革命戦争 終盤戦②
相変わらず、文が上手く書けません( ;∀;)
◆首都ツンドルン 裏門前
俺達別動隊は、ギオとミレンダと別れ森を走っている内に裏門と思わしき門の前に到着した。
「おい、ここが裏門で間違いないのか?」
「はい、こちらが裏門で間違いございません」
俺がドラヌス将軍に問いかけると、肯定の返事が返ってくる。そこで俺は、一つ気になることがあった。
「なあ、守りの兵士が一人も居ないぞ?」
そう。防衛用の兵士が一人もいないのだ。人造魔族兵どころか、普通の兵士も居ない。完全な無人状態なのだ。
「キラー、罠だと思うか?」
「・・・・どうでしょう。伏兵の気配はありませんし、魔法的な罠も確認出来ません。つまりは」
「只の職務怠慢、それとも入ってこいと誘っている、か?」
「恐らくは。敵方には、相当自信のある何かがあるかと。あくまで推測ですが・・・」
「いや、門の先が危険ってことは容易に検討がつく。ほぼ当たりだろう」
「分かりました。そのつもりで挑みます」
「よし、一応念のため死霊混合人四体を残しておこう。先程の人造魔族兵の生き残りが来るかも知れん。いいな?死霊魔人」
「ん、大丈夫、任せる」
死霊魔人から許可をとった俺は、死霊混合人四体に裏門を守れと指示しておく。
「じゃあ行くぞ!目指すは、ツンドルンの象徴。ヤーレラ城に住まう公王ハマルである!進軍開始!」
「「「オオオオーーー!!!!」」」
そして俺達は、裏門からツンドルンに浸入した。そして、全速力で駆け抜けていく。
「体力が尽きた者は、俺の元に来い!体力回復薬を支給する!」
俺は、そう叫びながら道をひたすらに走る。途中で体力が尽きた兵士に体力回復薬を久しぶりのDPで見えないように生み出し、兵士に飲ませていく。やがて、ヤーレラ城の城門が見えてきた所で、俺達は足を止めた。城門の前に複数の人影が見えたのだ。
「ヒッヒッヒ、やっと来やがったな?反逆者供!」
「今すぐ殺してやる!覚悟しやがれ!」
一部は、人造魔族兵の様だが大半は普通の人間だ。指揮官は、肥満体の貴族らしい男。
「ふわあ~、ねむいなぁ。おい、人造魔族兵。さっさと片付けろよ。僕ちんは眠いんだ」
「分かってますぜぇ。アンボルダの坊っちゃんよぉ」
(アンボルダ?誰だ?戦場なのに眠いだと?)
そんな俺の疑問を察知したのか、ドラヌス将軍が耳打ちする。
「あの人間はアンボルダ侯爵の嫡男です。どうやら親のコネで警備隊の隊長になったらしく」
「あんなやつがか?」
「はい、アンボルダ侯爵は曲がりなりにもプーリ侯爵と同等の貴族。フリン公国のどこでも顔が効きます。更には、ハマル王に一番賄賂を送っているのもアンボルダ侯爵ですな」
ろくでもないなアンボルダ。俺がそう呆れていると、人造魔族兵が何かを呼んだ。すると、次々と人間の女子供が武器をもってやって来るではないか。
「なっ!貴様等!子供や女を!?」
「へっへっへ、お前等みたいな正義面したやつらは殺しにくいよなぁ!特に子供や女みたいなか弱い存在をよぉ!」
「ちっ!外道共め!」
「ハッハァーー!!罵倒しても遅いぜぇ!!行けェェェ!」
ドラヌス将軍が非難するが、人造魔族兵はどこ吹く風。そして、女子供に命令を下す。
その言葉に女子供の群衆は、怯えた表情になりながらも武器を構えて突撃してくる。
「くっ、カゲマサ殿!いかがなされる!」
「・・・落ち着け」
俺は、こちらに指示を仰ぐドラヌス将軍を落ち着かせながら魔力を集中させていく。そして、魔力が十分貯まるや否や女子供に放った。
「暫く眠っていろ。【エリアスリープ】!」
