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大先輩ダンジョンマスター

めちゃくちゃですみません


「さて、どうしようかな。この勇者」


 処刑場に持ってきたはいいが、このまま放置はマズイだろうな。うーん、アンデッドにするか?それはそれで面白そうだけど、冒険者が見たら一発でバレてしまうな。そしたら帝国軍がダンジョン討伐にやって来るかもしれん。


「あ、待てよ?こいつはまだ生きているからああすれば・・・ッ!?」


 俺は、勇者を捨て置いて直ぐ様臨戦態勢を取る。魔力を漲らせて何時でも動けるように。

 何故ならダンジョンの外から異常な気配を感じるからだ。それも先程の勇者以上の恐ろしい気配が。


「何だってんだ!?次から次へと!強者のおかわりはもう要らないんだよ!」

「それは悪かったわね」

「っ!?何だと!?」


 唐突に聞こえた声の方に振り向くと、銀色の髪に赤目をした幼女と執事服を着た美少年が立っているではないか。


「い、一体何時からそこに!?」

「さっきよ。貴方の気配を感じたから【ディメンションムーヴ】で転移したのよ」


 何だ・・・と?俺に気配を悟らせず、なおかつ一瞬で?あ、転移なら俺もやってたな。


「・・・一つ聞きたい。貴女達は何者だ?」

「ふふふ、貴方と同じよ。これさえ言えばわかるでしょう?」

「同じ・・・はッ!ダンジョンマスターか!?」


 まさかこれ程早く二人目のダンジョンマスターに出会うとは!しかもゲローロより明らかに格上だぞ!?巫山戯んなよ!どれだけ強者がいるんだよ、この一帯は!


「・・・一体何用で?」

「勇者を倒した貴方を見に来たのよ。召喚したばかりとはいえ勇者だもの、それを倒したなんて興味深い存在と思わないかしら?」

「・・・まさか貴女が俺のダンジョンに勇者をけしかけたのか?」

「いいえ、マークしていた勇者の一人が貴族の願いで出向いたようなのよね。その貴族からすれば、ダンジョンでドミニク辺境伯領が豊かになるのが嫌だったんでしょう」


 そうだったのか。ん?何で貴族の内情知っているんだ?どういうことだ?


「そういえば、貴女の名前を聞いていないが」

「ああ、言ってなかったわね。私はナナ・セブンス、この世で七番目に生まれたダンジョンマスターよ」


 セブンス?どっかで聞いた気が・・・あ。


「ま、まさかセブンス帝国の」

「そうよ。七番目のダンジョンマスターにしてセブンス帝国の皇祖帝。まあ、DP集めるためだけどね。貴方と同じで」


 やっぱりねぇ〜〜〜!!そうだと思ったよ畜生が!

 あと、やはり先人がいたか。そうだよな。支配領域内では、人間や生物がいるだけでDPが入る、ならば人間集めて定住させればDPが恒久的に手に入る。この幼女の場合、セブンス帝国というバカでかい領域を支配している。おそらくとんでもない量のDPがあるのだろう。


「勇者を助けにきたのですか?」

「まさか、その勇者はもう処分するつもりだったから手間が省けたわ」

「処分?」

「ええ、先程言った貴族の協力者としてね。その貴族は裏でいろいろしてたし」


 へえ~。そこら辺の話は興味ないな。あ、勇者を始末するなら貰ってもいいよな?


「そうだ。この勇者、こちらで始末しましょうか。この勇者は俺の大切な仲間を殺したのでね」

「いいわよ。こちらとしても手間が省けていいから」


 良し、許可とれたので先程思い付いた方法を試すことにした。上手くいけば、配下のモンスターを強くすることが出来るだろう。

 俺は、勇者を道具創造で生み出したロープで縛り、思い付きを実行すべく準備を始めた。


「良ければ見学されます?お茶と茶菓子なら出すしますが」

「あら、それは有り難いわね。ロロ、いくわよ」

「承知しました。お嬢様」







◆ダンジョン第7階層 処刑場



 かつてドーロのいた階層で準備を終えた俺は、早速配下のモンスターの中で下位にいる者達を集める。集まったのは多種多様で、ゴブリンやオーク、獣系統のモンスター、鳥、トカゲ、ヘビ、カブトムシ、アリ、トレント、何か空に浮く黒い悪魔のような生物等とにかく沢山集めた。

 俺は、勇者を鎖で逆さに吊るすと下に穴を作る。そして、配下のモンスターに穴へ入るように指示だした。モンスターが全て入ったのを確認して、再び道具創造を使いあるものを生み出しす。一つがテーブル、そして黒い飲み物を出した。


「これは?」

「コーヒーと言って、苦いですか味わいのある飲み物です。砂糖とミルクはお好みで。そして、こちらがクッキーという菓子です。サクサクした食感で、コーヒーにあうのです」

「フム」


 ナナは、クッキーを一つ取り口に運ぶ。そしてコーヒーも一口飲む。


「あら、なかなかいけるわね」

「そりゃどうも。さて処刑を始めますか。あ、その前に」


 俺は、ナナに断りをいれ【ディメンションムーヴ】を使い、あるところに向かった。










「あ、戻ってきてくれましたか」


 そう言って出迎えたのが、俺のアンデッド創造でエルダーゾンビになったカイ・ザーバンスである。彼は、草むらに座って土を弄っていた。何やってんだ。


「すまないな。いきなり離れて」

「いえいえ。あ、これらの死体はどうしましょうか?」

「一旦しまうか。【ボックス】」


 俺は、カイ・ザーバンスを暗殺した暗殺者達を【ボックス】にしまうと、カイと共に【ディメンションムーヴ】でダンジョンに戻った。







「遅れました」

「おかえりなさい。あら、カイ・ザーバンスじゃないの」

「知ってるのですか?」

「知ってるもなにも、公国のでは知らぬものはいない人物よ。確か公国最強の若き将軍だったわね?」

「はは、今は反逆者として殺されましたがね」

「あら、それは愚かなこと。今が公国を攻め時かしら?」


 あらら、カイって有名人だったのか。というか、攻め時だと?戦争しちゃうの?だとしたら、死体を融通して欲しいなぁ、なんて。


「そろそろいいですか?」

「ええ、初めてちょうだい」

「始める?一体何を」

「え?そりゃあ」


 糞勇者の処刑タイムだ。


次回は、処刑の予定です。

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