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処刑

勇者処刑だよ。短いです。


「さてと、俺の大切な仲間を殺した勇者を処刑するか。ああ、待ちかねたぜ」


 俺は、逆さに吊るされている勇者を見て高揚したように呟く。


「さあ勇者。地獄に行け」


 俺は、勇者を縛ると同時に命綱でもある鎖を短剣で切った。実はこの短剣、オリハルコンアーマーのヨロイの破片で作ったものである。ヨロイがせめて勇者に一矢報わせられるよう作ったものだ。

 穴の中に落ちていく勇者は、穴の底で床に衝突して目を覚ました。


「ッ!?・・・・あ、ここは!?」


 勇者は戸惑い、辺りを見渡すがそこで自分が袋の鼠だと知る。勇者の周囲には、様々なモンスターが勇者を取り囲んでいたのだ。挙げていくとこうだ。


 ゴブリン、オーク、ウルフ、ネコ、イヌ、ヘビ、トカゲ、カブトムシ、アリ、クモ、トレント、インプ、ドラゴンベビー、etc.etc.などと本当に沢山いた。あまりに種類が多すぎるのだ。


「ま、まさか!」


 モンスターは、一斉に勇者へと襲いかかった。モンスターの波に飲まれる勇者は、悲鳴を上げる。


「い、嫌だ!なんで、僕がこんな目に合うんだ!」


 必死に藻掻きながら、モンスターを退けようとする。だが、鎖で縛られ身動きがとれない。


「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!死にたくない死にたくない死にたくない!僕は、僕は!まだ何も成していない!僕は、勇者として正しいことを」


 勇者は、そこまで言ったがモンスターの波の中に呑まれて聞こえなくなった。その後は、お察しのとおりだろう。勇者は、モンスターの波の中で嬲られ、喰われ、虐げられながら、その人生を終えた。
















 勇者がモンスターの波で、絶命したのを確認して俺は一息つく。


「はあ~、終わった終わった。スッとしたぜ、ハッハ〜!」


 カゲマサは、一仕事終えたように汗を拭う。すると、あることが頭に浮かび上がった。


「そういえばナナさん」

「何かしら?」

「どうして俺に協力的何でしょうか?」

「ああ、そんなこと?簡単よ。貴方のような優秀な人材を失うには惜しいだけなの」

「優秀?俺が?」

「優秀よ?いち早く配下のモンスターの育成を順調に終わらせ、勇者を撃退し、DP取得体制を整える。どれも生半可な期間では出来ない。それを短期間でできたのだから、貴方は優秀よ」


 優秀ねぇ、それは無いだろう。俺がここまで出来たのは、地球での価値観が邪神によって薄められて殺人に戸惑いが無くなったからだし、地球で読んだラノベなんかの知識を多少活かしただけだ。まさか、ここまでいくとは思わなかったが。


「だから、貴方に提案なんだけど」


 提案?何だ一体。ま、まさか奴隷化宣言?


「私の派閥に入りなさい」

「お断りします」


 ダンジョンマスターナナの提案に俺は、思わず即答してしまった。


次回は再編成と戦力集めの予定です。

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