革命戦争 終盤戦①
少し滅茶苦茶です。
自分の戦闘描写下手すぎてツラい( ;∀;)
◆首都ツンドルン 門
フリン公国の首都ツンドルン。その門の前には、大量の異形が蠢いていた。
ある者は、腕がカニのようになっている者。またある者は、トカゲの尻尾を生やした者。どの人間も体の一部分が異様に変化している。そう、彼等は魔導士ジメイによって集められた人造魔族兵達である。その数、千体。
人造魔族兵が門の前で布陣している中、魔導士ジメイはというと幾本ものチューブで繋がれた例の装置の前にいた。
「ふっ、この戦争の結果がどうであれ、エネルギーは満タンになるだろう。クククク、馬鹿な奴等だ全く。ゴウエンも、公王も、革命軍も、魔族兵士も。全ては私達が更に上に行くための道具に過ぎないというのに」
ジメイは、装置の前でニヤリと嗤う。装置の中には、今も黒い液体がチョロチョロと流れ込んでいる。
「・・・まあ、予想外なことがあるかもしれん。警戒は怠るわけにはいかんな。だが、最後に勝つのは私だ。公国軍でも革命軍でもない」
そう言ってジメイは、装置の前から移動した。そして外に出た時、門が騒がしくなっていることに気づく。
「ほう、早速開戦か。さてさて、私お手製の人造魔族兵を何処まで殺れるかな?まあ、万が一の為に上級の人造魔族兵“兵士ポーン”を指揮官として配置したのだ。なるべく粘ってくれなきゃ困る」
勝ち負けはどうでもいいが。そう呟きジメイは、クククと嗤った。
◆門前 戦場
門前の戦場。数々の怒号・悲鳴が響き、死体がどんどん積み上がっていく。その死体は、人間の物が多かった。
「糞っ!!コイツら、一体一体が強いぞ!!」
「これが上の言ってた人造魔族・・・!」
プーリ侯爵軍の兵士達は、人造魔族兵の強さに驚愕していた。人造魔族兵達がやっているのは単純なこと。前衛の得意な奴が前で敵兵を倒す。後衛が後ろから投石や弓矢を放っている。それ以前にランク、レベル共に差があった。
プーリ侯爵軍の兵士達は、末端の兵士はランクEでレベルも4~7ほど。軍の精鋭中の精鋭でもランクCでレベル35~42が精々だ。対して人造魔族兵達は、下級兵士でもランクC-~Cを誇り、異形の力も得ている。レベルは、侯爵軍の末端兵士と同じだ。だが、やはりランク差による地力が違う。それを感じ取ったのか、プーリ侯爵軍の兵士達はジリジリと後退し始めた。
「ゲッヘッヘッへ、ほら死ねよオラァァ!!」
「どうしたよ、ああん!?かかってこいよ!」
プーリ侯爵軍が僅かに後退し始めたのを見て、人造魔族の二人が挑発する。兵士達が、悔しそうな顔浮かべながら後退していく。人造魔族兵二人は、前進しようとして
「ゲッヘッヘッへ・・・・へ?」
「?おい、どうし」
その瞬間、二人の人造魔族兵は頭と胴体が切り離され、二人は死体に変わった。その様子を見ていた他の人造魔族兵は、殺ったと思わしき人物を見る。その人物は、青い仮面を被り黒い外套を纏った奇妙な人間だった。
「な、何者だ貴様!?」
一人の人造魔族兵が問うと、その仮面人間は少し悩むような仕草をすると、顔を上げる。
「我が名は、カゲマサ一派の一人。カイ・ザー・・・コホン。我が名はどうでもいい。雇われの傭兵だ。まあ要するに、敵だ」
青い仮面の人間、元フリン公国将軍であり現エルダーアンデッドのカイ・ザーバンスはそう言って剣を構えて人造魔族兵達に突貫した。
◆カゲマサ一派 別動隊
カゲマサこと俺はギオとキラー、魔女ミレンダ、死霊魔人達。そして、ドラヌス将軍と騎士ホルト以下別動隊と共にツンドルンの裏手の門に移動していた。うん、していたんだ。まあ、実際してたんだけど。
・・・・はは、運が悪いや。何でこうも
「ほう?まさか、先回りされたのか?我々の奇襲計画がバレたか?」
こうも簡単に敵と会ってしまうのかねぇ。カゲマサ達の目の前には、数十体の人造魔族兵。そして、指揮官と思わしき巨漢が臨戦態勢をとっていた。
さて運悪く敵の部隊と出会ってしまった俺達別動隊。俺は、とりあえず敵を《鑑定》してみる。まずは、牛の頭になっている取り巻きから。
名前 ドナック
種族 人造魔族
職業 中級兵士
レベル 10
ランク B-
スキル 突進 硬皮 剛力
ふむ。ランクC帯では、最高ランクだがレベルは低いな。前に襲ってきた人造魔族もそうだったし、人造だがら何かしら調整されているのか?
