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わがままなキミ  作者: 葉月 晶
第七章
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悪いニュース

 祐介と飲んだ翌日、再び和美(かずよし)はアリサと居酒屋で向き合っていた。


「それで話ってなに?」ある程度ふたりで飲みながら世間話をした後に和美はアリサに切り出した。

「今日は残念だけどカズミにとって悪いニュースがあるのよ」アリサは思い切って口に出しかけたが言葉が途切れてしまう。

「いいから話してごらんよ」和美は穏やかにアリサを促す。

「実は、優佳に彼氏ができたの」

「え!」和美の思考は一瞬にしてストップした。


 そんな和美を上目づかいでチラリと見てからアリサは話を続けた。

「他の大学の人に告白されてつきあうことに決めたそうよ」

「また僕は遅かったのか……」和美は長い指を組み肩を落とす。


「でもカズミは瑞穂にかかりきりで、それどころじゃなかったんでしょ? 瑞穂から聞いてるわよ」

「瑞穂から連絡があったの? 僕のところにはないんだ。僕は瑞穂に嫌われてしまったのかもしれない」と和美は下を向いてしまう。

「カズミがそんな弱気でどうするの? カズミと瑞穂は、そんなことで壊れるような仲だったの?」とアリサは和美の背中をバシっと叩いた。


「瑞穂はなんで僕だけに連絡してくれないんだろう」

「カズミから連絡はしたの?」アリサの突っ込みは厳しい。

「何だか後ろめたくて……」

「だったらカズミから瑞穂に謝ればいいじゃない。瑞穂だってカズミからの連絡を待ってるかもよ。私から言えることはひとつ、カズミこそ瑞穂にとってわがままだったんじゃないの?」

 アリサの言葉は和美の胸に深く刺さった。


 アリサと別れてアパートに戻った後、和美は思い切って瑞穂に電話をすることにした。でも虚しく電話の呼び出し音が鳴るばかりで繋がることはなかった。

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