凶報
少し短いです。
「そ、そうか。私は既に死んでいて、君が死霊術でアンデッドとして造り出したのか」
「ああ、だから俺に従ってくれるか?」
「勿論だよ。だってまたこんなに動けるんだよ?死んで、もう何も出来ないって思ってたのにだよ?私には君への感謝しかないさ!」
「そ、そうか」
生き生きしてるな~。そう思っていると、一匹の鳥が飛んできた。足には、何やら紙が結ばれている。鳥の足から紙を取ると、中身を読んだ。
「はあ?」
その瞬間、俺の頭は真っ青になった。
俺は、途端に紙を破り捨てダンジョンに全速力で戻る。後ろから何か聞こえたような気がしたが、無視した。何故ならば、紙に書いていたのは
一つは、ダンジョンに勇者が侵入したこと。もう一つは。
ロウガ、ヨロイ、ドーロが勇者によって殺されたという文字だった。
◆ダンジョン コアルーム
ダンジョンの機能である転移で戻ってきた俺は、シロに問いただす。
「おいシロ。何の冗談だ。あいつらが死んだ?説明しろ!!」
するとシロは、悔しそうに報告する。
「・・・はっ。マスターが出ていった五分後、ダンジョン内に勇者が侵入。驚異的なスピードで攻略していったので、足止めとして三人を送りました。・・・・・申し訳ございません。私が敵の戦力を読み違えたせいで御座います・・・!処罰ならばいかように!」
「そんなことはどうでもいい!遺体は!?」
シロは、無言で後ろを向く。そこには、ロウガとヨロイ、ドーロの死体が置かれていた。どれも派手に抉れており、原型をとどめていない。ヨロイは、もはや残骸だ。
「・・・ッ!!!!」
「・・主君、ここは勇者をどうするかを考えよう。」
俺が、死体を見て怒りに震えているとナタリアが諌めるように提案する。
「・・・・・そうだな。すまん。勇者のスペックは?」
「はっ。勇者は一人。武器は剣を使っていました。魔法は使っていません」
「そうか」
俺は、仮面とマントを脱ぎ捨て歩き出す。
「ま、マスター!?」
「主君!どこに行く!?」
「ああ!?敵討ちだよ!」
俺は、殺意を放ちながらで言い放つ。それだけ憤怒に染まっていた。
「ですが!勇者は強敵!ここは、他の幹部と連携して」
「うるせぇ!俺一人で行く!」
「主君!」
「これは命令だ!ついてくるな!」
シロとナタリアは、金縛りが働いたように動けなくなってしまった。俺は、そんな二人を尻目に勇者がいる階層に向かう。
(待っていろ、必ず報いを受けさせてやるぞ・・・!)
「・・・ハッ!いかん!急いで主君を止め!」
「駄目よ!」
カゲマサを止めようとナタリアは走りだそうとしたが、シロに止められた。
「何故だシロ殿!?あのままでは主君は!」
「信じましょう」
はあ?というような顔をしたナタリアにシロは答える。
「信じましょう。あの方が一人で行くと仰ったのです。我々に出来るのは、邪魔にならないようにすることと祈るだけなのです」
シロは、悲痛な顔でそう告げた。
あまり出番なかったですが、ロウガ、ヨロイ、ドーロは退場です。
次回は、勇者の予定です。
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