ストーリーと描写について
ニスナーの皆さま、こんばんは!
今回は頑張りましたので、今週の執筆ネタはこれでおしまいです。
この前はちょこっと書き方についてのお話を盛り込みましだが、今日はもう少し突っ込んだお話をします。
お話を書く要素は色々あると思いますが、お話が進む部分やお話に肉付け、面白くさせるなどいろんな要素があります。
そんな今日のお題ですが、いただいたお題をいきますよ〜!
『ストーリーと描写の分量について』
(内容を①②と分けてお話します)
今日は心強い味方であるChatGPTのチャッピーくんから色々と教えてもらおうと思います。
①ストーリーとは、
「何が起きたか(出来事・展開)」
描写とは
「その出来事をどんな風に見せるか(感じさせるか)」
②ただ、はっきりと描写、ストーリーと分けられないところもあります。
それぞれ細かく見ていきます。
①まずは描写とストーリーを分ける。
チャッピーくんに人気の描写とストーリーの分量を聞いてみました。
以下、回答──。
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Web小説(大衆&エンタメ寄り)
→ テンポを重視する読者が多い
おすすめ比率: ストーリー7〜8 : 描写2〜3
展開がサクサク進む
描写は「簡潔&わかりやすく」「テンポを落としすぎない程度に」
1話あたり“何かが起こる”のが大事!
> 例:小説家になろう、カクヨム、ライトノベル
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紙書籍・文学寄り(大人向け/感情重視)
→ 世界観や心理をじっくり味わいたい読者が多い
おすすめ比率: ストーリー5 : 描写5(あるいは4:6)
深い没入感や余韻が好まれる
登場人物の“内側(心)”を丁寧に描く
多少展開が遅くてもOK
> 例:一般文芸・純文学・大人向け恋愛
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ワンポイント
1シーンごとに「動き(ストーリー)」と「感じさせる描写」をワンセットで入れていくと、どんな層にも好まれやすくなります。
また、“動かす場面”はストーリー多め、
“感情を落とし込む場面”は描写多め …と緩急をつける作りが最も強いです!
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ですって!
②伏線・暗示などとしてストーリー展開とかかわってくる場合やシャレード(感情をモノで表現する)などの部分
こちらも人気の割合をチャッピーくんに聞いてみることに。
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・描写3〜4割:ストーリー6〜7割
→ 一番多いパターン。テンポが良く、なおかつキャラクターやテーマの厚みを出せる。
・描写2割:ストーリー8割
→ コメディ・テンポ重視型。会話劇やギャグ展開がウケやすい短編でよく見られる。
ただし長編だと「軽い」と感じられやすい。
・描写5割:ストーリー5割
→ 恋愛ドラマ寄りの人気作(乙女ゲーム系やシリアス恋愛)。
感情の余韻や心理描写をじっくり入れることで「感情移入型読者」に支持されやすい。
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おぉ〜、割合によって好まれるジャンルが違うんですね。
それぞれ①②とチャッピーくんに分析してもらいます。
実際に私のホラー短編「天井のシミ」の冒頭部分を分析してもらいました。
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少しだけ親しくなった高村を、俺の部屋に初めて招いた。
六畳一間、壁の薄いボロアパート。築三十年を超える建物のせいか、空気に微かな湿気とカビの匂いが染みついている。
ユニットバスと申し訳程度の一口コンロに小さなシンク。誰もが「必要最低限」と呼ぶような、そんな部屋だった。
近くのコンビニで、ポテトチップスにチョコ、さきイカ、ナッツ、そして缶ビールとチューハイを何本か買う。
袋を下げて戻った俺たちを、薄暗い部屋の静けさが迎えた。
「⋯⋯あれ」
部屋に入ってすぐ、高村が顔を上げて天井を見つめた。
「天井のシミ、か? なんか最近、やけに大きくなってきててさ。二階のやつがビールでもこぼしたんじゃね?」
高村は何も言わず、黙ってその“シミ”を見ていた。微かにうねるように広がる、不規則な模様。よく見ると、中央に向かって薄茶色が濃くなっている。
俺は気まずさをごまかすように、ビールを開けて音を響かせた。
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①
○ストーリー(=出来事・展開・動き)
「少しだけ親しくなった高村を、俺の部屋に初めて招いた。」
→人物関係と状況が動き始める“出来事”。
「近くのコンビニで~買う。」
→2人が何をしているかという行動の流れ。
「袋を下げて戻った俺たちを~迎えた。」
→行動後の場面転換。
「高村が顔を上げて天井を見つめた。」
→次の展開のきっかけになる行動。
「天井のシミ、か?~こぼしたんじゃね?」
→会話による展開・リアクション。
「俺は気まずさをごまかすように、ビールを開けて~」
→心理を伴う行動→展開に繋がる動き。
【まとめ】
誘った・買った・戻った・見上げた・会話した
●描写(=見せ方・感じさせ方・雰囲気)
「六畳一間、壁の薄いボロアパート。築三十年~匂いが染みついている。」
→部屋の外観・空気感の細かな描写。
「ユニットバスと申し訳程度の~そんな部屋だった。」
→部屋の構造や印象という情景描写。
「薄暗い部屋の静けさが迎えた。」
→“静けさ”という空気の描写。
「高村は何も言わず~濃くなっている。」
→シミの形状・色合いなど視覚的描写。
「気まずさをごまかすように」
→感情・心理描写
【まとめ】
