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情報整理とちょっとした遊び?



 見たことの無いモンスターの魔石を手に入れた俺は、ニタニタとした笑顔で宿に戻った。道中変人を見るかのような目線が集中したが、別に気にしない。部屋の前まで来ると、中から数人の人間の声が聞こえてくる。普通ならばカイ達だろうが、念のために魔力を込めいつでも魔法を撃てるようにしておこう。


「・・・戻ったぞ」

「あ、お帰りなさいませ。カゲマサ様」

「お早いお帰りですな」

「何か良い魔石ありました?」


 うん。ちゃんとカイ達のようだ。鑑定しても同じだな。偽装も無し。


「ロンド、目当ての酒はあったか?」

「へい、紹介状のお陰で良い酒が格安で買えやした」

「そうか、良かったな。次にカイとミルス。情報収集の結果は?」

「はっ、こちらに纏めました。ご確認を」


 俺は、カイが差し出した報告書に目を通す。簡単に表すと、


・現公王が即位してから飢饉が続いている。

・国民の逃亡が後をたたない。

・フリン公国の首都では、犯罪が蔓延している。

・奴隷商の行き来が激しい。

・現公王の元には、毎日賄賂を送る商人でごった返している。

・現公王の側近の魔導士が、最近怪しい動きをするようになった。


 初耳だったのはこんなところかな?まずは飢饉だが、これは単純に気候のせいじゃないかな。ここのところ日照りが続いているし。

 次に国民の逃亡、これは仕方がない。だって、近隣諸国に戦争仕掛けては負けて、仕掛けては負けての繰り返しだもの。それにより、働き手の減少が深刻化してるし。おまけに負ける度、増税するからたまったもんではない。

 そして首都は犯罪が蔓延している件は、警備がサボっているから。

 奴隷商の行き来が激しいのは、身売りだろうな。フリン公国は今現在経済的に大ピンチ。そこに飢饉も来たもんだから、収入源が無いに等しい状況。そこで、主に農民達は身売りをして生活資金にしているのだ。多分。

 まあ、賄賂は放っておこう。

 最後の魔導士についてだが、怪しい動き以外に情報がない。つまり、一番警戒すべき相手だ。


「そういえばカイ、その魔導士について何か知っていることはないか?」

「ふむ・・・・、あ!そういえば、あの魔導士が来てから殿、現公王は性格が変化しましたね」

「性格が?」

「はい、信じられないかも知れませんが、現公王は昔は今よりマシな性格だったのです」

「「「え?」」」


 優しい性格。その言葉に俺とミルス、ロンドが揃って声をあげた。


「え?え?いやいやカイさん。私は見てましたよ?あの糞公王は元から」

「いや、現公王は今よりマシな方だった。何せお前たちが、あの方の護衛に付くまで武術の指南役をしていた私が言うのだ。間違いない」

「う、嘘」

「マジかよ・・・」


 ミルスとロンドは、呆然とした表情でカイを見やる。


「いや、そんな過去あるなら最初から言ってよ」

「申し訳ありません」


 俺が指摘して、カイは頭を下げて謝罪した。


「はあ、もう良いけど。さて話を戻そうか。突然だが、こちらが落ち着き次第俺は、首都に向かうことにする」

「え?首都ですか?」

「ああ、現在の首都の情報は多い方が良いだろう?」

「では我々も」

「いや、ミルス以外は留守番だ。顔が知られていたらどうする?」

「い、いやそれはどこでも一緒でしょう」

「だが、首都ならば尚更認知されている可能性がある。だがら、裏の人間だったミルスと行く。良いな?ミルス」

「はい!ガッテンです!」

「ガッテンなんてどこで覚えたんだ・・・。ふぅ、お前達は引き続きこの街に残って情報を集めろ」

「は、はっ!」

「へ、へい」

「よし、では就寝」


 そう言ってベットに入ろうとするが、あることに気づく。


「あ、私達はアンデッドなので寝る必要無いですね」

「あ~、俺も魔人効果か知らないが眠らなくても良い体になってたな」











 翌朝。カゲマサ達の部屋のドアが、バァンと開かれた。


「カゲマサ殿!入ります、よ?」


 入ってきたのは、昨日助けたカナベール令嬢。僅かに息を切らしたカナベール令嬢が見たのは、奇っ怪な形をした物を取り出しているカゲマサの姿だった。


「あ、あのそれは」

「ちょっと話し掛けないで」


 カゲマサからは、今までにないほどの真剣な表情をしている。カナベールは、口をつぐむ。カゲマサは、不安定に揺れるそれにゆっくりと触り、それを形成している木のブロックのようなものを抜き出し、それを倒してしまった。


「アアアアア!!!!」

「やった!!勝ちました!!」


 対面に座っていた女性、ミルスは両手をあげて喜ぶ。


「あ、あの」

「ぐ!だが、まだ12勝8敗!俺がまだ勝っとるわ!」

「わかってますよ!!次も勝ちます!!」

「ふん!簡単に勝てると思うなよ!?」

「あっ!!のっ!!」

「「はい?」」


 今更気付いたように二人はカナベール令嬢の方に振り向く。


「もう!私を無視するなんて!一体何ですかそれは!?」

「「ジェンガですけど?」」

「ジェ、ジェンガ?」


 カナベール令嬢は、困惑しながら複数の木のブロックを見た。

ジェンガの表現難しいな・・・。というかジェンガで合ってるよね?(焦り)


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