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莉央ちゃんとタイムスリップ!【短編シリーズ】  作者: LED
第6話 泣いて馬謖を斬る編
27/56

プロローグ:いつもの?

* 今回のあらすじ *


 俺は歴史好きの高校生・下田しもだ一郎いちろう

 クールな幼馴染・莉央りおちゃんと共に、3世紀前半の中国――みんな大好き三国志の時代に来てしまった!?


「今は西暦にして228年。蜀の諸葛亮が第一次北伐を敢行した年ですね。

 我々は結果を知っていますが……当時この作戦はかなり用意周到であり、魏は大ピンチに陥っていました」


 歴史にifは無いが、もしこの北伐が成功していたら……と誰しもが考えるだろう。

 しかし作戦をぶち壊しにした一人の蜀将がいた。

 三国志フリークなら誰もが知る、今日まで「登山家」として汚名を知らしめてしまった、自称インテリの馬謖ばしょくである。


 何故彼は敗れたのか? そもそも何で山になんか登ったの?

 「泣いて馬謖を斬る」の真相に迫る!?

「どうしてこうなった……どうしてこうなった!?」


 俺は莉央(りお)ちゃんとはぐれ、絶体絶命の危機に陥っていた。

 どうあがいても味方に勝ち目はない。山に登ったはいいが、水は絶たれ、喉の渇きに苦しむ兵たちに戦う力などありはしない。そもそもがして総大将が――


 もうすでに、敵兵が目視できる位置にまで近づいている。俺は絶望し、覚悟を決めた。


***


 事の発端は、俺が三国志のゲームにハマり、熱が上がった時だった。


「しっかしまあ、馬謖(ばしょく)ってどうしようもねえ奴だよなあ!

 師匠の諸葛亮(しょかつりょう)に気に入られたのを鼻にかけて、いざ大将をやったら命令無視でボロ負けするなんてよ。

 水も確保できねえクセに山に登るなんてポカしたせいで、ネットじゃ『登山家』呼ばわりされてるんだぜ!」


 俺の言葉を聞き、クールな幼馴染・莉央ちゃんはピクリと眉をひそめて言う。


「……確かに。何故そんな事をやったのか、は私も気になりますね」

「何故って、決まってんだろ! 馬謖がアホだったからだよ!

 頭でっかちで中身を伴わねえ、机上の空論だけで(いくさ)をやろうとしたからさ!」


「下田さん。私たちは結果を知っていますから……後からいくらでも批判や分析はできます。

 ですが当時の人々が失敗した理由を、軽々に『頭が悪かったから』と断じてしまうのは、一種の思考停止というものですよ」

「えー? そうは言うけどよ莉央ちゃん。じゃあ一体どんな――」


 ……という言葉のやり取りがあった所までは覚えているのだが。

 ここまで書いた所で、勘のいい読者の方ならお気づきだろう。


 俺と莉央ちゃんが、古代中国は三国志の時代――しかも諸葛亮の第一次北伐(ほくばつ)が始まった時期に、タイムスリップしてしまった事に。

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