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ダンジョンバトル・アルカ陣営②

投稿遅れました。ごめんなさい。


※ダンジョンバトル・アルカ陣営③と④を統合しました。


「な、なんだ!?この化け物は!?」


 ガデリオは、目の前に立ちはだかる白い狼を見据えて怒鳴る。先程の光は恐らく光魔法、だが新人のダンジョンマスターがあんな威力の光魔法を放つモンスターを持っているのだろうか。


「ッ!?次が来るぞ!散開しろ!」


 狼の頭上に光の弾を発生させているのを見てガデリオは、その光弾を危険と判断し部下に命令する。そして、狼はガデリオ達に光弾を放つ。ガデリオは、何とか回避したが他の部下は光弾に呑まれて消滅した。


「なっ!?糞!何て威力だよこれ!新人がどうやってこんな化け物を手にいれたんだ!?」


 ガデリオは、意味がわからないと叫びながら光弾を避ける。だが、どれもギリギリで何時直撃するかわからなかった。


「えぇい!もういい!埒があかん!」


 ガデリオは、覚悟を決めて白い狼に突撃を開始した。狼も敵が攻撃に移ったことを察知し、光弾を放とうとして敵を見やるが、敵の姿が消えていることに気づく。


「油断したな糞犬!」


 ガデリオは、既に狼の頭上で剣を抜き飛びかかっているところだった。狼は、獣の本能でそれを感じとり光弾を頭上に向かって発射した。


「ぐおっ!?」


 そして、多くの光弾の内一発がガデリオの下半身に直撃、ガデリオの下半身を消失させた。


「・・・せめて一発、食らえやぁぁぁぁ!!!」


 しかしガデリオは、持っていた剣を狼に向かって投擲。投てきされた剣は狼の左目に突き刺さった。


「ギャン!!」


 狼は、目に剣が突き刺さり驚いたように鳴き声をあげた。目からは、赤い血が溢れ出ている。


「へっへへへ、ざまぁ見やがれ・・・・!」


 下半身を失い地に倒れ付したガデリオは、狼にニヤリと笑いながらいい放つ。一方の狼は、顔から剣をふるい落とし怒りに満ちた目でガデリオを見ていた。そして狼は、怒りのままに光弾を放った。


「グォォォォーーーーー!!!」


 ガデリオは、迫りくる光弾を見ながら口を開く。


「へへへ、・・・・わりぃな。お嬢」


 アルカに謝罪した後、ガデリオは光弾に飲み込まれ、消失した。













 アルカは、ガデリオとの繋がりが消えたことを察知して、ガデリオが敗北したことを悟った。


「へぇ~、あのガデリオをねぇ」


 ガデリオは、現アルカの配下の中では三番目の強さだった。そのガデリオが負けたとなると、敵の中に高ランクのモンスターがいたか、アンデッドに特効のあるモンスターに襲われたか。


「恐らく前者だね。特効があるモンスターがいるなら、既に前線に出てきている筈だ」


 となると、高ランクモンスターの対処だが他の吸血鬼は下手に動かせない。だが、こっちの最高戦力を当てなければ太刀打ちできない。


「・・・僕が行くよ。皆はコアを守ってて」

「なっ!?」


 周りにいた吸血鬼達は狼狽えた。当たり前だ。自分達の主が、自ら危険地帯に出向くのだから。止めるに決まっている。現に吸血鬼達は、アルカの前で止めにかかる。


「危険です!御身自ら出向くなど!」

「大丈夫。だから待ってて。ね?」


 だがアルカは、部下の制止を振り切り敵ダンジョンに走っていった。その声には、僅かにだが不快感が混ざっていた。


 部下を命令で黙らせアルカは、敵ダンジョンの中を凄まじい速さで駆け抜ける。


「そういえば、バートンは大丈夫かな?」


 駆け抜けている最中、敵本陣に送り込んだバートンの安否が気になった。眷属としての繋がりは消えていない。だが、どんな状態かは把握出来ない。アルカは少し不安を感じたが、今はガデリオを殺ったモンスターに集中しようと意識を切り替えることにした。









◆敵ダンジョンマスターチーム



「アッハッハッハッハ!」


 敵の主力らしき部隊を全滅に追いやり、コボルトは大笑いしていた。


「見ろ!僕のアイディアは間違っていなかった!僕のアイディアのお陰で、敵の部隊を全滅させたぞ!」

「あの狼は、俺の召喚したやつじゃねぇか!」

「そうだが、僕の余っていたDPのお陰で進化出来たんだよ!?」

「まあ、そうだけどよ・・・・」

「ふん!・・・あいつがいればどんな吸血鬼だろうと負けるはずがない!奴等の手駒が切れたら、すぐに反撃してやる!」


 どうやら、先程の戦闘でコボルトは勝利を確信したようだ。今まで負けっぱなしだったのが気にくわなかったのだろう。ストレスが、一気に開放されたような清々しい顔をしていた。

 だが、その後ろにいたホーンビートルは不安を口にする。


「で、でも大丈夫かなぁ?もし相手が、更なる戦力を出してきたら」

「はぁ?そんなもの、あのウルフに掛かれば瞬殺だよ!」

「ウルフじゃねぇ!グレートウルフだ!」


 コボルトとウルフは、目の前でギャンギャンワンワン言い争っている中、ホーンビートルは不安を募らせていく。


(本当に大丈夫かなぁ?あの光、確か魔法なんだよねぇ?魔法なら、いずれ魔力が尽きるんじゃあ)


 もし、あのグレートウルフの魔力が尽きればどうなるか。だが、グレートウルフ自体ランクBのモンスターである。生半可な攻撃は効かないが、相手は新人一位にして、高ランクモンスターの吸血鬼だ。だが、ホーンビートルは小心者で怒られるのが怖く、上手く言い出せなかった。


(本当に、大丈夫かなぁ?)


