契約破棄
少しスランプ?状態です。駄文注意。
さて、魔法二発でプーリ侯爵領軍第一軍は壊滅状態になっているわけだが、どうしよっか。続けるにしろ、指揮官を含む大半の兵士は倒れているし、立っている兵士は恐怖に顔を歪ませている。
「どうしたものかな」
俺は、足りない頭で少し悩み地上に降りた。そして、兵士達を見やる。
「これで分かってくれたかね?君達程度、こうも簡単に倒すことができる。あと、俺はまだ本気じゃないから」
俺は、スキル《威圧》を使いながら話す。すると兵士達は、《威圧》に気圧されたのかその場にへたりこんでしまった。俺は、チラリとカナベール令嬢を見る。
「これで良いか?」
「え、ええ」
カナベールは、困惑気味に返事を返す。
(確かに勝つとは思っていたけど、まさかここまで一方的なんて・・・。彼等は、この街では精鋭部隊なのに)
そして、心の中でカゲマサの強さに驚いていた。盗賊との戦いで分かっていたが、改めて強いと再認識した。
「あ~、これでは訓練どころでは無いな。俺のせいだし回復させよう」
俺は、【ボックス】から魔法書を取り出し、ペラペラとページをめくる。そして、お目当ての魔法を見つけると、
「これで良いかな?【エリアヒール】」
すると、兵士達の頭上からキラキラと光が降り、兵士達の傷を癒していった。
「き、傷が!」
「す、すげぇ!」
兵士たちは、傷が塞がっていくのを見て、非常に驚いていた。
「グヌヌヌヌ・・・!」
指揮官は、悔しそうにカゲマサを睨む。
「何だ指揮官。何か文句でも?」
「・・・チッ!我々には魔導士がいなかった!いたら我々は勝って」
「見苦しいわよ?指揮官」
指揮官と俺が振り向くと、カナベールがダッチムとアンデッド三人組を伴って立っていた。
「我が家が抱えている魔導士には、あそこまでの魔法を防げる者は二人ぐらいよ?しかも、二人とも父の護衛に付いてるから、結局は負けていたのよ」
「ッ!!、ッ!!」
指揮官は、悔しさが頂点になったのか地面を拳を何度も叩きつけた。
「これは、訓練できる精神状態じゃないな。カナベール令嬢、報酬は無しで良い。お前ら、行くぞ」
俺は、指揮官がとても訓練できるような精神状態では無いと判断し、アンデッド三人組と練兵所を後にした。
カゲマサ達が練兵所を後にした後、練兵所ではプーリ侯爵領軍第一軍の面々が起き上がり、カナベールに跪いていた。
「・・・何か言いたいことは?」
「・・・カナベールお嬢様、何故あの男と我々を引き合わせたのですか?」
「貴方達に強くなるためのきっかけとなれば、と思ったからよ。因みに父も了承済み。・・・まあ、契約は破棄されちゃったけど」
カナベールは、呆れも含んだ笑みを浮かべる。
「しかし、あの男はカナベールお嬢様に対して敬意を示しておりませんでした。あまりにも無礼では」
「あら、その気になればこの街すらも簡単に滅ぼせる超人を無礼として捕まえるのかしら?そしたら、どんな災禍に見舞われるか」
「うっ」
「そういうことよ。カゲマサ様は、極力排除しない方向性でいくわ。排除して、街を滅ぼされたら嫌だもの。あと、私個人として気に入ってるけど」
兵士達は、カナベール令嬢の言葉に黙り混む。自分達の相手をしていたのが、恐ろしい怪物と理解したからだ。あんな魔法を見せられ、更には本気じゃないと言われれば嫌でも理解してしまう。
「分かったらカゲマサ様に、呆れられないように死に物狂いで訓練なさい」
「はっ!」
カナベールからの命令に、領軍第一軍の面々は大声で返事を返した。
「良かったんですか?報酬を手放して」
「構わない、それよりもやることがある」
「・・・首都ツンドルンへの潜入、ですか」
「ああ、ミルスとな。カイ、お前とロンドはプーリ侯爵家周辺の情報を集めろ。革命の灯火を見逃さないように」
「はっ」
俺達の目的は、革命による現体制の破壊。最悪国を滅ぼすこと。俺としては、革命を起こして速やかに体制を移行させるつもりだ。そのためにも、ツンドルンの情報を集めなければならない。
「出発の日時は?」
「今日の深夜だ。さっさと済ませたい」
「了解です。ミルス、聞いたな?」
「はい!分かっておりますとも!」
ミルスは、元気良く返事をする。一方でロンドは、意気消沈した表情になっていた。
「おい、ロンドどうした?」
「・・・・最高級・・酒・・・」
酒、酒、とロンドはブツブツと呟いていた。
「・・・」
「・・・・わ、悪かったよ」
俺は、それしか言えなかった。
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