祐介の提案
やれやれといった表情を浮かべてから祐介はアイスコーヒーを飲むと頬杖をつき考え始めた。
和美もアイスアプリコットティーを飲みながら祐介の表情を見守る。
「俺が今、考えられる方法はひとつだ、でも和美が瑞穂ちゃんにうまく説明出来るかに勝負はかかっているんだけど……」と少しだけ祐介は和美を焦らすようにして話を始めた。
祐介からの提案を聞き終わった和美は目をまん丸くして言った。
「さすが祐介だよ。僕にはそんな方法は思いつかなかった。でも瑞穂が何と言うか……」
「問題はそこなんだよ。でも瑞穂ちゃんにうまく説明する方法も考えていない訳ではない、わがままな女の性質を突くんだよ」祐介はニヤリと笑いながら答えた。
「性質ねぇ……。祐介はその方法でお姉さん達を説得出来たことはあるの?」和美はまだ半信半疑と言った表情を浮かべたままだった。
「当たり前だよ、だから和美に教えてやるんじゃないか。もし俺が姉達のわがままに翻弄されていなければ和美の言葉はモテる男ののろけ話として聞き流していたかもしれない、でも和美は言ってみれば俺の同志だ、で優しい和美は俺の提案を実行出来るのか?」
「優佳ちゃんの気持ちを知らなかったなら、僕は祐介の提案を実行する気持ちにならなかったかもしれない。でもそのくらいの荒技をしないと瑞穂は変われないかもしれないなぁ……。うまく説得する方法はどうするんだ?」
「それは第三者がいるところで説明するんだよ。大抵わがままな女っていうのは表の顔も持っている。わがまま放題できる相手だけじゃなく第三者……この場合は俺だな。その前で理論的に説明されてしまうとわがままは言えなくなるのさ」祐介はドヤ顔をしてみせる。
「そうかもしれない……。でも祐介は本当にいいの?」不安そうに和美言った。