 ホーンビートルは、三回目になろう不安を心の中で呟き、ため息を吐いた。










 一方のアルカは、ただただひたすらにダンジョン内を駆け抜けていた。すると一つの大部屋、そして吸血鬼と思われる灰が見つかった。


「あ~、なるほどね」


 アルカは、大部屋の奥で立っている巨大な白いグレートウルフと灰を見て、あのグレートウルフに殺られたことを悟った。しかしあの狼、左目を傷つけられて隻眼になっているではないか。


「あ」


 アルカは、グレートウルフの足元にガデリオが持っていた剣を見つける。恐らく、あの目の傷はガデリオがつけたのだろう。


「ふふ、さて行きますか」


 アルカは、微笑を浮かべ白い狼に気付かれないように魔力を集中させる。十分魔力がたまったところで、グレートウルフの前に出た。


「!?」


 グレートウルフは、いきなり出てきたアルカに驚きながらもすぐさま光魔法の準備に入る。だが、アルカは準備の暇を与えなかった。


「とりあえず動きから。【シャドウホールド】」


 アルカが魔法を発動させた瞬間、グレートウルフの影がグレートウルフの足を縛り動けなくする。グレートウルフが動けなくなった隙にアルカは、グレートウルフの背後に回り込み剣を抜いた。


「【ダークスラッシュ】」


 そう唱えると、剣が黒く光り始める。黒く光り始めた剣をアルカは、グレートウルフの右後ろ足に切りつけた。


「ギャアア!!」


 グレートウルフは、悲鳴をあげながら光魔法を乱射。だが、アルカはなんてことないように回避した。


「あれ?なんか弱々しいな。あ!君もしかして魔力切れが近いのかな?」


 アルカは、グレートウルフの状態をあっさり看破した。そう、今のグレートウルフは魔力切れが近く光魔法を満足な威力で撃てない状態にある。しかし、グレートウルフは諦めることなく【シャドウホールド】から抜け出そうともがいていた。


「さて、抜け出されたら面倒だからさっさと始末するかな」


 アルカが剣を抜き、グレートウルフに止めを差すべく走り出した瞬間。


「グオオオォォォ!!!」

「うわっ!」


 グレートウルフは、【シャドウホールド】の拘束が砕き右後ろ足を失っているのに関わらず、凄まじいスピードでアルカに襲い掛かった。グレートウルフの牙がアルカに届こうとした。

 だがその時、アルカの上半身が霧状になりグレートウルフの牙がすり抜けたのだ。グレートウルフは、噛み砕いた感覚が無く不思議に思ったが気を取り直し、アルカの方を向き、あっさりと首を一刀両断されてしまった。


「残念♪」


 アルカは、紫色の髪を揺らしながらグレートウルフだったものに告げた。










◆敵ダンジョンマスターチーム



「・・・嘘だ」

「・・・」

「・・・・あわわ」


 コボルトは信じられないといった表情で。ウルフは意気消沈。ホーンビートルは驚愕すると同時に納得した。


(ああ、やっぱり一位は凄いなぁ)


 一位の壁を感じながら、ホーンビートルはモニターを見ていた。


「さあ、次は貴方達の番だね」


 突如響いた声に、三体のダンジョンマスターは驚きながら振り返った。そこには、あのグレートウルフを倒した新人一位がいるではないか。


「あ、あああ」

「ひっ!」


 ホーンビートルとコボルトは、怯えながら後退。だが、ウルフは自棄になったのかアルカに襲いかかる。


「ちくしょーが!ノコノコ出てきやがって!死n」


 だが、抵抗虚しく頭と胴体を切り離された。あのグレートウルフと同じ末路である。


「次は?」

「お、お待ちを!」

「ん?」


 突然コボルトは、アルカに土下座した。顔を床に擦り付ける勢いで、清々しいまでのきれいな土下座だった。


「ぼ、僕!いや、私はあなた様に従属いたします!だから、だから命だけは!」

「へえ~、ユラを裏切る、ねぇ」

「あなた様の為に馬車馬のごとく働きます!どうか!」

「私には、嫌いなものが三つあってね」

「・・・はい?」

「一つ目は、不味い血。二つ目は、日光。そして三つ目は」


 アルカは、ゆっくりと剣を構える。コボルトは、すぐに意味を理解した。


「ま、待って!」

「貴方のような、軟弱ですぐ裏切る、誇りを持たない畜生なんだ」


 そう言って、コボルトを頭から一刀で切り裂いた。コボルトは、いやコボルトだったものは真っ二つになりながら床に転がる。アルカは、詰まらなさそうに目を離し、ホーンビートルに向く。


「さて君は・・・・って」


 ホーンビートルは、まったく動かない。何故なら、あまりの恐怖に失神してしまったのだ。


「あ~、一応拘束するかな。【シャドウホールド】」


 アルカは、魔法でホーンビートルを拘束しておいた。


『は~い!アルカちゃんとこの三体も失格!因みに二体死んじゃった。ああ悲しい!後は、カゲマサ君だけだね!』


 そこに邪神のアナウンスが入る。悲しいとか言っているが、声は陽気なままだ。


「あとは、カゲマサ君だけか」


 どうやら、リューゼは勝ったらしい。アルカは、ホーンビートルを残し一旦自陣に帰ることにした。


次回は、ダンジョンバトル・カゲマサ陣営①の予定です。

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