SS1. オンラインノベルの次に来るもの~「破壊的イノベーション理論」から見た"なろう"系オンラインノベルの躍進と衰退
(サブタイのタイトルで短編にも出しています。内容は短編verと同じです。)
初めに。
誤解がないように言っておく。
僕は「異世界に転生して、俺最強」の作品は、良く読むし、好きだ。
著者の方々をリスペクトしている。
その上で、この作品形態の今後について論じたいと思う。
間違い、あるかもしれない。
有ったらごめんなさい。
時代は変遷していく。
物事を進める上でスタートダッシュにつくことは有利だ。これを否定する人はいないと思う。
今乗り遅れたと思っている人も次のフロンティアのスタートラインにたつことなら、できるかもしれない。
(勿論できない可能性もある。)
そこで、どうだろう?
なろう系オンラインノベルに視線を向ける。
00年のスタートから急速に成長した。
win95,win98の普及後スタートし、xp,7の時に爆発。
さらに、スマホがインターネットの表示ができることに起因して、携帯小説のユーザーを飲み込んだ。
これが2009年頃までの話。(多少の差はあるよ。)
大躍進である。
さらに状況は後押しする。
ラノベ躍進初期の2000~2006頃の作品(ハルヒ、シャナ、ルイズ等)が一段落し、後発組の2008~作品が主流になると、展開などに飽きてきた既存のラノベユーザーが流れてくる。
(出版社も理解していたのかネット既出作品も手掛け始める時期がここ。SAOとか)
これが2009年ぐらいからだ。
(この時期から筆者の友人のうちでは、オンラインノベル良いんじゃね、となる。)
これで躍進は止まった…かに思われた。
まだ止まらない。
2014年頃を境に、B6番書籍群の書店での売り場編成が変化した。(この流れは大型書店ほど強い。)
これによって、ただでさえユーザーを増やしつつあった"なろう"系オンラインノベルは、情報で遅れる可能性のある若年層新規ラノベユーザーを根こそぎ奪っていくに至った。
(異世界転生が量産されつつあったが、まだ大多数のユーザーに"なろう"系は新鮮だった。)
2012年頃になろう系を書店で買う時、近くにラノベはありましたか?
(僕はラノベ棚でフェアクロを探していて無かった記憶がある。)
大体のところは無かったはずだ。
そして、ようやく一連の大躍進は止まったのだ。
後は、新しくオタクになった中高生の皆が仲間入りしていくだけだ。
今までみたいな急速な成長をすることはもうないだろう。
そこで気になるのがオンラインノベルの次にくるもの。
"なろう"系の次に来るものである。
そんなものあるのか?
ここで僕は「破壊的イノベーション理論」を持ち出したい。
僕が著者、クレイトン・クリステンセン教授の「破壊的イノベーション理論」に出会ったのは1年ほど前のこと。
ちょっと心が疲れていた時期に、彼の著書「イノベーション・オブ・ライフ」を読むに至った。
心理学の教授なのかと思いきや、MBIの教授。
経営工学の先生だった。
その代表的理論が「破壊的イノベーション」。
大企業が新興企業に追いやられ、倒産するのは何故か?その答えが書いてあった。
現段階ではサービスに満たないものも、ある段階で(ニーズの変化や技術革新により)事業となりうるというものだ。
オンラインノベルに当て嵌めると、
web発作品によるオンラインノベル自体の認知度の向上、それに伴う著者・読者の増加により、読むに耐えない作品群が、読めるものになった。(技術革新)
ユーザーのニーズが、"萌え"から"俺ツエー"になった。(ニーズ)
(何十年と人気のあるロボットは、サンライズという強敵がいるから避ける。)
いい作品でも売れない、そのため出版社は失敗のない確実な作品を出すことにした。(ニーズ)
全く合致しているではないか!
「破壊的イノベーション理論」通りじゃないか!!
ここから先は多分推測が入るし、僕自身、自信がない。
(保証なんてもっての他だ。)
けれど書いていく。
読んでもらえたら有難い。
オンラインノベルの次は、多分、上の三つの判断基準から外れるものだ。
正直想像もつかない。
書籍を出版社から出す動きはしばらく続く。
そして出版社は外れを引きたくない。
だからweb掲載高評価作品の流用はしばらく続く。
そして、なろうの執筆層は厚くなるばかり。
(より巧妙になる。俺ツエー作品はどんどん出て来て磨かれる。)
オンラインノベルは消えない。
そう言えそうだ。
あれ大丈夫じゃね?
心配要らないね。
「異世界に転生して、俺最強」物語は不滅なのだ!
本当か?
本当に、大丈夫なのだろうか?
"異世界に転生して、俺最強"
の物語が悪くないから読んでるけれど、優先順位は高くない、という人。
「もうちょっと違う作品はないだろうか?」
と考えてる人。
(↑純文学を読まない、あくまでもラノベ、なろうが中心の人)
飽き始めている。
そういう人は出てきていないだろうか?
