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魔の夜会への招待


 アンデッドの戦力を手に入れて、3週間が経過した。配下の育成は上手くいっているし、ダンジョンの手前の村も人が集まりDPもガンガン入ってくる。ゲローロのダンジョンにも、ちょくちょくお邪魔しており、地球の食べ物をご馳走した。まあ、異世界の食べ物とは言ってないけどね。

 懸念があるとしたら、俺よりも遥かに早く生まれたダンジョンマスターであるナナさんである。しかし、今は地球の食べ物でもてなし何とか潰されずに済んでいる。

 ナナさんから代金代わりに貰うDPは正直ありがたい。このまま、只の取引相手として良好な関係でいたいものだ。取引してる時点でナナさんの派閥に属してるようなものだが。


 こうして、何とかダンジョンマスターの業務も軌道に乗り始め少々暇になってきた時、それが現れた。

 それは、俺がコアルームでシロと雑談していた時だった。


 何かが、ポンッと音を立ててコアルームに出現したのだ。


「ん?何だあれは」

「マスター、警戒を」

「わかってる」


何やら、変な音がしたので振り向いてみると、そこには一つの机、そして一通の手紙が置かれていた。シロは、あまりの怪しさに警戒を促す。


「しかし、一体何だあれは?」

「マスター、警戒を解かないでください。敵の罠かもしれません」

「分かってるって」


 2度も注意を受けた俺は、慎重に手紙を手に取り目で読み始める。




『ダンジョンマスターのカゲマサ様へ。


 今日この度、《魔の夜会》を開催することになりましたー!イエーイ(σ´∀`)σ!という訳なのでお土産を持って来なさい!会場に行くときは手紙を掲げて「魔よ集え」と言えば会場に転移できまーす!

 P.S.断れば他のダンジョンマスターから、一斉攻撃食らうから注意だよ?


        貴方のこの世界に転移させた邪神より』



「・・・はあ」


 手紙を読み終わり俺は、ため息をつく。


「・・絶対面倒くせぇ」


 と、まだ見ぬ《魔の夜会》に不安を感じた。









 俺は、主な配下を集め今回の顛末を話す。


「・・・という訳よ」

「何と・・・いかがなさいましょうか?」


 そう質問したのは、このダンジョンの最高幹部であるグレータードラゴンのシロだ。


「ああ、参加する。というか参加しなければ俺達に未来はない」

「承知しました。その間は、我々がダンジョンを守りましょう」

「頼むぞ?」

「はっ!」

「そういえば、ダンジョンをこの間改装したがどうなってるんだ?」

「はいっす。オイラ達がスポーンモンスターの量を調節しているので問題なく回ってるっす」


 そう答えたのは、最高幹部であるゴブリンキングのゴブイチだ。


「そうか。だが、油断するなよ?」

「分かってるっす」


 よし、問題なさそうだな。では、準備を始めるとしよう。















 俺は、一通り準備をして最終点検を行う。


・武器 ミスリルの短剣 ミスリルのハンマー

・防具 魔法耐性付与のローブ 鉄の胸当て

・道具 ポーション 魔力ポーション クッキー

・土産 チョコケーキ


 武器は道具創造で生みだし、防具は村の商人から買い取り、道具と土産は武器と同じ道具創造で作り出した。

 さあ、行くとするかな。えっと、確かこう言うんだったっけ。


「魔よ集え」


 手紙を掲げながらそう言うと、視界が一瞬暗転した。そして、暗闇が晴れて目の前に現れたのは、巨大な、それも山のように巨大な城であった。


次回は、魔の夜会の予定です。

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