魔法を使った瞬間、俺の目が紫色に光る。すると、女子供の群衆はまるで糸の切れた人形のように崩れ落ち、眠り始めた。
「・・・な、な、な、なぁぁぁぁぁ!!??」
「こ、これは・・・」
女子供の盾の後ろでイキっていた人造魔族兵は、その光景に悲鳴をあげている。ドラヌス将軍は、ただただ驚いていた。
「おい、何をしている」
「え?」
「さっさと、女子供を回収せんかい」
「は、はい!」
俺の指示を聞いた別動隊兵士は、弾かれたように飛び出し女子供を担いで、俺の後ろに運んでいく。
「ッ!なにしてんだ!ガキと女を取り返せ!」
人造魔族兵達が焦ったように襲い掛かってくる。だが。
「邪魔するな。【クリムゾンランス】」
「目障りだ。【シャドウエッジ・四連】」
「ん、邪魔、殺す」
人造魔族兵士カ達は、カゲマサによって焼かれ、キラーによって切り裂かれ、死霊魔人によって潰されていった。
そして遂に、人造魔族兵は居なくなりイキっていたアンボルダの嫡男一人になっていた。
俺は、アンボルダの嫡男に近づき首元を掴み持ち上げる。アンボルダの嫡男は、抵抗しているがまったく意にかけない。
「さて、聞きたいことがある。あの城の中に公王ハマルはいるか?」
「だ、だれがそんなこと」
「言わなきゃ殺す。言ったら放す」
「ヒィィ!!わ、分かった!喋るから!居るよ!あの城の中に居る!」
俺は、アンボルダの嫡男を一旦放して再び首元を握る。そして、更に力を加える。
「ぐがッ!?な、んで・・・・答えた、ろ!?早く、は、なせ、よ!!」
「はん、だから放しただろうが。放した瞬間掴んだが。俺は約束を守ったぞ?ん?」
「ふ、ざける、な!僕、ちん、はアンボ、ルダ侯爵、家、の嫡男、だ、ぞ!」
「ふ〜ん、だから?」
その言葉にアンボルダの嫡男は、愕然とした表情になる。
「俺からしたら、どいつもコイツも同じ人間にしか見えん。そして、お前は人間でも他人だ。命を助ける程の義理もない。だから死ね」
「そん、な、馬、鹿なこと、が、ある、か!お前、それで、も、人間、か!」
その言葉を受けて俺は、少し考える。そして。
「さあ、どうなんだろうな。俺は、自分をいまいち把握出来ていない」
俺は、左腕を大きく振りかぶる。
「引きこもるとか言っておきながら、外に出てドラゴンなんかと戦ったり、目立ちたくないとか言っておきながら、おおいに目立った。極めつけには、俺の不注意で仲間を失った」
話ながら、左腕に力を込める。
「俺の乏しい自己分析だと、俺はやることが一々矛盾している、間抜けな大馬鹿野郎ってなぁぁぁ!!!!」
そして俺は、左腕を思いっきり振り抜いた。
「ひっ!や、やめぐぼぉぉあぁぁぁ!!」
左腕は、アンボルダ侯爵の嫡男の頭を貫通し、アンボルダ侯爵の嫡男の息の根を完全に止めた。そして、その場に静寂が生まれる。
暫くすると、俺は嫡男の死体を投げ捨て【フレイム】で焼いた。焼いたあと、俺は別動隊に振り向き、こう告げる。
「・・・騎士ホルトは、女子供を護衛しながら戦場から離脱せよ。死霊混合人四体は、城門を守れ。キラー、死霊魔人、ドラヌス将軍、二体の死霊混合人、一部の兵士は俺についてこい」
そう告げて俺は、城門に入る。それにキラーと死霊魔人、死霊混合人が続く。ドラヌス将軍は、呆然としていたが直ぐに気を取り直して、ホルトに指示を下す。
「騎士ホルトよ。女子供を連れ、プーリ侯爵家の陣に後退。その後戦線離脱だ」
「・・・はい、分かりました。女性や子供達の命はお任せください」
その言葉に満足したのか、ドラヌス将軍は一部の兵士を連れて城に入っていった。
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