一旦帰還
無事“男殺し”の勧誘に成功しついでに他の囚人を解放した俺は、盗賊が根城にしていた山城にて囚人の確認をしていた。
「えっと、合計24名か」
リストを見ながら俺は呟いた。一方の囚人達は、山城の中をキョロキョロと見渡し、ソレに目がいってしまった。
「おい、カゲマサァァ!!」
「ん?なんだギオ」
「あの怪物何だ!!戦っていいか!!いいよな!?」
半巨人のギオがソレ、死霊混合人を指差して叫んだ。
「AaaAaAAAa・・・・」
死霊混合人は、うめき声を出して突っ立ったまま停止している。まあランクAクラスのモンスターだ、ギオの勘か何かが強者と叫んだのだろう。
「いやダメだ。そいつは、俺の生み出したアンデッド、無闇に壊されたら困る」
「何!?アンデッド!?それも生み出したって!?」
何かミレンダが反応を示した。何かあるのかな?
「何だミレンダ、言いたいことでも?」
「あるわ!!只者ではないとは思ってたけど、こんな怪物を生み出すなんて一体どんなことを!!」
「何って、普通にスキルを使ってだが?」
「う、嘘・・・!!私でも中級アンデッドを生み出すだけで精一杯なのに!?そもそもこんな怪物アンデッドは見たことが」
「ああ、複数の死体を合わせて作ったからな」
ミレンダは、もう訳がわからないと絶句して立ち尽くしていた。それほどヤバい奴なのか、あの死霊混合人。まあ、俺自体邪神の恩恵を受けて成長促進されてるようなもんだし、慣れたね。
一方“男殺し”ことジ・キラーは、興味無さげにそっぽ向いている。
「さあ、お前達は晴れて俺の部下になった。とりあえずおめでとう」
「おめでとうございます!」
俺とミルスの言葉にギオは獰猛な笑みを、ミレンダは絶句したまま、ジ・キラーは嫌そうな顔をする。他の囚人達は、一応文句なしのようだ。
「と言うわけで、貴様等を俺の住みかにご案内だ」
俺は再び【ゲート】を出す。
「さあ、全員入れ」
死霊混合人を含めた囚人グループは、謁見室のような所に転移された。
「何だここは?」
「城?」
「お、俺達殺されるのか!?」
「大丈夫だ、ここは俺のダン」
一部混乱があったが、何とか宥めていると部屋ののドアが開き白髪のツインテール美少女が出てきた。
「貴方達、一体何者!!ってマスターァァァァ!!??」
ん?あ、シロだ。久しぶりかな?
俺がそんなことを思ったことなど露知らず、ツインテール美少女、エルダードラゴンのシロは俺の前まで走り跪く。
「お帰りなさいませ、マスター!もう公国転覆を終えられたのですか?」
「いや、まだだ。コイツらの収容先を、え?」
俺は、後ろにいる囚人達を見て、少しビビった。何故って?ギオの奴がシロ目掛けて殴りかかっていたからさ。
「テメェ強ェな!!殺りあおう!!」
「うるさい、私は有象無象に興味はない」
シロは、そう言ってギオを殴り飛ばした。案の定ギオは壁にめり込んだが、ヨロヨロと立ち上がり復活する。そして意気消沈するどころか、逆に戦意が高揚していた。
「ははっ!世界は広いな!!あんなガキでも俺をこんな風にしちまう!生きててよかった!!」
「マスター、殺害許可を。ニガテです」
ギオは、興奮したように叫ぶがシロは鬱陶しいように殺害許可を求めてきた。しかし、仮にもランクAの一撃にも耐えるとは。良い拾い物したな。
「それでマスター、彼等は?」
「ああ、公国の牢獄に収容されていた極悪犯罪者共だよ。部下にスカウトしたんだ」
「わかりました、最高幹部及び幹部の面々に通達します」
「悪いな」
「いえいえ」
話を終えてシロは、一体のアンデッドを呼び寄せる。そして先程のことを伝えると、アンデッドは直ぐに跳んでいった。
「さてと、言いそびれてしまったが俺はダンジョンマスター。このダンジョンの主である」
「「「・・・・・・・・・・・・」」」
囚人達は、しばらく黙り混む。そして。
「ハアァァァァ!!??」
ギオ以外全員大声をあげてしまった。
囚人達は、しばらく驚き顔に恐怖を浮かべていた。ダンジョンマスター。それは、人類の天敵であり人類をゴミのように殺す存在。もしかして自分達は、これから殺されるのかと囚人達は恐怖した。
しかし、彼等にとってもっと困惑する事態が起きる。
あの“男殺し”ジ・キラーが、ダンジョンマスターに平伏していたことだった。これには、当人であるカゲマサもビックリして硬直していた。
「・・・はい?」
「大変、大変申し訳ない!!まさか邪神様の使徒様とは露知らず・・・!!おい貴様等ァァ!!使徒様に頭を下げろ!」
「え、ええ?」
囚人は、ひたすら困惑。俺も困惑。え、何。ダンジョンマスターって邪神の使徒って扱い?まあ、俺自身邪神によって転移してきたんですけども。
「カゲマサ、邪神の使徒だったのか!!よし、殺ろう!」
「まさか邪神の使徒だったのかい、だったら実力も納得かねぇ」
あ、よかった。ギオとミレンダは大丈夫らしい。
「き、貴様等ァァ!!使徒様にむかってなん足る態度!!使徒様!こやつらの抹殺許可を!」
「少し落ち着け。お前が邪神の信者ということはよくわかった」
しかも狂信者に限りなく近いな。魔族だからか?
とりあえずジ・キラーを落ち着かせると、囚人達に改めて説明する。
俺がダンジョンマスターであること。
自分が公国に来た目的が、公国の体制をぶっ壊すこと。
そして囚人達に、一つの強化措置をとること。
「あの」
「ん?何だ?」
「その強化措置ってなんなの?」
一人の女囚人が訪ねてきたので俺は、質問に答えることにした。俺は、ミレンダの前まで歩み寄ると、ミレンダの目を見据える。
「お前、人間止める覚悟ある?」
そして今、いままで死蔵していたスキルが日の目を見る。
もう少しで総合ポイント1000いきそうだ((((;゜Д゜)))。
こんな趣味丸出しの駄文小説を見てくれてありがとうございます!これからも頑張ってみますので応援よろしくお願いいたします!




