革命戦争 終盤戦③
やっぱり戦闘描写、難しかったよ。
早く公国編を終わらせたいけど上手くいかない作者です。
◆首都ツンドルン 正門前 戦場
カゲマサ一行がヤーレラ城に侵入した少し前。ツンドルンの正門前では、カイ・ザーバンスと上級人造魔族兵ジェイビスが激戦を行っていた。
ジェイビスは、両腕から生えた長い鉤爪でカイに襲い掛かり、カイは長剣一つで応戦している。カイは、長剣を上手く利用しながらジェイビスの攻撃を捌ききっている。ジェイビスは、無表情だが攻撃が捌かれていることに苛立っているのか、鉤爪による猛攻を加速させた。
「チッ。このままじゃあ埒が開かない」
「ああ、そうだね。降伏するかい?」
「ふん、するものか。創造主の命に従うのが我の宿命。容易にはね除けられるものではない」
「創造主って、魔導士ジメイかな?」
「自分で考えたまえ。さてと、決着を早める為にも手数を増やさせてもらおう」
「手数?」
カイは、警戒するように長剣を構える。するとジェイビスの背中から勢いよく四本の白い骨のような触手が出てきたではないか。
「・・・・ッ!やはり少し痛むな。だが、手数は増えたぞ」
「なっ!貴様、それは!?」
カイは、仮面で隠している顔に驚愕を浮かべていた。
「これか?伸骨腕と言ってな。簡単に言えば、手が四つ増えたってことだな」
ジェイビスは、伸骨腕を巧みに操り周りに落ちていた他の人造魔族兵の武器を拾い上げていく。
「よし、こんなものだろう。さあ、青仮面よ。お前は、さっきの三倍の攻撃数を捌ききれるか?」
そう言うとジェイビスは、六つの武器を構えてカイに突撃した。
◆首都ツンドルン 裏門道中
一方、カゲマサ一行を行かせたギオは、上級人造魔族兵ヴァルザクと殴り合いを続けていた。
「オラオラオラオラ!!!!そんなものかよ!!もっとぉ、本気出せぇぇーー!!!!」
ギオは、カゲマサ一派を除きかつてない程の強敵に会えたことでテンションが上がっていた。そしてテンションが上がるにつれ、嵐のような連打がどんどん速くなっていく。ギオ本人は気付いていないが。
「グッ・・・・!!調子に乗るなぁ!!」
一方のヴァルザクは、ギオの連打にだんだん対応出来なくなってきている。こちらは無表情ではないのか、不快感と焦燥感に顔を歪めていた。
(チッ!しょうがねぇ!こんな糞カスに使うのは業腹だが、切り札を使うしかねぇ!!)
するとヴァルザクは、ギオの腹に蹴りをねじ込みギオを後退させると、距離を取った。
「おいどうした!!諦めたのか!!」
「バァァァカッ!!!誰が諦めるってぇ!?こうするんだよぉ!!」
ヴァルザクは、大きく息を吸いこみ黒色の突風を口から吹き出した。
「!?ぬおおおおォォォォ!?」
ギオは、突然の突風に吹き飛ばされそうになるがなんとか堪える。そして、突風は収まった。
「・・・・ああ?何にも起きねぇじゃねぇか!」
ギオは、何にも起きないのが不満なのか、ヴァルザクに対して憤慨するが、ヴァルザクは不気味に嗤う。
「へっへっへ、起きてるさ。てめぇの体にな!!」
「はぁ?・・・・ッ!」
突然ギオが片膝を地面につけた。仮面のせいで分からないが、ギオの額には滝のような汗が吹き出している。手はガクガク震え、頭も朦朧としていた。
「こ、・・れは!」
「俺様の【カースブレス】はよぉ。接触した対象に死の呪いを振り撒くんだぜぇ!?しかも、強力な奴をなぁ!!人間程度では、解くことなど不可能!!そのまま呪われつづけて死ねぇ!!ひゃハッハッハッは!!!!」
ヴァルザクは、勝ち誇ったように嗤った。対してギオは、呪いのせいで上手く立つことも出来ずただただ聞いていた。
(ぐぐぐっ!!上手く動けねぇ!頭も気持ち悪りィ!!このままじゃあ、奴を殴れねぇじゃねぇか!!)
ギオが必死に打開の方法を探していたその時。
「そいや」
そんな声と同時に、ギオを蝕んでいた呪いが一気に解呪された。
「はあ?」
ヴァルザクは、間抜けな声を吐き出す。ギオは、呪いを解呪したのが、誰かわかっているのか、後ろを向いている。
「・・・・チッ。礼は言わねぇぞ!ババァ!!」
そう言うとギオは、ヴァルザクに突撃する。
「ッ!糞カスガァァァ!!どうやって死の呪いを解いたぁぁぁ!!」
「うるせぇぇ!!」
「ぐふぉぉァァァァァァ!!」
喚くヴァルザクにギオは、顔をぶん殴り黙らせる。そして、そこから始まるはヴァルザクにとっては地獄の連打。ヴァルザクも防ごうとしたものの、止めることが出来なかった。
そして暫く時が経ち、ヴァルザクは、原型をとどめていない程の肉片となった。そして、その様子を見ていた一人の女。黒ローブを見にまとい仮面をつけた魔女、ミレンダは静かに息を吐く。ヴァルザクの肉片の側には、疲れきったのか倒れ込むギオの姿があった。
「・・・・まったく。世話が焼けるねぇ。馬鹿が」
◆首都ツンドルン ヤーレラ城 場内
カゲマサ一行は、ヤーレラ城に侵入して公王ハマルの元に駆けていた。案内役は、ドラヌス将軍である。
「止まれ!!反逆者共よ!!」
「ここは、我々近衛騎士団が通さ」
「【サンダーボム】」
「「ぎゃああああ!!」」
何か数十人の騎士がいた気がするが、無視だ無視。
「ふはは!我々宮廷魔道師団の合体魔法を食らえ!!【ファ」
「【クリムゾンアロー×10】」
「何だとぉぉ!!ギャァァァァ!!」
変なローブ集団がいたが、それも無視だ無視。今の俺達の目的は公王ハマルのみだ。
(う、う~ん。私の見間違いか?この国の最精鋭の近衛騎士団と宮廷魔道師団が、ゴミのようにやぶれさったんだが)
一方で近衛騎士団と宮廷魔道師団をさらっと倒したカゲマサにドラヌス将軍は、思わず見間違いかと錯覚してしまった。
そして暫く進み、やっと玉座の間へ到着したカゲマサ一行。だが、そこには。
「ここからはいかせんぞ。反逆者共」
フリン公国最強の騎士、ゴウエン・フィーゾムが立ちはだかっていた。
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早く公国編終わらせられるといいなぁ。