出てきていたら不味いことだ。
既に典型的な"なろう"系を潰しにかかる"何か"が出ているかもしれない。
今"なろう"で成功している著者の方々について。
(書籍化作家だけでなく、ランキング作家、高ユニーク作家、高PV作家を含める)
「破壊的イノベーション理論」によると、彼らは決して、
「異世界に転生して、俺最強」
以外の話を書くことはないだろう。
少なくとも、直ぐに方針転換なんてできないはずだ。
何故なら、成功するかわからない作品の執筆にリソースを割くよりも、現行の流れに乗った方が明らかに有益だからだ。
自明のことだと思うが、現状では、
「異世界に転生して俺最強」ユーザーが多数派であることは間違いない。
(PV、pt、ランキング、書籍化で、現状有利だ)
著者が転換を図ろうにも、出版社はじめ、周りのステークホルダーが黙っていないだろう。
「何、馬鹿な事しようとしているの。今まで通りの作品を書いてよ。」
と、なるわけだ。
オンラインノベルは消えない。
しかし、
「破壊的イノベーション理論」に則れば、
「異世界に転生して、俺最強」
の物語は、
ニーズが変化した時点で確実に終わる。
既に、崩壊の兆しは有るのではないだろうか?
跡形もなく消えてしまうかもしれない。
(デジカメ出現時の写真、フィルムメーカーみたいに、消失か転換を余儀なくされる。)
余談だが、この話の続きは以下になる。
(スマホの出現でコンパクトデジカメは退場した。)
(デジカメメーカーは主力をデジタル一眼に変更。風前の灯だったフィルムカメラは完全に消し去られた。)
話を戻す。
この文章を僕が書いたのは、
"なろう"における、ランキング作品の
"タイトル"
"あらすじ"
"プロローグ"
のキーワードを分析した結果、
「異世界に転生して、俺最強」
が主流だと報告したことに起因する。
(有難いことに、ランキングに入るほど評価してもらえている。)
僕の報告をただ鵜呑みにして、
「異世界に転生して、俺最強」
を書けば上手くいくから書きました、をしてほしくないなと思ったからだ。
(実は僕、皮肉を込めてキーワード分析を始めた。今では分析自体が楽しいけれど。)
「異世界に転生して、俺最強」物語を書きたいなら書けばいい。
それは、いいことだ。
書きたい作品を書くべきだ。
憧れた作品の真似をしたくなるのも、もっともだ。
間違ってない。正しい。
存分に真似て、派生作品を出してほしい。
でも、ちょっと違うなと思う"あなた"に伝えたい。
「異世界」も、
「転生」も、
「俺」も、
「最強」も、
なんか違う。
「らしくない」
そう感じているなら、僕はおすすめしない。
もし、現状では、"あなた"の作品が、
なろう読者多数派のニーズに合わないとしても、
ニーズが変化した瞬間化ける。
集団の変化も、心理学における限界質量を越えれば一瞬だ。
上の4つのキーワードを探すのに苦労する日が来ても不思議じゃない。
もしかしたら。
"あなた"の書こうとしている作品が、
または既に書き始めている作品が、
今の"なろう"系を破壊し、
次のオンラインノベルの礎となるかもしれない。
僕はそう期待しているし、確信している。
だから、書きたい作品があるなら書いてほしい。
コアなユーザは確実にいる。
キーワード、更新時間、更新回数。
ここを押さえれば、ある程度、満足の行く反応が帰ってくるはずだ。
少なくとも趣味の範囲なら…。
でも、書いたのに誰も見てくれない、なんて悲しすぎる状況からは解放される(と思う)。
検索してくれる奇特な人はいる。(有難い)
著者名を覚えてくれる人もいる。(すごく有難い)
まずは、そういう人達と出会うことから始めるのがいいと思う。
そして、もう芽が出始めている。
「破壊の兆し」を見逃さないでほしい。
それが、"あなた"の感性とマッチするなら存分に乗っかるべきだ。
これから書く人には、特にこの事を伝えたい。
そして、矛盾したことを言うけれど。
「異世界に転生して、俺最強」
の物語を、僕は憎めない。
いや寧ろ好きだ。
しぶとく生き残ってほしい。
そう願っている。
最後に。もうちょっと未来の話をする。
一番ありそうで一番あって欲しくない未来。
自動的に小説が作られること。
人工知能・機械学習により、流行作品が次々と作られていく。
注文を入れたらオリジナル作品がオンデマンドで出てくる。
あって欲しくはない。
只ないとは言い切れない。
こういう時代になったら、流行とか考えるのが間違いになる。
より一層コアなユーザーを探す必要が出てくる。
ただし、しばらくは大丈夫だろうと思いたい。
追記。スマートスピーカーを主軸にするとどうだろう?そういうアプリとかサービスとか。
多分ラジオみたいに聞くので、会話が多くなり、劇風(シェクスピアとかみたいな会話だけ)の作品が好まれるはずだ。
「異世界に転生して、俺最強」
を、劇風で、ラジオみたい、スマートスピーカーから聞ける日を心待にしている。
そんな未来も有るかもしれない。あったらいいな。
オーラを感じるなと思ったら評価・ブックマークしていただければと思います。
そうすると筆者のMotivationが更にUpします。
下記連載始めました。不定期更新です。
「これから、異世界転生する人に伝えたい~知識チートしたいならこの本だけでも持っていけ!」
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