そう思考していると、敵部隊の指揮官がこちらに剣を向けて叫ぶ。
「者共ッッ!!こやつらを皆殺しにせよ!!」
「「「ヒャッハーーーッッ!!!!」」」
うわっ!いきなり仕掛けてきやがった!ええい!仕方ない!
「別動隊、戦闘開始!!」
「「「オオオオオオーーー!!!!」」」
こうして俺達別動隊と敵奇襲部隊の戦闘は開始された。
◆ツンドルン正門前 戦場
プーリ侯爵軍と公国軍の戦争は、当初プーリ侯爵軍の劣勢だった。相手は、地力に勝る人造魔族兵。下級とはいえ、精々ランクE程度の兵士では太刀打ち出来ない、筈だった。
戦局が変わったのは、ある部隊が投入されたときであった。全員が仮面を被っている不気味な集団。だが、実力は人造魔族兵と打ち合える程である。極めつけは、青い仮面を被り、黒い外套を纏った二人の人物。元フリン公国将軍カイ・ザーバンスと元フリン公国モンスター討伐部隊“虎”の総隊長ロンド・ペリークスである。現在は、エルダーゾンビだ。
「ふう、流石に数は多いですねっと!」
「同感だぁ!おまけにしぶといがよッ!」
カイは、一刀の元で人造魔族兵を切り殺している。カイは、剣術だけなら英雄級に匹敵する腕前なのだが、ロンドはそうはいかない。強いとはいえ、カイには劣るのだ。
「でも、こうして倒せているんだ。何とかなりますよ」
「ああ、そうだな」
二人は、そう言って人造魔族兵達を狩っていると人造魔族兵の波が二つに割れ、歓声が挙がる。
「・・・どうやら敵の指揮官が来たようですね」
「あるいは、最大戦力だな」
二人は、警戒心を上げる。そして、人造魔族兵達の間から出てきたのは、巨漢。表情は、能面のように無表情であるが、凄まじい殺意をヒシヒシ感じる。
「・・・・ふん。よくも我の部下を殺してくれたな。あの方に申し訳がたたんではないか」
「あの方、ね。君の創造主かい?」
「さあな。どうでもよいだろうがそんなこと。それよりも、戦場で出会った戦士と戦士。ならば、やることは一つだ」
「・・・ロンド。他のゾンビ兵と合流して人造魔族兵を押し留めてくれるかい?」
「おう、任せとけ」
そしてロンドは、そこから離れて仮面をしている集団と合流しにいった。それを人造魔族兵達が追う。
「よし、邪魔者は居なくなったな。おい、そこの戦士よ。名前を聞こう」
「・・・・カイだ。僕は、只のカイだよ」
「カイ、カイか。ふむ、良い名だ。では、我の名も明かそう。我が名は、ジェイビス!創造主より“兵士”の称号を賜った者なり!!」
「いざ!」
「尋常に!」
「「勝負っ!!」」
そして、両者の戦いが始まる。
◆ツンドルン裏門道中 別動隊
裏門への道中、奇襲部隊との戦闘になった俺達別動隊は、目の前の人造魔族をひたすら狩り続けていた。
「ふん!」
俺が、オリハルコンの剣を振るうと、人造魔族兵の首が三つ飛ぶ。そして、首を切られた三人の人造魔族兵は倒れた。回りを見渡すと、人造魔族兵達は殆どが命を散らしている。
「ふう、おい!お前ら無事か!?」
俺は、別動隊の面々に安否確認を行う。やはりというべきか、数が大幅に減っている。生き残った兵士もほぼ満身創痍、唯一軽傷なのはドラヌス将軍と騎士ホルトといったところだ。
「キラー!ギオの奴は!?」
「はっ!彼方で敵指揮官と戦闘を!」
「なっ!」
俺は、急いでギオの元に向かう。するとそこには、互いに血を流しながら殴りあっているギオと敵指揮官がいた。敵指揮官を鑑定してみる。
名前 ヴァルザク
種族 人造魔族
職業 上級兵士
レベル 54
ランク A
スキル 魔物の力・・取り込んだモンスターの分強くなる。 身体能力強化
これは・・・。ギオより強いじゃないか!?これは加勢を!!
「ギオ!今救援に」
「来んなカゲマサァァァァァ!!!!」
俺が救援にいこうとしたら、ギオが声を荒くして制止させる。
「来んじゃねぇよ!コイツは俺の獲物だ!!だから俺がぶっ殺す!手を出すんじゃねぇ!!」
「だが」
「躊躇する暇あんなら、さっさと城に行け!」
その言葉を聞いて俺は、ギオの意思が固いことを悟る。
「・・・わかった。だが、ミランダは置いていく。だがな、絶対勝つんだぞ!!」
「当たり前だ!!」
「・・・・キラー、別動隊!行くぞ!!」
そう言って俺達は、傷付いた兵士を癒しながらツンドルン裏門へと移動を開始した。
「なっ!待て!!」
「お前の相手は俺だァァァァ!!!」
「チィィィ、退けクソカスがァァァァ!!!!」
そしてヴァルザクとギオは、再び衝突した。
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