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エルザムの都市へ②

感想にて指摘されて、自分のいい加減さに呆れ果てている作者です。


誤字報告ありがとうございます!


◆エルザム神聖国 とある都市 サンダーソン奴隷商会地下 カゲマサside



「私をエルザムの中心地である神都メーカに連れてってくれませんか?」


 その言葉を聞いた俺は、若干嫌そうな顔をしてしまったが、すぐに引き締める。現在の俺は、茶色変装セットを装着してないからな。


「ふ~ん、理由は?」


 俺は、セレスに問いかける。ナナさんとの会話や、エルザム神聖国領統治許可証の存在から察するに、エルザムの殆どはセブンス帝国の手中とみて良い。つまり滅亡だ。その割には、帝国軍が一人も居なかったが。だから、今さら神都メーカとやらに行っても意味が殆どない。


「・・・・・神都メーカには、多数の奴隷達がいます。せめて彼等を奴隷から解放したいのです。そして、彼等の行末を見届けたい。・・・父、ゴドス・シス・ミレーリア三世の最後も」


 教皇ってそんな名前だったんだ。それはさておき。セレスはこう言っているが、身体から滲み出る殺気は誤魔化せない。予想だが、自身をこの地に追いやった貴族に復讐したいといった感じだろうか。


「あっそ。じゃあ、それでいいよ。だがな。俺もタダ働きはゴメンだ。報酬は何を出せる?」


 報酬。その言葉にセレスは、苦虫を噛み潰したような顔になる。


「・・・報酬は、用意できません。私には用意できる力が無いのです」

「タダ働きしろ、と?」

「・・・私でどうでしょう」

「ん?はい?」

「我が身を捧げます。どうか」


 え?コイツ何言ってるの?俺が何時から男色家と見ていたんだ?


「・・・いや、悪いが俺は男色家ではないから」

「え」

「え?」


 見るとセレスは、地味にショックを受けており、執事のハンスさんは、苛ついた顔で教えてきた。


「セレス様は、正真正銘女性だ」


 俺は、改めてセレスを見る。茶色の短髪に法衣から覗く脚は、それなりに鍛え込んでいる。そして胸だが、・・・平だった。


「・・・。わ、私は、そんなに、女らしく、ないですか?」

「あ~、・・・なんかゴメン」


 俺は、顔を赤く染めながらショックを受けているセレスを見ながら、謝罪した。















◆神都メーカへの道 空中 カゲマサside



 俺とセレス、ハンスさんはサンダーソン奴隷商会から出て、俺の【グループフライ】によって、空を飛んでいた。


「ふむ、セレス。神都メーカまで後どれくらいだ?」

「は、はい!あの街を越えたらもうすぐです!」

「了解だ。ハンスさんは大丈夫か?」

「ぐっ!な、なんの、これしき!」


 ハンスさんは、セレスを風から守るように位置を保っているため、風をもろに浴びていた。そのせいか、顔が凄いことになっている。


「み、見えました!神都メーカです!」

「よし、着陸するぞ」


 俺は、徐々に高度を下げ着地した。

 神都メーカ。神都という名前なんだから、さぞきらびやかな都と考えていたが、結果はどうだ。神都を守る壁は、魔法でも受けたのか、穴だらけ。門に居るのは、兵士ではなく兵士の死体。ハエがブンブンと飛び回り、カラスが兵士の死体をつついている。中も酷かった。兵士の死体は勿論のこと、子供に覆い被さるようにして絶命している母親と母親を貫いた剣で貫かれた子供。上半身を岩で潰され、下半身しか残っていない死体。その他にも、様々な死体が存在した。


「う・・・」


 セレスは、耐えきれずに目を背ける。吐かなかっただけマシか。


「・・・武器を持っていた人間が兵士の他にもいるな。何故だ」

「・・・恐らく、教皇直下の土地から急造の兵士としてかき集められた者達だろう。セレス様が囚われていた都市もそうだった」

「老若男女問わずか?」

「問わず、だな。これを見るに」

「なるほど。どうりで人間がいなかった訳だ」


 俺の疑問にハンスさんは答える。しかし、バカな奴等だったのだな。教皇や貴族達は。何故わざわざ戦いの素人を戦場に立たせるのか。邪魔でしかないだろうに。


「この様子では、生存者は絶望的か?」

「・・・セレス様が生きていると言われたのだ。諦めがつくまで探す。・・・ん?」


 すると、ハンスさんが何かに気付いた。俺もハンスさんと同じ方向に振り向くと、やたらとデカイボロボロの城の前に、一つの木の台があった。その木の台には、何やら物がのっている。俺とハンスさん、付いてきたセレスと共に確認を行う。


「・・・なんとまあ」

「そ、そんな・・・っ」

「・・・・やはり、こうなったか」


 なんとそこには、木の台には、五つの人間の首が置かれていた。


「誰の首だ?」

「・・・ファーブレン公、オズマス候、ビーリッド候、ワルタス伯。共にセレス様を担ぎ上げた貴族達の中心人物だ」

「・・・何となく分かった気がするが、あえて聞こう。最後の首は?」

「・・・・それは」

「・・・ええ、そうです。この国を牛耳っていた教皇にして、私の父。ゴドス・シス・ミレーリア三世で間違いありません」


 セレスは、顔を青くして震えながら答えた。


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