかに優佳改造計画が進んでいった。気がつくと優佳は髪も三つ編みに結ばなくなり、メガネもコンタクトに変え、メイクもするようになっていた。


今のナチュラルメークの優佳とは思えない程、当時は濃いメイクをしていたし自分でも似合っていると思ってしまっていた。初めは面白半分だったにしても優佳の変身へ背中を押してくれたのは希美だった。その点は希美に今では感謝をしている。

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