懐かしい奴等
誤字報告、本当にありがとうございます!
※一部書き足しました。
◆ダンジョンコアルーム カゲマサside
改めて自身のダンジョンが人外魔境と認識した数日後、俺の脳内に念話が飛び込んできた。
(カゲマサ殿、ロロです。今お時間はございますか?)
(ロロさん?一体何のようですかね?無茶な要求は)
(いえ、大したことではありませんので。兎に角【ゲート】で来てください)
(・・・あ、はい)
俺は、若干不機嫌そうな声のロロさんに促され、【ゲート】を用いてナナさんの庭園に向かった。そして【ゲート】を通った俺の目に飛び込んできたのは、ナナさんとロロさんの前で、血まみれになっている四体のモンスターだった。
◆セブンス帝国離宮 秘密の庭園 カゲマサside
ゑ?ナニコレ?殺害現場?
俺がそんな感想を頭のなかで呟いていると、ナナさんが此方に顔を向ける。
「あら、カゲマサ。ご機嫌よう。ごめんなさいね、急に呼び出して」
「・・・いえ、お気になさらず。その前に、この惨状は一体・・・」
「ああ、これね。ちょっとした憂さ晴らしよ」
「・・・憂さ晴らしですか?」
ナナさんの顔をよく見ると、青筋を浮かび上がらせており、笑顔なのだが背後に竜が見える。
「実はね?このマスター達は、最近参入した者達なんだけど、私が場所や戦力を融通したにも関わらず、無駄にしたのよ。尚且つ、融通した場所も人間の管理下になったし」
俺は、チラリとマスターらしきモンスター達を見る。種族は、サキュバス、アルラウネ、馬、オーガとバラけて・・・・んん?コイツら何処かで。
「あら、気付いたのね。このマスター達は、貴方がダンジョンバトルで破ったマスター達よ」
「ああ、なるほど。通りで見たことがあるて思ったわけだ」
というかコイツら、ナナさんの元でマスターしてたのか。いや、《魔の夜会》でそんなこと言ってたな。
「あ~、コイツらどうするんです?」
「私のダンジョンの贄になってもらう予定だけど?」
あ、処刑ですか。いやまてよ?ここでコイツらを助けたら、恩売れるんじゃないか?ダンジョンマスターの味方は多ければいいし。
「ナナさん、コイツらの管理。俺に任せる予定でしたよね?」
「・・・そういえばそうね」
「コイツらは、鍛え上げたらそれなりに使えそうです。同じ新人ですし、上手くいくかもしれません。というか、押し付けたの貴女では?」
「ならば、今貴方は私に何を差し出せるのかしら?マスター達の命に値する何かを」
おいおい、相当苛立ってるのか?前回の押し付けた件を完全に棚上げしてやがる。まあ、いいか。土産を渡して落ち着いてもらおう。
俺は、あらかじめ用意してあった物を取り出す。箱に入ったそれは、大量の魔石だった。
「魔石?生憎モンスターは」
「これは、我がダンジョンにて生まれた新種。その魔石です」
「・・・新種ですって?」
「はい。鑑定で確認していただいても結構」
「・・・ロロ」
「はっ」
ナナさんがロロさんに命令し、ロロさんが魔石を鑑定していく。
「・・・間違いありません。どの魔石も新種モンスターの物です」
「なるほど、分かったわ。しかし、これでは弱いわよ?新種でも強さは分からないし」
「ご安心を。どれもランクB以上の猛者ばかりですので」
「そう。ならいいわ。マスター達は好きになさい」
「ありがとうございます」
俺は、ホッと一息付く。下手に処分されたら、新種の魔石を渡した意味がない。
「あ、そうそう。呼び出した件だけど、はい」
「?何でしょうか、この紙は」
「エルザム神聖国領統治許可証」
「あ~、はいはい。・・・・へ?」
「という訳で、貴方にはエルザムの統治をしてもらいます。好きに改造なさい」
「・・・はぁ」
俺は、突然の爆弾発言に暫し呆然となりながら、【ゲート】でダンジョンに戻った。
◆ダンジョン コアルーム カゲマサside
俺は、四体の血まみれダンジョンマスター達を床に置き、《狂星》四人を呼び寄せる。
「おう、ボス。アタシ等を呼び出すなんて、なんかあったのかい?」
まずは《狂星》オーガクイーンのオニメ。
「オニメ。貴方はマスターへの口調を改めてから喋りなさい」
続いて《狂星》アークデーモンのルシファ。
「グハハハハッ!!まあ良いじゃねぇかルシファ!俺だってこのままだしなぁ!」
豪快に笑いながら話すのは、二足歩行の獅子だった。
名前 レオーネ
種族 ワーレオン
職業 階層二十狂星
レベル 41
ランク A
スキル 獣王・・獣系統のモンスターの統率力上昇、身体能力超上昇 大剣術 再生 魔力障壁 気配察知etc.
レオーネは、第九階層の守備を担当する幹部である。
「・・あー、うるさい。というか寝たい。寝て良いですか?」
レオーネの言葉をウザそうにして聞いていたのは、レオーネの倍はあるデカさの大木だった。よく見ると、一つ目がレオーネをギョロッと睨んでいる。
名前 ツリー
種族 魔樹王
職業 階層二十狂星
レベル 14
ランク A
スキル 樹の王・・配下の植物系統モンスターの統率力・繁殖力上昇、配下との視覚共有可 再生 魔力障壁 気配察知 養分吸収etc.
台詞から分かる通りツリーは眠たがりで、任務中もちょくちょく寝ている。実力は確かなので、あまり強くは言えないが。担当階層は第十三階層。
「おう、そこまでにしておけお前ら。実はな、そこに転がっている四体のモンスター何だが」
「ああ、これか。で、ボス。アタシ等にコイツらをどうしろって?」
「鍛えてやってほしい」
俺は、本題を切り出す。全ては、落ち着いて引き込もるのために。
良かったなら高評価、ブックマーク登録お願い致します。励みになりますので。
出来たら、感想や誤字報告もくださいな。




