表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/19

「拒絶」

 それよりか……


「そんなんすね。ところで、インナー・シュピーゲルってなんですか?」


 そっちの方が気になるという、なんか変だな俺も、少しは話に合わせたらどうなんだよ…


「インナー…シュピーゲル…なんだそれは、聞いたことないな…」


 ん?そうなのか?名前を間違えているのだろうか。


 俺の聞き間違いか?その時の記憶を思い出す、

 うむ。だいぶ焦ってたしな。聞き間違えかもしれない、まぁいいか。、



「あの植物状の獣はなんなんですかね?」



 苦痛か……苦痛を司る……なぜだろう…何故苦痛を司るのだろうか、そもそも、何故龍はそれ通じているのか…根本的に苦しみとは、何故存在するのか…


 そんなことを聞いても、彼は知らないとでもいうのだろうか。

 そう獣の正体に疑問を持ちながら、


 「天帝」の使いの役割、つまり、俺に与えられたであろう役割について、疑問に思う。

 不思議だ、苦痛を司る役割を与えられたと知らさせれても、俺は今も何も感じないままだ、実感がないだけなのだろうか、思考も心も靄がかかっているような感覚だ。


 今だけだったりしてな。


「緑の獣……デュアリティか……それも記憶にないのか……とは言っても俺も、何もわからないんだよなー、突然現れた存在だから、いまだに何もわかってないことだらけの生物だからな…」


「……デュアリティなんですね……」



「まぁ、50年くらい前に深海で見つかってな、その時は微生物しか見つかってなかったようだが、デカいのが突然出てきたらしい。」


「……」


「まぁ、何かしら、デュアリティを見つけた研究機関が、何かをしでかしたとか、噂があるが、俺もよくわからんよ。一応、国は否定してて、深海の未到達だった領域に、生物がいたとされる、それは微生物から、より大きな多細胞生物に至るまで、種類は多い、まだ見つかっていな種も多いかもしれないとしている、まだ未発見のものも含めた、その新発見の生物の総称をデュアリティと呼ぶ……大丈夫か?」


「大丈夫です」


 なるほどな。デュアリティか、あの老人そんな感じで言ってたっけ?イントネーションがちがう気がするけれど、、そういうこともあるのだろう

 

 きっと俺の、勘違いだ。


 だが、デュアリティという生物は、他の生物とは一線を画している。生物の持っているスペックが違いすぎる。


 何故あんなにも巨大になれる。地面そのものようだった…


「そうか、続けるが、理解しにくかったらすまんな、その生物は、それだけなら、そこまで、大したものではない、が、問題なのは、人を吸収する…ってとこだ。他の生物は襲わない、人間だけを襲う点だ…そして異様に生物として強すぎる、まるで、神話のそれだ。ああ…神話ってのは、まぁ、聖典だ、名前は存在しないが、昔の人が書いた、神だとか、創世だとかそんなことが書いてある。そこにあるデュアリティって生物と似ててな、名前もそれ由来だ。」


 聞くも嫌な話だ、人間だけとはどういうことだ、他の生物はおそわないのに人間だけか…


 あと、神話…か……

 神話…聖典……


 神話という言葉に拒絶反応がでてるのにもかかわらず、脳内に何度も響く。


 まさか…あの夢に関連があるのか?


 血の気がひく、マジか…あれが、本当にあるのか…いや、そんな、バカな…俺の記憶なわけが無い。 


 夢の全貌は見れなかったが、あの後味の悪さ、あの苦しみ、彼女…死……あんな悲しみ、二度と経験したく無い……のに


「……ん?おい…おまえ…汗すごいな…暑いか?」


「だ…大丈夫ですよ!ちょっと暑いっすよね 」



 そう適当に返し、焚き火を見て考える。

 


 未だに恐怖が治らない……はぁ、いやだ。いやだよ。

 

 縋るように思考を進めた、


 でもだ、夢の中のやつは、大人だったはずだ、ガキではなかったってことは……


 いや、もしかすると何かしらの原因であるのかもしれない


 だが、それは考えすぎだろう。そんなことは万が一だ、現実的に見たら低い可能性だ、

 きっと違う、俺の記憶じゃない。


 ホッとするが、その感情の裏にある恐怖は勢いを緩めてはくれない。


 油断できないのだ。すぐ目の前に押し寄せてくるのだ。



「ふぅ……」


「……押し寄せくるもんだよなー、どうしようもない恐怖、落ち着けるわけないが、そういう時ほど、客観的になりたくなるものだよな…」


「自分のペースで危ない綱を渡りきれば良い」


 まるで、俺の心境を見られているよな、妙な安心感を感じた。


 そうすれば、大丈夫かもって、そう思ってしまう、一時的な安心感なのだろうけど。


「….お…もうこんな時間か…」


 金髪の男は空を仰ぐ


「朝か……なぁ、俺が思うに、昇りかけの朝空が一番綺麗だと思う。」


 俺も縋るように、安らぎを期待するように

 空を見上げる。



 朝日は見えないが、


 霧が空に行くせいか、淡く光る空は確かに芸術的だ。


 朝の涼しさが余計に清々しさを感じさせて、水色と緑が混ざった色の空に、自然の神聖さを感じさせる、包み込まれるような感覚になり、一時的な前向きさを与えてくれる。


 そしてその、広さだ。立体感のある、視覚作用かは知らないがどこまでも続いてるように思わせる。


 恐怖で塞ぎ込まれていた心の壁を透き通すような開放感と、心にドッと疲れを 同時に感じさせる。



 少し休んで良いだろうか…


「色合いが綺麗なのは水蒸気のせいかな?」


 そうやって、呑気に心を奪われていた時


「おいおい、ちょっとまってくれよ……」


「え?なにがです?」


 とぼけた言葉発した俺だが、すぐにその言葉の意味を理解した。


 まだ、影を作っている樹木の上から顔を覗かせている化け物がいる……


「そりゃねぇだろ……」


 つい言葉にしてしまう。


「ずっとそこにいやがったのか?このデカブツは?」


 金髪の男が、そんな恐ろしいことを言う、


 だがそれはないと思った、焚き火で気づかれているなら、もうとっくに別れを告げているだろう、この場所にも命にも。


 なんて言っている場合じゃない


 それは異様に不気味な恐怖心を与える、

 それはその、無駄というには、まだ、デカすぎるほどの巨大がそう思わせるのだろうか。


 それとも、霧が濃く、影が全貌を隠していいて、詳細が見えず、不気味に光る円形の二つの眼光が、こちらを見ているからだろうか。


「きっと全てだ……」



 それが、夢の中の最悪な描写に出てきた奴に似ていても。


 これは夢どころじゃない。


 そう割り切れた、夢の悲しみの恐怖より、

 生からの離脱の拒絶が、

 本能的な恐怖の感情に分配が大いに上がった。


 悲しみを残し、生存本能へと拍車がかかったのだ。


 まるで、他の感情を押しのけるような感覚、

 心の空間を生存本能が満たすのだ。


 決して消えないのだがな


 なんて奴だ俺は。


 逃げなくては。


「森へはいれ!!!!」


 そう金髪の男が叫ぶ




一日お疲れ様でした^^


お読みくださりありがとうございます!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