魔人と死霊公
カゲマサと死霊公の対決です。
さてと、大体のアンデッドは倒したな。後はこれらのアンデッドを操っていた黒幕だけ・・・かなぁ?ただのアンデッドの大量発生だったらさっさと帰りたいんだけど。ん?何か飛んで来たぞ?
俺が目を向けた先には、黒いローブを着た何かとドラゴンのような・・・ドラゴン!?か、《鑑定》!
名前 死霊公
種族 ハイリッチ
職業 魔導師 元帝国軍魔法連隊長
レベル 41
ランク B+
スキル 火魔法 闇魔法 風魔法 水魔法 狂化 魔力障壁
うわぁぁ、初めてBランク見たよ。後スキルの狂化ってなんだよ。あ、情報にあった。狂化は、自身の理性が吹き飛ぶ代わりに全能力を底上げするスキルらしい。おっかないな。というか、帝国軍?元軍人か!
名前
種族 ドラゴンゾンビ
職業
レベル 36
ランク B
スキル 身体能力強化 腐食の息吹
う~む、やっぱりドラゴンのアンデッドか。身体能力強化も腐食のブレスも脅威だ。だが、奴等はアンデッド、そこに勝機があるな。
「貴様か・・・・!」
「はい?」
あれ?ハイリッチが、恨みを込めた目で見ている。いや、目はないな。おもいっきり顔スケルトンだもの。
「貴様がやったのかァァァ!」
「え?」
俺なんかしたかな?あ、アンデッドに街襲わせたのコイツか。
「アンデッドか?目の前に敵がいたら倒すのは当たり前だろうが!」
「うるさい!!私の帝国への復讐を邪魔しおって!!こうなったら、ここで葬ってくれる!ドラゴンゾンビよ!」
ドラゴンゾンビが動くか。シロ達はもう引かせたから俺一人でやるしかないな。
GYUOOOOOO!!
ドラゴンゾンビは咆哮をあげると、口から焦げ茶色のヘドロみたいなものを放つ。
「うおっと」
俺は避けると、焦げ茶色のヘドロは地面に当たる。
「げっ、腐食の息吹か!」
ヘドロの当たった場所から周囲の草や岩が溶け始めていた。これに当たるのは真っ平ごめんだな。
「なら、お返しだ。【ライトボム】!」
先程アンデッドを、跡形もなく消し去った魔法を黒いローブを着たハイリッチに放つ。
「ぬ!《魔力障へ」
ドゴォォォォォォ!!!!
ハイリッチの所で【ライトボム】は上手く起動出来た。魔力をふんだんに込めた一発なので、無傷ではあるまい。でも不安なので【ライトボム】をもう一発放つ。
ドゴォォォォォォ!!!!
その爆音を耳にして、俺はドラゴンゾンビへと向き直る。
GYAAAAAAAA!!
ドラゴンゾンビは、再び腐食のブレス、ではなく己の牙による噛みつきだった。ブレスを警戒していた俺は、反応に遅れドラゴンゾンビの牙がかすってしまった。すると、着こんでいたマントが溶け始めたではないか。それと同時に、自分の皮膚も溶け始めている。
「畜生が!やってくれたなこの野郎!」
俺は、あらかじめイメージしていた回復魔法【ヒール】を発動させる。これは、カレンから聞いていた魔法だ。
傷口がみるみると塞がっていく。良し、これでいける!
しかし、どうしたもんか。相手は死んでようが立派なドラゴンだ。仕方ない、こうなったら力押しである。
俺は、簡単にイメージする。イメージはガトリング砲、弾は【ライトボム】の魔力少量版。良し、いくぞ。
「食らえぃ!【ライトガトリング】!」
すると、手の平から大量の【ライトボム】が現れ、ドラゴンゾンビに発射された。
GYAAAAAAAA!!!!
ドラゴンゾンビは、大量の【ライトボム】を体に食らい、悲鳴じみた咆哮をあげると腐食のブレスを放つ為、口を開ける。
「させるかい!」
軌道をドラゴンゾンビの口に変え、ブレスを中断させる。俺は、止めと言わんばかりに魔力を更に込めた。すると、【ライトボム】が一回り大きくなり、破壊力も増した。
GYAAAAAAAA!!
ドラゴンゾンビは、悲鳴をあげ地に落ちた。俺は、そのまま撃ち続ける。ドラゴンゾンビの腐った肉が、骨が、内蔵が、粉々になっていく。
十数分後、ドラゴンゾンビは跡形もなく消え去った。バスケットボールサイズの魔石を残して。
「やっとかよ・・・・」
俺は、一息ついてバスケットボールサイズの魔石を回収する。
「大分魔力を使ったぽいな。早く終わらせないと」
俺は、そう言って後ろを振り向く。死霊公のいた所に。
そこには、ボロボロになり、体の一部は砕け、スケルトンの顔がさらけ出しながらも、立っている死霊公の姿があった。
次回は、死霊公編の最後の予定です。
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