紹介状とプーリ侯爵家の思惑
総合ポイントが700越えてた・・・・。
一体どういうことだ((((;゜Д゜)))。
俺達は、現在デカイ建物の前にいた。報酬の件にあった高級宿である。どうやらプーリ侯爵が迅速に手配したお陰で、早く準備出来たようだ。
「しかし、デカイなこの宿。さすが高級ってか」
「まあ、この街では最も高い宿ですから」
「それよりカゲマサ様、俺の酒は?」
「黙りなロンド!カゲマサ様、早く入りましょうよ!」
「おお、そうだな」
俺達は、ミルスに促され宿に入っていった。受付を済ませて部屋に案内されると、俺達は置かれていた椅子に座り、今から行う行動について話し合いを始める。
「お前らこれからどうする?俺は、領主からもらった魔石店への紹介状持って、魔石店行くけど」
「私は、ミルスと共に情報を集めます。情報は、少しでも多く手に入れておきたいですし」
「俺ぁ、やっぱり酒ですな。酒買いたいです」
「酒、酒うるさいなぁ。あ、私はさっきカイさんの言った通りです!」
俺は魔石店。カイとミルスは、情報収集。ロンドは、酒か。
「良し、各自目的が終わったら宿に戻れ。後、ロンドは道端で飲むなよ?」
「わかってますぜ」
「ならば良し、解散」
そして俺達は、宿をあとにした。
「さてと、確かこっちにあるって書いてあったな」
俺ことカゲマサは、早速魔石店に向かう。紹介状には、地図も書かれており大変助かる。
「お、あったあった」
俺は、目的の魔石店の看板を見つける。紹介状と見比べて、この店と確信し店内に入った。
「いらっしゃいませ、どのような魔石をお探しで?」
「ああ、その前に」
俺は、領主からもらった紹介状を店主に見せる。
「これは・・・・はい、紹介状確かに受けとりました。我が商会の魔石を存分にご覧ください」
「助かる」
店主から許可をもらったので、早速見て回る。勿論鑑定も忘れずに。
(えっと、ゴブリンやオークの魔石、フレイムスネークやフォレストウルフの魔石、トロールの魔石etc.etc.)
一通り見て回ったが、どれも持っている。または、進化したら自動的に手にはいるような代物ばかりだった。
「なあ店主。他にはないのか?ここにあるのは大体持ってるぞ」
「ふむ、ではこちらへ」
「ん?」
店主が、カウンターの奥に案内してくれるようなので、大人しくついていくことにした。案内された先には、先の内装とは何倍も豪華な部屋があり、そして魔石も大きいものばかりだった。
「こ、これは」
「本来なら、御得意様である一部の貴族しか入れないのですが、お客様は領主様の紹介状を持っていらした。ならば心配は無いでしょうから」
「な、なるほど」
俺は、気を取り直して物色を開始する。
(ふむ、ナーガにスフィンクス、デュラハン、キョンシー、サイクロプス、マーメイド、クラッシュマグロ、ヒュドラ、ミノタウロス、化け猫、烏天狗、ゴーレム、餓鬼etc.etc.・・・・何だこれは!?どれもこれも持っていないモンスターの魔石ばかりではないか!!)
「・・・店主。随分と見たことのない魔石ばかりだが」
「はい、これらの品は他の国々に生息するモンスターの魔石でございます。中には、他の大陸を渡ってきた品もございます」
これは・・・何がなんでも買うしかないな!
「店主、ここにある全ての種類の魔石を一つずつ購入しよう。いくらだ?」
「ありがとうございます。少々お待ちを・・・・・全部で金貨1286枚程になります」
「よし」
俺は、【ボックス】から金貨を取り出す。暇なときに冒険者としての仕事やDPで出した品物を売ったりしたお陰で、たんまりある。
「これで良いか?」
「・・・・・はい、ありがとうございます。こちらはお釣りですね」
「ああ、すまん」
俺は、お釣りを受けとり魔石を【ボックス】に入れて魔石店をあとにした。そして
(いよっしゃぁぁぁぁ!!)
見たことのないモンスターの魔石を手に入れたことに、気分の高揚を押さえられなかった。
カゲマサが、心の中で高揚し舞い上がっている頃、プーリ侯爵家の城では領主のカリウス・プーリと娘のカナベール・プーリの話し合いが行われていた。
「して、フィナロムス殿下のご様子は?」
「はいお父様。フィナ、いえフィナロムス殿下は、現在は平静を保っていますが」
「・・・現公王の間者の影は?」
「今は、見受けられません」
「・・・・分かった。今後も警戒は怠るな?こちらも護衛を置くが万全でもないからな」
「分かっております」
「ならばいい。それで、次はあの傭兵団についてだが」
カリウスは手をパンパンと叩く。すると、扉から家臣の一人が入室してくる。
「お呼びでしょうか、閣下」
「うむ、明日の昼にあの傭兵共を練兵所に呼びよせよ。領軍の訓練を依頼する」
「承知致しました」
そう言って家臣は退室する。
「あの傭兵団は、かなりの手練と見た。我が領軍の強化に繋がればよいのだが」
「はい、我が軍が強化されれば、それだけ悲願は近付きますから。ですが、我が軍はいささか自信過剰な部分がありますからねぇ。ですがまあ、仕方ありません。全ては」
その後の言葉は、二人同時に出た。
「「この国に未来の為に」」
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