部屋の汚さ・匂い・薄暗さ・シミの形・心のざわつき
②伏線・暗示として働く部分
「天井のシミ」
ただの生活描写に見えますが、のちに不穏な出来事(怪異・崩落・死の気配など)へ繋がる伏線の可能性がある。
「最近大きくなってきている」という時間経過の示唆があるため、“放置できない変化”を暗示している。
高村が「黙って見続ける」行為は、読者に「普通じゃない」と思わせる不気味さの伏線。
「薄暗い部屋の静けさ」
単なる部屋の様子の描写に見えるが、場の雰囲気を“非日常”に転じる予兆として使える。
この“静けさ”が後の異変(シミが動く/音がする等)との対比になりやすい。
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シャレード(感情をモノや行動で表現)
「築三十年を超える建物のせいか、空気に微かな湿気とカビの匂いが染みついている」
物理的な古びた部屋の説明ですが、主人公の内面の 鬱屈・孤独・澱んだ人間関係 を象徴しているとも読める。
「気まずさをごまかすように、ビールを開けて音を響かせた」
主人公の“動揺”や“言葉にできない不安”を、直接心理描写せずに 「ビールを開ける音」 で示している。これが典型的なシャレード。
①も②も
描写7~8:ストーリー2~3 くらいだそう。
まぁ、冒頭部分だけですしね。
でも描写の割合が多いなぁ。
チャッピーくんの教えてくれた割合と逆なんですが⋯⋯。
それでは他のも見ていきましょう。
と、その前に
長くなってきたのでここで、一度整理です。
【チャッピーくんのおすすめ割合】
①描写とストーリーの分量
●描写2〜3割
○ストーリー7〜8割
②伏線・暗示などとしてストーリー展開とかかわってくる場合もあるので一概にはいえませんし、シャレード(感情をモノで表現する)などの部分
●描写3〜4割
○ストーリー6〜7割
それでは二角の代表作について。
①純粋に『描写とストーリーについての、分量』を聞いてみたところ、以下の回答。
●描写約7〜8割、
○ストーリー約2〜3割
あれ、こちらもそうなのか⋯⋯?
②伏線・暗示などとしてストーリー展開とかかわってくる場合や、シャレード(感情をモノで表現する)などの部分を含めてもらいました。
すると、このお話はかなりこちらの要素を含んでいるようで、以下のように変化。
●描写3〜4割
○ストーリー約6〜7割
また、チャッピーくんからのコメントはこんな感じ。
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物語のほとんどは「平凡な日常」を情景化しているので、描写の密度はかなり高いです。ただし描写は独立したものではなく、多くが「平凡さの確認」や「非ドラマ性の強調」のためのストーリー的機能を兼ねています。
全体として、表面は「平凡な日常の描写集」に見えますが、構造的には「転生ラブストーリーの結末を伏せたまま語り、最後に裏を明かす二段構造」となっていて、描写とストーリーが密接に絡み合っています。
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それでは、もうひと作品。
異世界恋愛短編のドラマチック令嬢
①
●描写3割
○ストーリー7割
②
●描写4割
○ストーリー6割
意外と良い感じにまとまっていますね!
以下チャッピーくんから総評
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事件のテンポ重視の「ストーリー主導型」だが、伏線やシャレードを考慮すると「描写の厚み」が増している。
特にリディアが他人の“嘘や偽物”を暴く描写(ネックレス、ジュリアン、クラリーチェ)は 彼女自身の役割を象徴する暗示描写 になっており、ただの装飾ではなくストーリーの骨格に食い込んでいる。
結果として 「描写4:ストーリー6」 のバランスで、読みやすさと深みを両立している構成。
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また、今回は特別に他の作者さまからも作品分析の協力をしていただきました!
ご協力感謝いたします!
2作品を分析しました。
作品の頭文字ではありませんが、私の識別のためにアルファベットをつけています。
【作品O】
①
●描写(ディテール・雰囲気・心理):およそ 45〜50%
○ストーリー(展開・出来事):およそ 50〜55%
②
●伏線・暗示として機能する描写: 約20〜25%
シャレード的表現(感情を物に託す部分): 約10〜15%
→合わせると30〜40%
○ストーリー進行そのもの: 約60〜65%
やはり①と②で割合が変化しますね。
チャッピーくんの総評には、お話の内容も含まれておりますので割愛させていだきます。
【作品W】
①
●描写4割
○ストーリー6割
と、ここでチャッピーくんが作品を褒め始めました。
“本作は「心理描写」と「ストーリー展開」のバランス型。
ストーリー進行がしっかりしており(6割)、そこに感情表現や象徴的な描写(4割)が重なっている構成。”
②
●心理・情景描写:約20〜25%
伏線・暗示(後に回収される仕込み):約25〜30%
シャレード(感情をモノや行為で象徴):そのうち約20%が重複して含まれる
→合わせると45〜55%
○ストーリー(出来事・筋運び):約50〜55%
この作品は「ストーリー主導」ですが、随所に伏線と象徴表現を織り込み、最後にまとめて回収する構造になっています。
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皆様いかがでしたでしょうか?
今回はいつもと違い、豪華な分析になったと思います。
私には無い視点での分析でしたので、とても新鮮でした。
こうしていろんな角度からお話をみることによって、書きぶりや傾向も見えてくるのかもしれませんね。
今回は慣れない分析を頑張ってみました!
皆さまはどう思われましたか?




