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準備、そして戦争へ

この前確認したら総合ポイントが1000越えてました。ありがとうございます!

あと、この話で祝100話目になりました。皆様方のお陰てます。

これからも面白くなるよう頑張りますので暖かい応援の程、よろしくお願いいたします。




 さて、無事ミレンダを魔人に変えることが出来た訳だが。このスキル、一日一回しか使えないからな。


「良し、お前達には暫くダンジョン内で軟禁させてもらうからな。そこで大人しく待っとけ」


 それを聞いた囚人達からは、ブーイングが飛んできたがスキル《威圧》で黙らせる。


「カゲマサ、アタシはどうするんだい?」

「ミレンダには、約束通り実験室を与える。被検体の人間は用意させるさ。冒険者や犯罪者などのね」

「ふふ、そうこなくっちゃ」


 ミレンダがウキウキとしている間に、俺はダンジョンの軽い拡張を行う。軟禁場所は、ゼクト配下の蟻達が作ってくれているので問題ない。問題は実験室だが.....。


「おい、カゲマサ!!いい加減俺と戦え!!」


 考えている最中、ギオが俺を指差しながら吠える。あ~、コイツのことどうするか。毎度毎度喧嘩売られたら嫌だし。....コロシアムみたいなの作って冒険者と戦わせるか?


「なあギオよ。お前、冒険者と戦ってみるか?」

「何ッ!!戦えるのか?!」


 反応はいいな。良し、コロシアム作ろう。


「ああ、今からコロシアムのある階層を造る。実験室もそこに併設してしまおう」

「おおっ!!それいいな!!」

「え!?このバカと一緒かい!?...まあ、冒険者の被検体は欲しいからいいさね」


 ミレンダは、一瞬嫌な顔になったが実験の為と我慢した。それを横目に俺は、第六階層と第七階層の間に新たな階層を増設。そしてコロシアムとミレンダ専用実験室を併設した。


「こんな感じかな?さてと」

「マスター、収容先完..せ...い....しま」


 ん?シロが部屋に入ってきたが様子がおかしい。まるで信じられない物を見たような顔になっている。


「ま、マスター?その女は誰ですか?まさかまた浮気ですか?カレンやナタリア、マヤの時のようにまた女を」

「おいおいおい、待て待て。ミレンダは、仕事仲間みたいなもんだから。なあ、ミレンダ」


 ミレンダは、訳がわからないような顔をしていたが、直ぐに悪い顔になって肩を少し見せながら、


「ふう、あれだけ激しくしたくせに」

「はあ?俺が何を激しくって、あ」

「マスター」


 俺が後ろを向くと、シロが笑顔でこちらを見ていた。だが、目は全く笑っていない。というか、光がない。


「待て、冤罪だ」

「マスター、この案件か終わったら話があります」

「...はい」


 この光景にミレンダはニタニタと笑い、ギオは今一つ理解出来ず、ジ・キラーは何故か羨ましそうにしていた。


「さ、さあ!お前等の収容先にいこう。【ディメンションムーヴ】」


 俺は、強引に話を終わらせて全員を収容先に転移させた。













 無事転移出来た俺達は、ズラリと並んだ牢屋を見る。そして、これを作ったであろう蟻形モンスターが整列していた。


「おう、ご苦労様。よく短時間で作ってくれた」

「「「ギチィィィィ!!」」」


 俺の言葉にモンスター達は、皆歓声?をあげた。いやぁ、本当に凄いな。命令してまだ三十分ぐらいしか経ってないんだよ?


「良し、お前達!暫くはここに居てもらうからな。文句は言わせん!」


 俺は、《威圧》を放ちながら囚人達に叫ぶ。すると、一人の囚人が質問してきた。


「な、なあ、俺達の飯はどうするんだ?」

「飯?飯なら届けさせる。これで文句無いだろ」

「あ、ああ」


 そんな問答をしていると、扉からシロと複数人の黒い羽を生やしたモンスター、そして灰髪の美女が現れた。


「マス、いえカゲマサ様。ここの警備を担当する部隊を連れて参りました」

「あ、ご苦労様。ん?何か一人知らない人が」


 すると、灰髪の美女は俺の前で跪き頭を垂れる。


「初めましてマスター、私は上位悪魔(グレーターデーモン)と呼ばれる者。この度は、御身の姿を拝見でき光栄に思います」

「お、おお。十二日間ここの警備頼むわ」

「ははっ!」


 悪魔なのに礼儀正しいな。《鑑定》。



名前

種族 上位悪魔(グレーターデーモン)

職業 幹部 看守

レベル 32

ランク B

スキル 闇魔法の達人 格闘の達人 遠視 統率etc.



 ふむ、中々の強さだな。これなら任せても、いや。並みの囚人なら押さえられるが、ギオとジ・キラーは難しいんじゃないか?


「おい、ギオ。お前この中で大人しく出来るか?」

「ああっ!?無理だろうが!!それよりもあの女強そうだな!!戦わせろ!!」

「...ジ・キラーは?」

「使徒様のご命令ならば」


 ジ・キラーは問題なしか。そうなると、ギオは....コロシアムにぶちこむか。下手に暴れられると面倒だし。冒険者相手に暴れてもらおう。

 俺は、少し不安を覚えながらも戦力拡充の為に奔走した。





 そして十五日後.....。










◆フリン公国首都ツンドルン



 あの“血の失踪事件”から十五日経った。公王ハマル・フリンの側近である魔導士ジメイは、謁見の間にて公王ハマルと複数の貴族達に会っていた。公王ハマルの側には、公国近衛騎士団団長ゴウエン・フィーゾム以下近衛騎士団が控えている。


「して、それは本当かね?ジメイ殿」

「はい、間違いありません」


 一人の貴族からの質問にジメイは答える。


「現在我等が公王家と血縁関係にあるプーリ侯爵家、そのプーリ侯爵家が反乱の準備を行っていることが判りました」


 その言葉に貴族達は、大きく狼狽えた。


「ま、まさかプーリ家が反乱とは。ま、誠に愚かですなぁ」

「そ、そうですなぁ。誠に」


 貴族達は、口々にプーリ侯爵家を嗤うがどれも元気がない。そこに待ったをかけたのは、公王ハマルだった。


「静まれ!!ジメイよ。その情報は真なのだな?」

「はっ。我等がフリン公国に誓って」

「ならば良い、ならばどうする?」

「反乱を起こす以上、やることは一つしかありません」


 ジメイは、少し間をおく。そして。


「先手を打ち、プーリ侯爵家を攻め滅ぼすのです!」


 そう高らかに宣言した。


「それにあたり、貴族の皆様方には兵を出していただきたい」

「な、なるほど。しかし、出せるのは」

「出していただく兵に関しては、こちらに記載しております」


 ジメイは、貴族達に資料を渡していく。


「ほ、ほうほう」

「これなら何とか」


 貴族達が資料に目を通すなか、公王ハマルが口を開く。


「ジメイよ、総兵力は幾つになる?」

「はっ。総兵力は、貴族様方のを含めおよそ三万。対してプーリ侯爵家側は、幾ら集めようと一万しか集められません。それに精鋭部隊も着々と集まっております」

「よろしい。皆の者!!」


 ハマルが叫ぶ。


「愚かにも余に刃向かった愚か者共を、この世から消し去るのだ!!」

「オ、オオオォォォォォォ!!!!」


 貴族達が雄叫びをあげる中、ジメイは嗤う。少々駆け足になったが、これで自身の目的に大きく近づくと。

 近衛騎士団団長ゴウエン・フィーゾムは、何も出来ない自分に憤るように顔を歪めた。


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